最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

‘夢’から醒めて・・・・・

2006-07-22 08:27:17 | Weblog
*重度の歯周病の術前・術後

20日木曜日。鶴見大学/顎顔面口腔インプラントセンターが主催している‘臨床研修医セミナー’で「審美領域でのインプラント治療を考える」と題して、~審美的に満足できるようなインプラント治療をおこなうには、何が問題で、その対策と術式についてどのような解決方法あるのか~ を、私の臨床ケースから2時間講演させて頂いた。
以前にも書いたけれども、私の歯科医としての‘夢’の一つには、‘大学と競争して勝つ事’だった。(医療は競争ではない。が、医師としての技術や知識を競いあう事は重要な事であると考えているが・・・というより、大学に未練があるという事ですね)
この一ヶ月は、内容やプレゼンの方法、理論的背景、考察、等を何度も見直して作り変えてきた。自分では、わかり易い内容と写真であったと自負しているが、参加された先生達の感想や忌憚の無いご意見が聞きたいと今でも思っている。

ついつい・・私たち歯科医の講義や講演では上手く行った治療の経緯や技法を紹介する事が多く、ミスや失敗に対しての原因を考察を自ら示す事は少ない。
今回の私の講演も、当然、教科書的な内容にそって、インプラント治療の基礎的事項(本当はこれが最も大切なのですが)をケース別に解説しその実際の臨床例を提示した。しかしながら、先生方の経験の度合いや技量の差から、なんとなくであるが‘うけなかった’。で、途中から、私の治療経験の中から「一生懸命治療したのだけれども、上手く行かなかったケース」を提示し、その原因や限界、考察等に変更しみた・・すると、多くの先生の眼つきも変わってくるのが、演壇からでも感じ取れた。
注)審美領域(上の前歯)でのインプラント治療は、いろいろな意味で本当に難しく、骨の移植や歯肉の移植を含めて、医師に多くの知識や技量が求められる。が、その結果を‘審美’という事から判断すると、そこには患者固有の問題や限界があり、全てが必ず成功するという事には繋がらないのです・・・・・・・・
こんな事を書くと、患者さんには心配させてしまうかも。でも本当の事なんです。ですので、審美をインプラントに生かす事は難しい事なのです。

今日(21日)は、朝早くから、目が醒めた。自分の夢に対して、興奮もあった。まして他校のインプラント科の先生に補綴出身の私の考えが理解してもらえるのか(評価を気にしすぎなんですが・・・まあ、夢だったので)、あるいは、自分の夢に対しての自問自答から眠れなかった。
しかし、実際は、上手く行かない事の連続から、勉強しているのであり、反省しているのが正直な本心である。ゆっくり眠るには、この仕事(骨移植や歯肉の移植を含めた手術)を辞めない限り叶えられないのかもしれない。

PS 写真は講演の最後に提示したケースの術前・術後。(重度の歯周病に罹患したケースを、上下17本のインプラントにて治療させて頂きました)

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