え・いが ほん え・ほん

本や映画や海外ドラマの好きな私。その感想などを中心に書いてゆくつもりです。
子供に読んであげた絵本も紹介してゆきます。

楽園(上)

2008-02-19 22:59:26 | 
★楽園(上)☆  宮部 みゆき

 あの連続誘拐殺人事件から9年後・・・
前畑滋子は事件の傷は完全に癒えぬまま、ライターの仕事を再び始めていた。
ある小さな会社に勤める彼女の元に、萩谷敏子という中年の女性が現れる。
彼女は12歳だった息子を事故で亡くしていた。
そんな息子が書き残した絵がある。その絵が特殊だった。
ある事件ー火災が原因で焼けた家の跡地から、少女の遺体を発見。
両親は当時素行不良だった長女を殺し、家の下に埋めていた。
だが、事件は時効が成立しており、両親は起訴されなかった。
を現していたのだ。それも、その息子、等が、事故後に明らかになった事件であるのに・・・
さらに、等は、滋子が関係した事件の公には公表されていない事柄を描いた
事件の現場である山荘の絵も書き残していた。
等は異能力者なのか・・・?
滋子は科学的な立証ができるかどうか、調べ始める。
そして、等の環境、両親の殺された少女のことなどを知るため、
関係者と会い、話をする。
その中には少女の妹もおり、会うのは難しいかと思われたが、
彼女のほうがより積極的に接触してきた。
そして、滋子に言うのだった。
なぜ、両親は姉を殺したのか・・・?その真実を突き止めてくれ、と・・・。

宮部さん作の「模倣犯」に登場した前畑滋子さんがベースとなったお話。
模倣犯のような派手(と言ってよいのか・・?)さはありませんが、
ぐいぐい引き込まれます。
次第に明らかになる真実。
どういう結末を迎えるのか?下巻でのお楽しみ。
上巻では断章として、ある事件を匂わせた章が出てきます。
これがどう本編に絡むのか、それも読みどころです。