最新の審美&インプラント日記

天王洲アイル・天王洲インプラントセンター 小川勝久先生による審美とインプラント治療の日記と情報

All-on-4の理論(4本のインプラントで12歯分を支える事)in LISBOA

2005-11-27 17:11:36 | Weblog
詩人カモンエンス(ここに地果て、海始まる)の石棺がジェロニモス修道院に安置されていて、びっくり。写真はカモンエンスの石棺です!!!!

さて、本題へ。4本のインプラントで12歯分の咬合力を負担できる考え方は、工学部の学生には安易に理解できるものらしい。(絵に描けないので、理解していただく事が難しい!すみません)
4本のインプラント(端から a b c dとして)でdインプラント後方のエクステンション部(1歯分)に、Fの力を加えた時、エクステンションの距離がDであった時の関係は、F×D=S(ストレス)と表され、dインプラントの負担は全負担量Sの90%を受ける。cインプラントの受ける負担量は10%で、なんと、aインプラントとbインプラントは0%らしい。(* 間違っていたらごめんなさい!)
この理論から無歯顎治療において、「最も効率が良く、最も効果的なインプラント治療法」と考えられている。
では、長さや太さと言ったものはどうなのか?ですが、基本的には直径4mm。長さ13~15mmを基本とし、骨質や形態によっては、若干細いものでも短いものでも良いらしい。
但し、骨表面での初期固定や角度付きのアバットメントとの問題点(3角の形状)から、インターナルヘックスのタイプ(ノーベルリプレイス)は推奨されていない。
* すみません。やはりなかなか上手く説明できませんね。

外科的な手技は、私の驕りではなく、特別難しいものではない。ある程度インプラント治療に精通している先生なら、問題なく出来るものである。

では、何が難しいのか? これはあくまでも私の個人的意見だが、補綴つまり歯肉部のピンクレジン(セラミック)&プロセラ(下部構造もプロセラの削りだし)のオールセラミックの上部構造である。
All-on-4の素晴らしい芸術ともいえるこの美しいセラミック!これは、技工士に‘クリニカ マロ’で勉強して欲しい。無論、ポルトガルまで技工を送ればと考える先生もいるでしょう。が、微妙な口唇との関係や歯の出具合や角度、大きさ、形態、はそんなに簡単なものではない!
熟練した技工士との細かな情報交換は、医師と患者だけでなく、絶対に必要なものである(だって、1本の差し歯のセラミックを正確に作ることさえ、医師だけでなく、技工士と患者さんの相談は不可欠でしょ!)

もう一つは、即時加重時の噛み合せのコントロール。いわゆる咬合崩壊に伴い、噛み合せの位置が変位していたり顎位にズレが起こっているような場合には、旧義歯や昔の歯の噛み合せと、インプラント埋入時での固定式ブリッジの噛み合せの位置が、突然に変わる為に、なにがしかの問題は起こる。この顎位のずれをいつ、どのように、どう、コントロールするのか?(無論、ある程度は顎位の修正は行っておくとか、治療用義歯を作成しておくとか、まあ、予測はつくのだが、何といっても、たった4本なので、何処のか1本が上手くいかなかった時不安ですよね!)


今日は3時から、リスボン観光に。ジェロニモス修道院には、バスコダ ガマの石棺とカモンエンスの石棺が安置され、この修道院はマヌエル様式というらしい?大航海時代の栄華を象徴した大理石建築との事でした。近くにはエンリケ航海王子の‘発見のモニュメント’がありました。
ちょうど、雨が強く降った後に晴れたので、虹が綺麗にみえました!

PS 今日で、3日間のリスボンでの研修も終わり。明日は帰国の途へ。
この貴重な体験を患者さんに生かす事ができればなんと素晴らしいことでしょう。

最後のマロ先生の講義のお言葉は以下のようでした。
「医師は、自分の限界を素直に受け入れなさい。患者さんに正直に。決して自分のトレーニングの為に用いないように。患者さんを尊重し尊敬しなさい」


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