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ひとり考え続けていることを公開しています。また、文学的な作品もあります。

[ツイッター詩151] (8月詩)

2024年08月06日 | ツイッター詩
 [ツイッター詩151] (8月詩)


ふと振り返って
みどりを見ている

どれが〈本物〉で
どれが〈造花〉か
よくわからない
ドラマやアニメの映像も
一昔前とは違ってしまった
新しい縫い目がわからない

みどりが変貌してしまったんだ
あのみどりには違いないが
もう どこか
しっとりこない
よそよそしい
他人の顔を向けてくる

町並みや街中や住居の中
日々交歓している
自然も人工も
新たな自然の顔として
少しずつ 少しずつ
慣れ親しんでいくのかもしれない

今はまだ
しっくりこない
たぶんぼくの方が
まだ変貌を遂げていないのだろう

そうして
ある地点に来て
わたしたちは
遠くまで来てしまったことに気づくのだろう


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6560-6563

2024年08月06日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6560
人の生きる行路が
無意識的な歌だとすれば
誰もが歌うたいであり



6561
ひとりひとり固有の歌
を放っている
そんな歌は光と影の構成にも変換できそうだ



6562
それぞれの歌がひとつに収束するとして
望まれたそこは どんなに開けた
自由の場所なんだろう



6563
人は日々歌う
連続あり 転換あり 休止あり
生きていくのは連歌みたいだ


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6556-6559

2024年08月05日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6556
歌が疲れた心の肌に
染み渡るものだとすれば
歌の作者も疲労の世界を潜(くぐ)って来ている



6557
単にAI歌みたいな歌は
疑似感情 疑似感動
をバックに操作人が人を誘い込む



6558
(それって詐欺みたい)
まがいものでも
歌は歌の本性として人を魅きつける



6559
真偽を越えた峠道から
歌に乗って
人々は下って来る


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6552-6555

2024年08月04日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6552
日々の人の姿は
違うようで同じ
同じようで違う



6553
青少年期 (狭苦しい
時よ 場よ)
と不毛に心ぶつけることがある



6554
血が滲むアルチューランボーしても
大いなる自然は黙して
答は返って来ない



6555
ただ日々起きて寝て
時と場を歩み歩んで
生きていくほかない (いつか反響が来る)


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6548-6551

2024年08月03日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6548
SNSである人がつぶやいている
ように見える けど
時代がつぶやいているようにも感じる



6549
グローバルの波に乗って
他の地域からの
つぶやきも入り混じっている



6550
人の言葉は 収束すれば
家族の近傍の表情になり
発散すると時代の顔つきになる



6551
上空からドローンで見れば
確固とした個性なんて
霞 (かすみ) 立つ春日 (かすが)の里か


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6544-6547

2024年08月02日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6544
幕が上がる
一点の曇り無き兵衛が立っている
誰も一点の曇りもないとは思っていない



6545
暗転する
青天の霹靂の助が走ってくる
人々に不吉の匂いが漂う



6546
今度は
曇りモクモク姫が現れ
にぎやかに不安をかき混ぜる



6547
どこからか「詐欺だ!」の声がして
言葉の通りがしばらく波打つ
そうしてまた元のにぎやかな通りになる


詩『言葉の街から』 対話シリーズ 6540-6543

2024年08月01日 | 詩『言葉の街から』
詩『言葉の街から』 対話シリーズ



6540
「一点の曇りもない」現場は
どうなっているのだろうか
(・・・虚心坦懐・・・明鏡止水・・・いやいや)



6541
人つながりの糸が解(ほど)けて
川の流れのような
自然に近い無心か



6542
人は 人つながりの糸を生きているから
あのムイシュキン公爵でさえ
糸引かれ糸引き 揺り揺られ



6543
晴天もあれば急な曇りもあり
人つながりの人ゆえ
「一点の曇りもない」は難しいな