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ひとり考え続けていることを公開しています。また、文学的な作品もあります。

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4535-4538

2023年03月31日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4535
言おうとすることの
いっぱい詰まった
総量が言葉になるわけではない



4536
言ってしまった後に
(ああ言えば良かった)
という内心の小道をとぼとぼ歩くことがある



4537
心と言葉は押せば押し返される
作用と反作用の
苦い関係を消し去ることはできない



4538
投げ出した言葉は立ち上がり
他人顔で
ぼくのもとから去って行くよ


最近のツイートや覚書など2023年2月 ②

2023年03月30日 | 覚書
 最近のツイートや覚書など2023年2月 ②


2023/02/13
RT
非正規公務員に頼る自治体の「やりがい搾取」 毎日新聞
上林陽治・立教大特任教授

人件費を削減したいという予想はつくが、うーん、今ひとつ行政の意図がはっきり見えてこない。それに、学校の先生が、多範囲、多忙の仕事を強いられているが、それも「無駄な仕事」として大いに削ることができると思う。そのように、行政でも簡素化などで大いに仕事を削ることができるのではないか。

情報化社会といい、銀行の振込や車の保険も、今までの紙への記入から電子端末などでの応答・入力になっている。(しかし、こちらとしては時間や手間が省けるようには感じられなかった) 電子化やネットワーク化は、必然だろうが、今までの形式・内容の簡略化ではなく、余計な仕事の負荷になってないか。

おそらく情報化社会の必然から押し出されてきた「マイナンバーカード」にしても、最初の登場は私たちに何の利便性も感じさせなかった。かえって、毎回余計な手続が必要みたいであった。だから、住基ネットと同じく行政の都合(が下心)なんだろうなと思っていた。今頃になって利便性の「宣伝」をしている。



2023/02/15
RT
【作品コラボ】
ため息を白い蕾に変えていく世界で歌は水仙になる
グラフィックデザイナーのムラヤマアヤノ(@ayano9025)さんとの作字×短歌コラボ
なんてかわいいの...どこかレトロで全ての色がマッチしてて...一見バラバラのようでも統一感と透明感あってどタイプです
#tanka #短歌 #作字 #タイポ

(引用者註.上の短歌を独特の書体で描いたモの)

幕末近く国後島で松前藩の役人に捕らえられた軍艦ディアナ号艦長、ゴローニンの『日本幽囚記』によれば、抑留中の見張りの役人たちは、眠りを妨げられるほどの割と大きな声に出して読書していたという。歌を声に出していた中古の歌合の時代に通じるものだろう。それはまた、無文字時代の名残もあるかもしれない。

ところで、書き言葉中心の時代になってしまった文学、詩は、手書きの時代を抜け出して、電子の時代になった現代では特に、書き記した文字の形や表情などの肌感覚の表現の具体性は削り取られ、具体的感覚的な表現でも抽象的なフィルターを通して表現するほかないようになってしまった。

昔、毎年のようによくやられていた「詩のボクシング」が、声や身ぶりを交えた詩の表現とすれば、これは、書き記した文字の形や表情などを通して肌感覚の表現の具体性を回復(付加)したいという試みのひとつか。いずれも、太古の詩の時代から遠くやって来た詩の現在からの、新たな詩の模索と言えそう。



2023/02/17
RT
Body transfer illusion
The illusion of owning a part/or entire body other than one's own
sight, touch and proprioception (a sense of body position) all combine to convince this person
that a rubber hand is their body part
身体転移錯覚
自分以外の体の一部または全体を所有しているという錯覚
視覚、触覚、固有受容感覚 (体の位置の感覚) のすべてが組み合わさって、ゴム製の手が自分の体の一部であるとこの人に納得させます


わたしたちは普通は自分の手や足や顔などをほとんど意識しない。心や脳を介して反省の意識が起こった時は、意識的になったりする。切断された手の存在を感じる「幻肢」ということがある。これはその幻肢を生み出すような実験か。催眠術の構成もこれと関係あるだろうか。



2023/02/20
「刈り働き」を調べたら、「刈り働きとは敵の領地に兵を送り込み、収穫間近の稲や麦を刈り取り、持ち帰ってしまうこと」。知らなかった。ただ、後に織田信長のことを記した『信長公記』を昔読んだ記憶からすれば、敵の領地を攻めるとき、田畑のものを刈り払うような記述は何度かあった。



