GAIA所員のひとり言

建築設計事務所の一所員の、建築はもちろん、社会の様々なことについてのひとり言。

「走れメロス」ってすごい☆

2010-04-02 19:24:26 | Weblog
今回は太宰治の「走れメロス」について。

先月のいつだったか、たまたまテレビで『太宰治短編小説集「走れメロス」』というものを見ました。
「走れメロスねぇ・・・」
特に興味を持たず見始めてみると、これがなかなかおもしろくて、結局最後まで見てしまいました。
メロス役は俳優の森山未來さん、暴君ディオニス王が田中泯さん、朗読をモロ師岡さんが担当。
これは、ドラマであって舞台のようなセッティングで、しかもメロス役の森山さんがスーツ姿という現代風。なんとも不思議な演出に最初は戸惑いを感じていたものの、いつの間にか見入ってしまっていました。
すっかりハマリましたっ♪
 

さて、「走れメロス」というと、
主人公のメロスが親友セリヌンティウスとの友情を通して、人間不信の暴君ディオニス王を改心させるお話
 
もう少し詳しくいうと・・・
 
素朴な牧人の青年メロスは、人間不信のために多くの人を処刑しているシラクスの暴君ディオニス王の話を聞き、激怒します。そして王の暗殺を決意しますが、あえなく衛兵に捕らえられ、即刻処刑されることになってしましました。しかし妹の結婚式のために親友のセリヌンティウスに少しの猶予の間だけ自分の変わりに人質となってもらうように頼み、王より3日間の猶予を得たのでした。メロスはセリヌンティウスに絶対に戻ると約束を交わしますが、人を信じなていない王は、メロスを信じてなどおらず、「死ぬために帰ってくる必要などないっ」と言い放ちます。
妹の結婚式は実に楽しいひとときで、時がたつのを忘れてしまいそうになります。それでも親友との約束を果たすために、メロスは走り始めます。川の氾濫による橋の決壊、山賊の襲来などにあい、途中何度諦めそうになりますが、それでも自分を疑わず信じて待っていてくれる友の命を救うためにメロスは最後まで走り続けました。
猶予まであと少しのところで到着し、二人はお互いをあきらめた瞬間が一回でもあったことを恥じあい、そしてまた友情を深くします。それを見た王様は感動し、メロスを釈放します。
メロスは王の気持ちを変えることに成功したのです!
 
 
小さな頃に教科書で読んだ時には、この話は童話的な作り話のような感じがして内容を深く考えることがありませんでした。
しかし、今になってみると、なんとも人間味溢れる素晴らしい話に思うのです。
正しいもの、まっすぐなものに対する思いがなんとも気持ちよい。
正義をふりかざすことなど曲がったことへの怒り、人を疑うこと、人を信じること、諦めそうになること、弱さを乗り越えること、がんばること、人を守ること、人を変えること・・実に多くの感情が組み込まれています。
確かに人間ってこういう生き物!そう思えます。
怒、疑、挫折など負の感情もありますが、喜、信、真摯、誠実など多くの正の感情をもって乗り越えていきたいですね^^
 
改めてこの話に触れることができ、良い機会を得えたと思います。
この「走れメロス」は大人になって読むと、子供の頃と違う感想を持てるお話だと思います^^
ぜひお試しになってみてください☆
 
tomo