[短歌味体 Ⅲ] 即興詩シリーズ・続
2525
(ああ連絡し忘れたなあ)
ルラルラ
ルーラルルンパパリは燃えているか
2526
この服似合うかなあ
サラカドゥーラ
メティカドゥーラ買っちゃおう
2527
「注文間違えました」
ああ別に
それでいいですよビビデバビデブー
[短歌味体 Ⅲ] 即興詩シリーズ・続
2525
(ああ連絡し忘れたなあ)
ルラルラ
ルーラルルンパパリは燃えているか
2526
この服似合うかなあ
サラカドゥーラ
メティカドゥーラ買っちゃおう
2527
「注文間違えました」
ああ別に
それでいいですよビビデバビデブー
[短歌味体 Ⅲ] 変身シリーズ・続
2523
あらあ、けん坊、こんなところで
何してるの
(あ、いえ、その、あの、(このう!))
2524
短歌詠む人の肩に
短い
髪の毛ひとつとっても気にかかる
#短歌味体3
[短歌味体 Ⅲ] 変身シリーズ・続
2520
〈あしたは・・・〉と言葉坂を上るとき
明日が
少し違った色合いの服着て来る
2521
雲流れる〈あした〉の中
ふいと モネの
「日傘の女」に出会った
2522
〈あい〉〈あい!あい!あい!〉
と打ち鳴らし
ただ形の〈愛〉ばかりが入れ替わり立ち替わり
[短歌味体 Ⅲ] 変身シリーズ・続
2517
変身のボタンを押す
こともなく
言葉はすでに変身ボタンさ
2518
「君達は、今、重要な
ターニングポイント
に差し掛かっています」(そうなのか?)
2519
言葉が言葉と出会う時
渦の湧き
変身への水圧を感じてる
[短歌味体 Ⅲ] 変身シリーズ・続
2514
言の葉は刃となって
傷つける
心はスパーンと真っ二つにもなる
2515
(ただの言葉なのにと逃がしはしない)
殺傷は
見えないところに血煙上げる
2516
へらへらと逃げおおせたと
安堵しても
内には鬼神が育ち居るぞ
[短歌味体 Ⅲ] 変身シリーズ・続
2511
変身は大げさなもの
じゃないんだ
0.1グラムの塩でぐらり傾く
2512
揺ら揺らと塩梅(あんばい)の尾根
たどりゆく
肌合いがきゅうきゅう締まりゆく
2513
微分道の〈あ〉の一声が
膨らむ力
変身道を駆けてゆく
[短歌味体 Ⅲ] 変身シリーズ・続
2505
家族も知り合いも
ミュートして
のっぺりコマーシャル道に乗る
2506
「日本大好き」、ニッポーーーン
ダイスキ。
ほら、きみは今 へ・ん・し・んしてるよ
2507
合い言葉は、「日本大好き」。
アニメの
高ぶる血潮はじける花火
2508
おじさんもSNSの舟に乗り
愛国アニメの
美少女に変身さ
2509
右にも左にも振れずの
中道を自称する
仮想舞台の闇から知的冷笑も唱和する
2510
にぎやかな仮想空間の
向こうでは
おじさんおばさんこどもたちがいるなあ
[短歌味体 Ⅲ] 変身シリーズ・続
2502
走行中の風の匂い
我に返って
スローモーションで感じている
2503
金属の匂いになじみ
今や ほら
きみのイメージは金属臭がする
2504
風を切るイメージの刃には
必ず
出自とその遍歴が刻まれている
詩『言葉の街から』 水の駅シリーズ・苦の駅
149
(何があったの)と言われても
よくわからない
ただここにこう苦の葉ばかり降る
150
(なぜこのように)たどり返す
足取り
当てもなく苦の丘陵を下る
151
この痛み伝えようもなく
黒々の
夜に急に稲光のする
※ 詩『言葉の街から』の「水の駅シリーズ」は、これでおしまいです。