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本と雑貨と手作りのブログ。

「白鳥の湖」

2006-06-03 | 絵本
最近、買った絵本。ツヴェルガーの美しい絵と音楽・朗読のCD付きというところに惹かれました☆

ピョートル チャイコフスキー, Peter I. Tschaikowsky, Lisbeth Zwerger, 池田 香代子, リスベート ツヴェルガー / ノルドズッドジャパン(2003/10)
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バレエで人気のある「白鳥の湖」は悲しい恋の物語として有名ですが、もともとはハッピーエンドの物語だったそうです。チャイコフスキーはドイツのメルヒェンなどをモティーフにしてお話を書き、その後、同名のバレエを作曲。しかし、チャイコフスキーが亡くなった後、チャイコフスキーの弟、モデストがバレエの台本を書き直し、物語を悲劇に終らせたのです。

ツヴェルガーはこの物語に割り切れない思いを抱き、この作品をもとにハッピーエンドの絵本にしました。どんな風に書き換えられたのか少し不安でしたが、あとがきの「チャイコフスキーが悲劇に終わらせるつもりがなかったのなら、物語を書き換えても許していただけると思う」という言葉のとおり、ツヴェルガーの書いた結末に共感できました。

結末のページはその場面を描いた絵ではなく、紋章の絵のような白鳥が描かれています。余白も多く、シンプルな印象。でも、文章から鮮やかな光景が目に浮かびました!短い文章であっさりしていますが、ロマンチックな結末。絵がないことで、自由な想像ができると思います。

この絵本のもう一つ新しいところは、登場人物の名前が出てこないこと。それによって、昔話を聞いているような感覚になりました。王子や白鳥の女王という方が気品が感じらて、気に入りました。

CDは、朗読と音楽が交互に収録。1ページの語りが終わるたびに、音楽が流れます。朗読は馴染みがないのでどんなものかと思いましたが、とても綺麗な声だったので、聴いていてとても心地がよかったです。役の演じ分けもすごく良かったし。音楽はオーボエとハープの音色が美しく、この曲がとても好きになりました。この曲は悲しい印象だったのですが、この本を読んでから聴くとまた違った印象を受けました。朗読と音楽が別で聴けたら、もっとよかったなと思います。

ツヴェルガーの作品には「くるみ割り人形」の絵本もあるので、それも読んでみたいです♪