“地域の未来を託す道” 常磐道・浪江IC以北が開通
常磐道浪江インターチェンジ(IC)以北が開通した6日、「復興のシンボルになってほしい」と地元から期待の声が上がった。浪江、新地の両ICでは、この日を待ちわびた沿線住民が車列をつくり、開通の時を待った。「ずっと楽しみにしていた」。住民は喜びに声を弾ませ、真新しい道路に復興の願いを重ねた。
「夢がまた一つ ありがとう。常磐道」。南相馬市の星春喜さん(73)は乗用車のリアウインドーに感謝の言葉を書いた紙を貼り、浪江ICを通過した。原発事故後、初めて通った国道114号はバリケードが置かれ景色が一変、復興の遅れを痛感したという。「開通で一気に復興が進み、みんなが普通に生活できるようになってほしい」。長年の夢だった開通に地域の未来を託した。
いわき市の会社員木村憲行さん(56)は目を潤ませながら浪江ICの開通を祝った。「この日を心待ちにしていた」。同市から仙台市に行くには原発事故前も、約3時間を要したという。「これからは日帰りでさらに遠くまで行ける」と喜び、本県の観光促進にも期待を寄せた。
(2014年12月7日 福島民友ニュース)