2023/02/22
覚書2023.2.22
この人間世界のことでもよくわからないことはたくさんある。時には、ふと立ち止まってそのことを考えることがある。しかし、簡単に結論が出ないことが多いから保留しておくことが多い。そうして、またいつか形を変えたその問題に対面することになる。

わが国は幸運にもというべきか、先の大戦の敗戦後には戦争とはほぼ無縁になった。もちろん、特に安倍政権以降急激に悪い方にバージョンアップさせてきた日米安保関係によって、戦争に巻き込まれる可能性も増大してきている。しかし、わたしの場合は、そうした高所からの視線ではふだんは考えない。

今回のプーチン・ロシアのウクライナへの侵略戦争にしても、そのことによるウクライナ民衆とロシアの民衆の受難と悲劇にしかわたしの主要な視線や感受は向かわない。けれど、もやもやは残る。こうした戦争下という特殊な状況下では、いずれの国の民衆も国家の動向に自らの運命は強力に左右されるからだ。

たとえ非戦の考えを持っていても、侵略者と遭遇した具体的な場面では、自分や家族の身を守るために、逃げるか、武器を取るかなどするだろう。あるいは志願するにまで至るかもしれない。圏外の私たちには無縁なことだが、ロシアやウクライの民衆は、そんな様々な選択を強いられているだろう。

ウクライナの民衆にとっては、自らの運命を左右するだろうから、欧米の武器援助を歓迎しているかもしれない。圏外のわたしは微妙なのだ。ロシアが敗北(停戦含む)しない限りこの侵略戦争は終わりそうにないから、それもやむを得ないものなのかと思ったりしている。

一方で、欧米の武器援助の正否を判断する圏内にはいないからわたしがどうこう言う問題でもないような気もする。本来なら、先の大戦後の反省の実体化によって、国連や国連軍が出向いて紛争解決ができるような体制になっていたら、こんな形にはなっていないだろう。だから、その過渡的な形と見るほかない。

ひとつ付け加えると、戦争とまでは呼べないがわが国の中でも地域の紛争がある。行政や国が地域の問題につながっていて、その問題の渦中に介入してくる。そうして、かき回してそれに関係している人々を賛成派と反対派に分離し、翻弄するということがある。諫早湾干拓や辺野古新基地建設問題などがそれである。



2023/02/26
白川静bot@sizukashirakawa
今日本は、これはあまり大っぴらには言えませんけれども、事実上占領下にあり、属国であります。日本が独立国であるなんて思うておるのは、事実の誤認も甚だしい。これは属国です。

吉本さんも、日本は以前は中国の、敗戦後はアメリカの属国(忘れたが別の類義語を使われていた)だと語られたことがあり、ふうんと思ったことがある。つまり、普通に社会生活している分には庶民はそれに気づきにくいということ。しかし、政府上層の政治家や官僚は肌でわかっているのだろう。

また、例えは゛そのことが現象する沖縄の基地周辺の現場の人々は、彼らとは逆の意味で苦々しく実感しているはずである。しかし、鳩山由紀夫前首相が現職時に「日米合同委員会」の存在を知らなかったというのもふしぎである。属国事情は秘匿されてきたのか。

今調べていたら、吉本さんは「冊封体制」という言葉を使われていたようだ。「冊封国(さくほうこく)とは、前近代の東アジアで中国王朝を中心とした冊封体制の下で、中国王朝を宗主国とした従属国のこと。朝貢国・藩属国・服属国などとも言う。」(wiki)

「冊封とは、称号・任命書・印章などの授受を媒介として、「天子」と近隣の諸国・諸民族の長が取り結ぶ名目的な君臣関係(宗属関係/「宗主国」と「朝貢国」の関係)を伴う、外交関係の一種。」(wiki)



2023/02/27
RT
【転職応援メディア】キャリアタウン【公式】
の中の言葉より


「50歳超えてるけど転職本気で考えてみようかな」は、話し言葉の文体であり、普通は、書き言葉では特に、助詞を加えて「50歳(を)超えてるけど転職(を)本気で考えてみようかな」となる。主語の省略も助詞の省略も、この場合は誤解の余地なく伝わるように見える。限界線はどこまでか気になる。



