米欧とロシア、監視団で対立=ウクライナ情勢-OSCE
【ベルリン時事】欧州安保協力機構(OSCE)は3日、ウィーンで特別理事会を開き、緊張が高まるウクライナの人権や治安の状況を調べる監視団の派遣をめぐり協議した。早期派遣を主張する米欧に対し、ロシアは慎重な姿勢に終始し、議論は平行線をたどった。
監視団の派遣には全加盟国の同意が必要。出席したヌーランド米国務次官補(欧州・ユーラシア担当)は記者団に対し、「監視団の派遣に非常に広範な支持が集 まった」と説明。「軍事力ではなく、交渉を通じて政治的に解決する21世紀の選択をすべきだ」と述べ、ロシアに同調を迫った。
一方、OSCE議長国スイスのブルカルテル大統領はジュネーブの国連人権理事会で、ウクライナ情勢は「欧州で安全や平和、人権が全面的には保証されていないことを示した」と指摘。監視団派遣や「連絡グループ」設置を支持する考えを示した。
これに対し、ロシアのOSCE担当大使は「コソボでは監視団を派遣した結果、状況が悪化した」と語り、まず詳細な情報が必要と反発した。(2014/03/04-01:52)