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本と雑貨と手作りのブログ。

「スキップ」

2006-05-09 | 小説
皆さんはGWをどう過ごしたのでしょうか?私は仕事ばかりだったのですが、こういうときこそ本が読みたくなり、長編小説に手をのばしました!分厚い本でしたが、面白くてあっという間に読めましたよ~。

北村 薫 / 新潮社(1999/06)
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17歳の一ノ瀬真理子は目が覚めると、42歳の桜木真理子になっていた。25年後の真理子は夫と娘がいる、高校の国語教師。有り得ない現実にショックを受けながらも、前を向いて歩き始める・・・。

真理子のモットーは<嫌だからやろう>。嫌なことが前に来たときに掛け声をかければ、大概のことはできるという彼女の言葉に強さを感じました!そうして17歳の彼女が高校3年生の担任も務めてしまうのだから、本当にすごいです☆

ただ彼女は<一ノ瀬真理子ではなく、桜木真理子だ>ということを認めたわけではありません。役割を果たさなければ、自分の居場所なんてどこにもないように思う、と真理子は言います。好きな言葉は自尊心というように、自分らしさを大切にしながら生きていて、教師としての姿にも好感が持てました。後半は学園もののような面白い展開で、学生時代が懐かしくなります。

そんな真理子の支えになってくれるのは、娘の美也子さんと旦那さん。美也子さんは真理子が25年後の世界で最初に出会った人で、真理子の話を疑いながらも冷静に聞いてくれます。美也子さんも17歳ということなのですが、とてもしっかりしていて魅力的です。旦那さんも同じ国語教師ということで、真理子に良いアドバイスをしてくれます。ちょっと変わった関係ですが、家族愛が感じられてほのぼのします。10代や40代の人にぜひ読んでもらいたいです。

この作品は「時と人」シリーズの第1弾で、「スキップ」「ターン」「リセット」で3部作になっています。それぞれ別のお話ですが、どれも時間に翻弄されながら強く生きようとする姿が描かれているようです。「ターン」は以前読んだのですが、こちらもオススメ。同じく心の強い女性が描かれてて、憧れます。「スキップ」の方が読みやすいですが、「ターン」の方がドラマチックな結末で好きです。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ターン (Y)
2006-05-22 17:25:23
ユーリさんこんにちは。



わたしも「ターン」、好きです

スリリングな展開にドキドキして、時間を忘れ、徹夜して読んだのを思い出しました

「スキップ」は、大分前に読んだのでうる覚えですが、‘支えてくれる家族に救われた‘、という印象が強いです。

3部作、どれも、スケールが大きいというのか・・時に囚われた人たち。凄い話ですよね



わたしはGW、宮部みゆきの「ブレイブ・ストーリー」を読みました。

ゲーム的な感覚、ちょっと自分には苦手だと思ってしまいました
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こんにちは♪ (ユーリ)
2006-05-25 00:31:59
「ターン」、いいですよね~!徹夜して読んだというのもわかる気がします



「スキップ」は真理子の旦那さんや娘さんの人柄に惹かれました☆支えてくれる家族の存在って、有り難いな~と思いました。まだ「リセット」は読んでいないのですが、こちらも気になります。



Yさんは「ブレイブ・ストーリー」を読みましたかもうすぐ映画が公開されることもあって、話題になってますね~。文庫にもなったので読んでみたいのですが、ちょっと変わったストーリーのようですね。長編でなかなか手が出ないのですが、映画の出来が良ければ観てみたいです



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