先月、曽根裕という自称アーティストの展覧会における問題点についてブログでラフに状況を説明したところ、数千名に上るアクセスを頂きました。おそらくツイッターで僕のブログ記事を読んだ方が紹介してくださったのだと思いますが、気になる発言がありました。
n291 同じくです… RT @reiko__ なんかショックです。。 RT @DS_UNIV: コンテンポラリーアートの舞台裏話。「曽根裕展 Perfect Moment オープニングパーティに出席して」 http://bit.ly/hoyeiE 大川原さんの視点は、単純なゴシップでは…(ではなくて…と続くそうです)
コンテンポラリーアートの舞台裏話:そりゃあ、ブログの文章が感情的になっている感は否めないのですが、問題はエディションに対する捉え方。実は、版画や写真がアジアで伸び悩んでいる原因はココにある。
@reiko__ いや、メディアアートの本質に関する、重要な問題提示かと思います。
@n291 @mayumin_n @edtion1 @nirahey @clairminnows こんにちは! 曽根裕氏の関係者の方に確認しました。美術館との契約はきちんとしており、ブログの内容が事実と違うとのことです。
以下僕の見解を述べさせていただきます。
まず、美術館の関係者とは誰でしょうか。どこがどのように「事実と違う」のかを明示していただけないでしょうか。僕はあくまでも事実を公表しているだけです。
ナイトバス作品はビデオテープと数枚の展示指示書がセットになっています。美術館やギャラリーでの展示に関して、曽根裕自らによるスペース上の厳しい指示が自筆で書かれておりサインも入っています。いずれブログ上で公開させていただきます。言論も批評するのも自由ですが、値段(ノーエディション1000円でもいい)に関らずビデオアート作品を購入した方が私(コレクター兼アートディーラー)もしくは美術愛好家と同じ土俵で本来ならお話しする資格があると思うのですが、ツイッター上で事実確認もせず、自らの職業も氏名も名乗らずいい加減な議論をすることはマナーを無視したルール違反ではないでしょうか。
自称アーティストの抜け殻アートの見本をこれからいくつかご覧に入れたいと思います。すべて僕が1990年前半に総額一千数百万円を投入してやっとの思いで購入したものの一部です。
〈1〉この作品は当時、1点80万円前後のお金を出して購入したものです。
〈2〉この作品は当時、奈良美智のオリジナルペインティングを数十点持っていましてその中から1点100cm×100cm(現在3000万円くらいはする)と思います。その奈良作品をあるコレクターが持っていた曽根裕の作品と交換した記憶があります。
『ナイトバス』というビデオ作品は一度も映像を見ないでアートディーラーからの説明だけで、350万円で当時購入したのですがコンセプチュアルアートの作品を買うということはそういう勇敢な行為を伴うものだと自分はいつも思っています。
当時曽根裕の作品をコレクションしていた人は3人にも満たず、おそらく僕が重要な曽根作品はほとんど持っていました。ですから曽根裕に対する熱い想い、というか尊敬していたわけです。月日が経つのは早いもので、もう15年以上も経っていますが、優れた芸術作品を作り上げるアーティストは人間的にも立派な人格を兼ね備えてほしいと思います。一人のアーティストの生涯にわたる活動を歴史的な文脈を持って正確に理解し把握することは、なかなか困難を極めるかもしれませんが、アーティストの生き方というかキャリアを自ら否定してコレクターやアートディーラーに唾を吐くような愚かな行為は止めるべきではないでしょうか。曽根裕は僕にとっては大変失礼な人間だと断言します。正直に言うと今僕は金澤翔子さんという天才アーティストのマネジメントに全精力を注いでいるので、曽根裕のような偽善者アーティストには全く興味が失せました。よって曽根裕のレトロスペクティブが将来あったとしても、1990年代のあらゆる作品に関して協力は一切しないことだけをこの場で申し上げておきます。また、今回の曽根裕展のキュレーターから
大川原有重様
ご連絡が遅れて申し訳ありません。
内覧会にお越し頂き、有難うございました。また、お電話では失礼致しました。
《ナイト・バス》がユニークピースかどうか、現在デイヴィッド・ツヴィルナー・ギャラリーの担当者が確認中です。
今回の展覧会で上映しているDVDは、Exhibition Copyとして、デイヴィッド・ツヴィルナー・ギャラリーから提供を受けたものです。
大川原様が《ナイト・バス》の所有者でいらっしゃることを全く存知上げず、ご教示頂き、感謝しております。
展示機材の関係上、上映には現在のDVDを使用し、配布中の鑑賞ガイドのみ刷り直して、
次のようにご芳名を明記させて頂きたく存じます。
《ナイト・バス》
1995年、VHS、15分
大川原有重氏蔵
Night Bus
1995, VHS, 15 min
Collection of Mr. Arishige Ogawara
※上映はVHSから変換したDVDを使用しています。
何卒よろしくご検討の程お願い申し上げます。
インディペンデント・キュレーター
というメールを2011年1月18日に頂いております。それに対して僕は個人蔵にしてほしいとだけ、希望をメールで述べました。
最後にもう一度『ナイトバス』の作品について簡単に説明申し上げます。この作品は唯一無比の映像彫刻インスタレーションであり、完全な個人所有のものです。オープニングの翌日、つまり展覧会初日に東京オペラシティアートギャラリーの最高責任者に書面で抗議しましたが、いまだかつてなんら誠意のある回答もありません。所有者に何ら断りもなく、無断で作品を展示していることに対して道義上の問題(法的な問題もある)もありますが、今回はこれ以上触れません。最後までお読みいただきありがとうございました。
あわせて
こちらの記事もお読みくださいませ。

〈1〉 ツールドフランスのユニフォーム 〈2〉ツールドフランスのユニフォーム

地名世界一決定戦マンダレー 見えない世界を見る眼鏡

この世界の旅の終りから ラジコンカー