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見習い百姓のつぶやき

宮仕えも一段落、半農半Ⅹを本格化。農的暮らしとさまざまなⅩを悩んで、楽しんで一歩づつ。

若者が無意味に集まれる場所

2021-01-14 22:54:16 | 本や図書館

やっと大豆の脱穀が終わりました。
脱穀機をお願いすればものの半日で終わるんでしょうけど、一手間かけることで丸4日以上、でも、この無駄のような時間が結構大切かもと思っています。

我が家の車庫に干していて一日半は我が家で、今日は新庄に運んでの作業。
その流れで今夜は新庄でお泊り。
我が家があるのになぜ?ですが、家にいるとTVがついているとついつい見てしまう、新庄にはないので本が読めるということを理由にしているけど、結局、食事の支度や片付けなどであまり読む時間は変わらないかも(^^;;

若者が無意味に集まれる場所
その新庄で開いている本、内田樹編「ポストコロナ期を生きる君たちへ」、やはり!内田樹が目を付けた書き手の皆さんですからなかなか面白い。
その中から、本名は併記されていますが、何とも人を喰ったペンネームの“えらいてんちょう”、両親はいずれも全共闘の活動家だったと。
執筆時は29歳、彼の唱える「若者が無意味に集まれる場所」、確かに!全共闘運動の反省から?大学からはそういう場所が消え去り、“学生自治”なるものも抹殺されてしまったかもしれません。

“義憤”、きっと今の若者も持っていると思いますが、それが形となって外に向かう運動に繋がらない時代。
気候変動、国民から遊離した政治、一極集中、格差と貧困、医療崩壊、教育問題などなど、
材料はいくらでもあるはずです。
社会を変えるのは青年の熱と力、そう信じてきたのですが、一見とても豊かな社会になっていつの間にか3流国に。

えらいてんちょうの言うお金もかからず、誰に遠慮することもなく、無意味に集まれる場所、必要だよなあと思います。
20年位前になるでしょうか、「夢の宝地図」に学生や社会人が自由に出入りできる場所を持つ、という項目を書きました。
ここ新庄は人が何となく集まる場所なんですよね。
よもや、革命の震源地にはなりえないと思いますが、日頃感じている不条理の解へ一歩を踏み出す場所だったらいいなあと思っています。


危険水域の安全文化?

2021-01-10 21:18:44 | 本や図書館

知人と打ち合わせのため、久しぶりの喫茶店。
話はあっちに、こっちに展開し、飛び跳ねましたが、やっぱり、顔を見ながら話すって大切かもですね。

内田樹
待ち合わせまでに少し時間があったので、欲しかった本を注文。
ついでに、ちょっと本を見ていこうと本棚を見ていて、ついつい4冊ほど手に取ったのですが、いずれも内田樹(^^;;
買い込んで、そのうちの一冊を喫茶店で読み始めました。

「コモンの再生」、題名につられて読み始めたら、「GQ JAPAN」に連載されたエッセー集。
エッセー集、題名から違うものを期待していたのでちょっぴり残念でしたが、流石というのか、やはり内田樹でした。
内田樹は思想家だそうですが、エッセーだからというのはあるけど平易な文章で敷居が低いのが嬉しいし、同世代だからもあって?共感できるんです。
喫茶店で読み始めて、いつの間にか1/4を超えて読んでいる。

危険水域の安全文化
その中で一つ、少し前になりますが、新幹線の台車にヒビが入っているのにダイヤ優先で走り続けたことを導入にした、わが国の安全文化が危険水域に入っているというトピック。
日産、スバル、神戸製鋼、三菱マテリアル等、超一流企業の不祥事。
「目先の損得にこだわって巨大なリスクを看過する」という傾向が、日本中の組織を侵していると。

ここを読みながら、教育も一緒な状況じゃないだろうかと。
先日、ある教師の方と話していると指導案の話になり、とても緻密な指導案を作っているんですと。
問題意識を持つこの先生でさえ、枝葉の技術論にこだわって、肝心の木の根っこや幹が見えなくなっているのでは?と。

希望溢れる時代を創造できるのか?
しかし、「落ち目だ」と気付いた人たちから違う生き方を探し始めている。
若い人たちが地方移住や帰農や就活からの撤収はそうした流れではないかと。

そのような流れを強く感じていますし、この閉塞した社会状況はその流れを一層加速させるだろうから、ある意味時代を大きく変える追い風だろうと。
1/3の人が職を失うともいわれる
AI化の時代、希望溢れる時代を創造できるかどうか、しなやかな思考ができる人を育てることができるかどうかにかかっている?


