4年 小森泰之
研究室に入りはや1年。新しく3年生が入室し、先輩と呼ばれる立場になった。そうなると、今まで教わる一方であった私に、後輩に教えることも求められるようになってきた。研究室内での作業についてはもちろん、野外で見たものや分からないことも、的確に、しかも理解しやすく説明しなければならない。だが、この「相手に分かりやすく教える」ということは、実際にやろうとすると容易なことではない。
5月の18~19日、研究室のイベントの一環で山梨県早川町に親睦旅行に行った。昨年と同様、山歩きをして日頃見かけないさまざまな動植物を目にした。私はたまに、見つけた昆虫について聞かれることがあったが、その時は名前やその他簡単な説明をするだけで済んでいた。だが、18日の夜にカジカガエルの説明をしていた時、「大きさはどれくらいか?」と質問されて、私はつい「シュレーゲルアオガエルと同じくらい」などと返答した。直後にこれは大きいミスだと思った。客観的に考えて、シュレーゲルの大きさどころか、そもそもどんなカエルなのかをあまり知らないメンバーも少なくないはずだということを考えていなかった。しかも、確かにカジカガエルの雄はシュレーゲルと同じくらいの大きさだが、雌は雄のほぼ倍の大きさがあることも説明し忘れた。結局、カジカガエルの話はそこで終わり、目的地まで先を急ぐこととなった。
そのときのことを思い返すと、ものを教える際に気を付けることがひとつ分かったと思う。その後で、ジムグリを捕まえて皆の前で説明する時には、全長やどんな生活をしているかなど、聞かれたことに対し一瞬考えてから的確な返答ができるように心掛けた。ちゃんと全部伝わったかは定かでないが、3年生が熱心にメモを取ってくれていたので解説のやり甲斐があったと感じた。
ジムグリの説明をする筆者(撮影高槻成紀)
今回の体験で、教えるということは、まず知識を持っていることは当然として、相手の理解の度合いを判断して答え方を変える必要があることを知ることができた。相手が両生類のことをよく知っている人ばかりであったら、上記のような答え方でも問題なかった訳である。さらに、動物について解説するには、その場で言うことの何十倍の知識が必要ということを、昨年の博物館実習で習ったことも思い出した。その点に関して、私はまだまだ勉強することが多いので、今後も多くの生き物について、より多くの知見を得ることに精進したい。そして、願わくはその努力を活かせる仕事に就きたいと思う。
研究室に入りはや1年。新しく3年生が入室し、先輩と呼ばれる立場になった。そうなると、今まで教わる一方であった私に、後輩に教えることも求められるようになってきた。研究室内での作業についてはもちろん、野外で見たものや分からないことも、的確に、しかも理解しやすく説明しなければならない。だが、この「相手に分かりやすく教える」ということは、実際にやろうとすると容易なことではない。
5月の18~19日、研究室のイベントの一環で山梨県早川町に親睦旅行に行った。昨年と同様、山歩きをして日頃見かけないさまざまな動植物を目にした。私はたまに、見つけた昆虫について聞かれることがあったが、その時は名前やその他簡単な説明をするだけで済んでいた。だが、18日の夜にカジカガエルの説明をしていた時、「大きさはどれくらいか?」と質問されて、私はつい「シュレーゲルアオガエルと同じくらい」などと返答した。直後にこれは大きいミスだと思った。客観的に考えて、シュレーゲルの大きさどころか、そもそもどんなカエルなのかをあまり知らないメンバーも少なくないはずだということを考えていなかった。しかも、確かにカジカガエルの雄はシュレーゲルと同じくらいの大きさだが、雌は雄のほぼ倍の大きさがあることも説明し忘れた。結局、カジカガエルの話はそこで終わり、目的地まで先を急ぐこととなった。
そのときのことを思い返すと、ものを教える際に気を付けることがひとつ分かったと思う。その後で、ジムグリを捕まえて皆の前で説明する時には、全長やどんな生活をしているかなど、聞かれたことに対し一瞬考えてから的確な返答ができるように心掛けた。ちゃんと全部伝わったかは定かでないが、3年生が熱心にメモを取ってくれていたので解説のやり甲斐があったと感じた。
ジムグリの説明をする筆者(撮影高槻成紀)
今回の体験で、教えるということは、まず知識を持っていることは当然として、相手の理解の度合いを判断して答え方を変える必要があることを知ることができた。相手が両生類のことをよく知っている人ばかりであったら、上記のような答え方でも問題なかった訳である。さらに、動物について解説するには、その場で言うことの何十倍の知識が必要ということを、昨年の博物館実習で習ったことも思い出した。その点に関して、私はまだまだ勉強することが多いので、今後も多くの生き物について、より多くの知見を得ることに精進したい。そして、願わくはその努力を活かせる仕事に就きたいと思う。