花と緑に囲まれたリビングのような洋服屋セントオーディン[ St.ODIM ]

100%オリジナルのオーダースーツ&ジャケットのアトリエから新作の数々とそれにまつわる素敵なエピソードをお届けします

オーディン物語「オーディンドット」

2014-09-07 18:15:32 | オーダーメイド

 

 

 シャボン玉が公園から飛んできた。

見ると近くの保育園の子供たちが先生たちと一緒にシャボン玉をしている。

薄曇りのお天気の中でシャボン玉はキラキラ光っている。風がないからふわふわと飛んできたみたい。

風があったらあっという間に空へ飛ばされているだろう。

僕の見えるところにもひとつ飛んできた。キラキラして綺麗だ。

ママもシャボン玉が好きだ。でも大きなシャボン玉を飛ばすのはヘタだ。

 

 以前、近くに住むママのお友達が誘ってくれて靱公園でシャボン玉を飛ばしたことがあった。

その時にママがヘタクソなのがわかった。

綺麗なシャボン玉や大きなシャボン玉はほとんど作れなかった。

小さなシャボン玉とシャボンの液をぼたぼたと落していた。

「ヘタやな~」と言われながらも楽しそうにしているのがママだ。

どうやらヘタなのが分かっていないらしい。

どちらかというと不器用だ。ものすごく器用そうに見えるらしいが全くダメなのだ。

綺麗に描けた一枚のデザイン画は何枚もの失敗作からの奇跡の一枚だ。

仮縫いしている間にママの左手の爪やら指は針の刺し傷だらけ。何とも不器用なママだ。

そんな不器用なママだけど、なぜかすごいものを作り出す。

何度も何度もやるうちにちょっとづつ上手になってくるんだ。

綺麗に描けてないデザイン画も針で傷ついた爪もなくなったりはしないけど、

それでも出来上がったデザイン画や仮縫いを見て喜んでいるママは素敵だ。

 

「いいのが、できそう~」と自分で描いたデザイン画を眺める顔はキラキラしている。

「スタイル抜群に見えるやん!」と仮縫いできたジャケットを羽織って鏡に映る姿を眺めて喜んだり。

見ていて飽きない。

 

 そうそう僕の紹介を忘れてた。僕の名前はオーディン。

ミニチュアシュナウザーのオス、12歳。ママと一緒に公園をお散歩するのが大好き。

 

 ママは飛んで来たシャボン玉を見ながら、

「これ、このまま服にしたら可愛いね~」といつも服のことばかり考えている。

「久しぶりにオーディンドットシリーズやってみようかな~」

ママが作った「オーディンドットシリーズ」は大小のドットモチーフがポイント。

そこに「オーディンドット」と呼ばれる四葉のクローバー風のドットの柄が

一緒にモチーフにされているシリーズだ。

 この「オーディンドット」もママと一緒にお散歩している時に、

見つけた四葉のクローバーから生まれたんだ。

靱公園にちょっとだけある芝生にはクローバーが目を出す季節がある。

ほとんどが三つ葉だけどある日、

「今日は四ツ葉のクローバーを見つけられそうな気がする。」

と言っていつものお散歩コースを歩いていたら「ほら見つけた~」と四ツ葉のクローバーを摘んでいた。

 「そんな簡単に見つかる、ママ~」

僕は思わず聞いてしまった。

「そんな気がしたの。」

そうらしい。そんな感じらしい。ほとんど感覚だけで生きている。

で、この四ツ葉のクローバーが「オーディンドット」となったのだ。

 

 シンプルなのに可愛くてキュートな「オーディンドットシリーズ」。

多くのお客さんが着てくれてる。ママが作ってからしばらく経つ。

シャボン玉を見たママは「オーディンドット」を思い出したんだ。

そしてきっと、もっと素敵なアイディアを思いついたに違いないんだ。

ママの頭の中にはシャボン玉のキラキラとキュートな「オーディンドット」が同居しているんだろうな。

今からだと春のお洋服かな?

でもママのことだから、お気に入りの生地を見つけたらそれで早々と作っちゃうかもしれないな。

そこに僕は登場しないのかな?

「オーディンドット」って言うのにね~僕だって、結構いいキャラしてるんだけどねぇ、みんな。

 

 

 

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