回覧板

ひとり考え続けていることを公開しています。また、文学的な作品もあります。

詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6480-6483

2024年07月18日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6480
ひとりの手が届かない
場所の出来事
焦れったいけど直接の責任は持てない



6481
身近な手触り世界では
ひとりひとり あんまり意識することなく
身の丈の責任を放っている



6482
ひとりの日々は
寄せる世界の波を受け
受け入れたり支えたりかわしたり抗ったり



6483
責任は静的なものではなく
世界の流れの中 ひとりひとり
の手足の振る舞い方に滲(し)みている


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6476-6479

2024年07月17日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6476
遙かな昔 世界が未分化で
まだ集落レベルの社会だった頃
人々は全世界を共有した



6477
世界の成り立ちや世界への思いを
歌うのは
まだ大らかな詩だった



6478
だから詩は音楽や宗教や舞踊とは未分化で
世界の有りと有らゆるものを
詩によみうたった



6479
遙かに下って 今
詩は 詩よ
どんな局所に甘んじているか


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6472-6475

2024年07月16日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6472
押すな押すな押すなってば
押す手も顔も
見えないけど確かに押されている



6473
ぼくの言葉に拍車がかかる
痛い!
(痛いなあ・・・)



6474
もちろん言葉を選択し
放っている
のは自分自身なんだけど・・・



6475
狭い場所にいたら圧迫感
を感じるような 遠い手触りの
システム場がもたらしているか


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6467-6471

2024年07月15日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6467
多くの人々が触れるそのことには触れない
触れなくても
内心の言葉が触れたということはあり



6468
有名人の言葉にも醒めた無関心が
(どうでもいいよ)
とすれ違い通り過ぎる



6469
そのことを肯定しているわけではない
そのことを含めた
拠って立つ大地自体を深く否定していることがある



6470
評論家や半ば公人の場合は別にして
身近でない人よく知らない人を
あれこれ言いたくないけどSNSの世界は背中を押すんだよな



6471
何か小さな明かりの方を見ている時の
静かな深い批評・批判は
やってみる意味があるだろう


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6463-6466

2024年07月14日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6463
ヨーロッパ近代を上り詰めた
ヘーゲルの言葉は
否定の弁証法を肯定して見せた



6464
「対立(矛盾)する物事が両方を通じて、
よりレベルの高い物事に昇華される」弁証法って
理想を追い求める人間の一面と対応するだけではないのか



6465
個人をみても 歴史の流れに浸かってみても
(ほんとうにそうか?)
疑念の泡が湧いてくる



6466
例えば 国家システムや動かす人の独占で
戦争は ずっとずっと否定を蹴飛ばし
肯定され停滞し続けている


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6459-6462

2024年07月13日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6459
確かにある決断をしなくてはならない
場面はいくつもあり
誰もが決断場を潜り抜けている



6460
ある決断を下した
といっても
肯定でも否定でもない ことはたくさんあり



6461
ある決断の流れには
譲歩や妥協 相反する思いもあり
複雑な起伏の丘になっている



6462
決断以後ももやもやの
尾を引いて
また次の決断の朝を迎える


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6454-6458

2024年07月12日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6454
否定するでも肯定するでもなく
生きている表情
の柔らかな顔が人には確かにあり



6455
始まりの母の胎内で否定の匂いに包まれ
否定の子となる
ことがなかったとしても



6456
虐待の母神ともヨブとも気づくことなく
生き延びてきて
今すやすやと眠っているとしても



6457
この世界に生まれ出ては
いつもにこにこムイシュキン公爵
できるものじゃないし



6458
何十年にも及ぶつらい旅の仕草か
日々の生活流れ匂う中
肯定でも否定でもない言葉の舟を静かに漕いでいる


 [ツイッター詩150] (7月詩)

2024年07月11日 | ツイッター詩
 [ツイッター詩150] (7月詩)


「上流から桃が流れて来る」
のは事実を越えた
物語の定型だ
登場人物が現れ
物語が始まる
定型のこちら側には
無数の偶然みたいな出会いがあり
もちろん桃が流れてくることもあるかもしれない

ネットやSNSの流れも
いつどこで
何が流れて来るかわからない
SNSという世界の収縮がもたらしている
新しい海に
気軽にネットサーフィンする
といっても
ここにも定型らしきものができている
システムの流れに沿って
フォロアーを増やし
リポストやいいねする
悪意に凝り固まって
匿名がぶつかってくることもあり
フィシングメールをよこし続ける
たぶんグループもいる
ひいきの政党や教団を背景に
善と悪の物語を押し売りする者もいる

世界はいつまで経っても
晴れ上がることがない
悪意や煽り運転や詐欺や
ウクライナやガザや
天気にいろんな空模様があるように
人世界にもいろんな空模様がある

なんて割り切ることはできないなあ

定型と反定型や非定型たちから
一歩退いた場所に座り込み
コマーシャルの洪水にも知らん顔で
梅雨の晴れ間の気分
気軽に言葉を放ち
言葉たちを転がしてみる
(ああ それもいいね)
(それがいいよ)


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6450-6453

2024年07月11日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6450
数や量が多いと
にっこりした顔になる
でも食べ過ぎたり持ち過ぎたりは 濁る



6451
例えばバイキング料理店に入る
食べ終わって出る頃は
晴れからどんより曇っている



6452
必要を越えてどんどんどんどん
(たのしいかい?)
なぎ倒してどんぐりを集める



6453
どんぐり集めは自由だ
違法ではない
(それでも精神の濁りはないのかい?)


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6446-6449

2024年07月10日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6446
数や量がひとつの向きに引き絞られ
大きくなると
そこではある力を持ち始める



6447
数や量の言葉に共鳴して ひとり ひとり
(ウィーン ウィーン ウィーン)
熱を帯びてネットに吸い寄せられていく



6448
青年・壮年の言葉の主流は 数量
目に見えるもの
効率 利益 が当たり前の顔で駆動している



6449
見えないもの 効率や利益の圏外の
ささやかな楽しみキラキラは
今は言葉の目に入らない (惜しいね)