2023/02/28
白川静bot@sizukashirakawa
私はご承知のように、今おっしゃいましたように殷周のような古い時代、三千年ほども昔の時代に長い間遊んで、遊びほうけて、流連して帰ることを忘れ、そのうちにこんなに年をとってしまった、という人間でございます。


流連(遊興にふけって,家に帰るのを忘れること。)って言葉に初めて出会った。いくら人間として太古から何らかの連続性があるからといっても、これほどまでにしないと太古を太古のままに浮かび上がらせるのは難しいことなんだろうな。 


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4531-4534

2023年03月30日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4531
こちらがどんなに話しかけても
ネコたちは
人並みには応じない



4532
人が呼びかけた言葉は
猫のからだの内で
どんなふうに響いているのだろう



4533
ネコはネコの事情で
〈にゃあ〉と言う
同じ〈にゃあ〉でも色々違うのはわかる



4534
でもまあしかし そんな次第でも
なんとか共存できている
同じ生きものだからか


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4527-4530

2023年03月29日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4527
言葉もまた蕾(つぼみ)から花へ
散らしては
また次に鮮やかに花開く



4528
現在のひとつひとつは
発句でありながら
時間の川では連句となっている



4529
言葉を空間的に見るか
時間的に見るかで
発句ともなり連句ともなる



4530
そうして時にはつぶやくのだ
(ああこの言葉の道
の光景は前にも出会ったな)


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4523-4526

2023年03月28日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4523
(赤い椿の花が咲いている)
赤い椿の花が
咲いて いる 見える



4524
虫たちに向けては赤く咲き誇っている
のかもしれないが
人に向けてはどうなんだろう



4525
それがどうであれ
花咲く椿に
人は見入ってしまうことがある



4526
姿形は違っても
ともに生きて在ること その命に
共鳴し合うのだろうか


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4519-4522

2023年03月27日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4519
誰かがある言葉を傷つけて
言葉のからだが
生彩をなくしていく



4520
〈ていねいに説明します〉
そんなつもりはさらさらないから
言葉は空虚な谷に響くばかり



4521
人はそんな言葉たちを踏みつけて
みどりの言葉の通りへ
入って行こうとするが



4522
傷つけられ汚染されてしまった
言葉のからだには
いつものように着せる服がない


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4515-4518

2023年03月26日 | 詩『言葉の街から』
 詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4515
言葉には手垢が付いており
息もかかっている
言葉は自分だけのものだと思う



4516
けれど他の誰かも選択する
同じ言葉
それでも自分だけのものだと思う



4517
言葉はみんなのものであり
と同時に
自分だけのものみたいだ



4518
同じ言葉でも違っている
言葉たちの連なりや
言葉の体温の放つふんい気みたいなものや


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4511-4514

2023年03月25日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4511
〈情報〉という言葉を手に取る時
(ちょっとまずいかな)
という思いとともに第二層で語り合う



4512
近所のおばちゃんには
〈情報〉は手にしない
第一層で世間話する



4513
〈情報〉という言葉を手にすると
中空の
第三層へ誰でも引き込まれていく



4514
抽象概念の〈情報〉が
わたしたちの前に現れる時
ATMみたいに必ず具象的な姿をしている


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4507-4510

2023年03月24日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4507
急に風が出てゆらり
小道からはずれそうになる
(おっとっと)言葉が揺れる



4508
その微妙なバランスの渦中に
出て行こうとする言葉の
命運がかかっている



4509
(あ しまった 言わなければ良かったのに)
ということがあり
言葉の小道には多くの難渋がある



4510
なんちゅうことを言うんだと
責められる
のはまだ良い方で 暗転の沈黙もあり


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 4503-4506

2023年03月23日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



4503
どうするどうする
きみはどうする
と〈情報〉の嵐が急(せ)きたてる



4504
クリックを催促する誘惑する
メールが来る
遮断しても別の顔でやって来る



4505
きみはどうするどうする
きみが罠にはまるまでは
〈情報〉は変装し続ける



4506
三本の矢を持っているという
〈情報〉は
しかしいつもおんなじ顔つきでやって来る