嫌われる勇気

2020-10-15 15:02:56 | 本や図書館

あの本、難しくてまだ十数ページで止まっています、と。
その時、この本読みませんかと彼が持ってきたのがこの本でした。
この本が読めるなら、彼に貸した「アナスタシア」はとても読みやすいと思うのですが、、、

彼が読んで欲しいと持ってきたその本は、フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と言われる、アルフレッド・アドラーの思想を、青年と哲人の対話篇という物語形式で書かれた一書。
思想・哲学書というとまずは難解だろうと高いハードルを想像しますが、対話形式ですから、初心者にもわかりやすく書かれています。
とは言え、サーッと読み進んでハイ解りましたと言えるというものでもなくて、、、

さて、アルフレッド・アドラー、実は初めて聞く、目にする名前でしたが、“人が幸せに生きる”ことへの答えは表現の仕方は違えど通底しているよなあ、読み終えたわけではありませんが、そのように感じています。
それにしても物の見方、アプローチの仕方は、なるほど!と思わせるものの連続で、とても参考になるものです。

「すべての悩みは対人関係の悩みである」、ちょっと確認したいと思うことはありますが、まさに、そこさえ解決できたら人生はもっと明るく、楽しくなるだろうと思います。
さまざまな気になるフレーズが頭の中にありますが、結局は自分の意識次第かなあ。
あと少し、読み終えるのが楽しみです。

秋の夜長、アドラーとともに我が人生の更なる高みを目指す旅を始めませんか?


ノーム・チョムスキーの慧眼

2020-09-12 21:50:21 | 本や図書館

ナスとベーコンがあるけど、今夜は何を食べようか?
ちょっとググって、あっ、そうだ!初挑戦のパスタにしよう!
ワインは赤しかないけど、、、ジャガイモなどとトマト缶、ツナ缶でさっと作った作り置きの煮物も一緒に炒め、茹で上がったパスタを絡めてと、さすが美味い!
既に胃袋の中で写真はないけど、、、

今日のメインは、現在世界一の知識人と言われるノーム・チョムスキーの慧眼について。
その前に、今朝我が家を出る時に気付いた風で落ちた柿、なに!?もう熟柿の一歩手前じゃないですか~!自然は早々と秋を先んじて感じているのでしょうか?
つい二日前は、9月にしてあの酷暑、それが、この恵みの雨で9月らしいお天気に激変!?ちゃんと季節なんですね。

さて、もっとチョムスキーの知見に触れたいと、先日比較的新しく発刊された3冊の本を買い求めたのですが、うち2冊は新書で、それぞれ「知の巨人」5人づつのインタビューをまとめたもの。
先日チラリと書いた昆虫学のエドワード・O・ウィルソンはその一冊、昆虫好きのお子さんにぜひ伝えたいと、お母さんに貸しちゃって、、、
2冊目の新書を開いたらトップにチョムスキー、読み始めるとやはりすごい!断片的に持っていた知識が繋がって来るし、直観的に感じていることは正しいかも。

チョムスキーの慧眼
アメリカ社会は内側から崩壊してきている、凄まじい勢いで伸びている金融セクターは経済にとって有害、軍事システムは大変な出費、健康保険システムを他の先進国並みにするだけで負債は消えてしまうだろうけれど、それでも尚他の追随を許さない状態ではあるけど。

自由貿易協定と称しているけれど、実際は製薬会社やメディア、大企業に対する保護政策、一方、労働者たちは国際競争の海に放り込まれた。

アメリカの大統領選挙を引き合いに、メディアは本当に重大な案件は報道しなかった。(メディアにとっても、国民は暗愚な方が良い?)

そういう構造なのか!中東や中央アメリカの混迷を引き起こしたアメリカなどの身勝手そのものの論理とやり方。ISの土壌はアメリカが作った。
片棒を担ぐ日本、集団的自衛権の法制化で渦中に引き込まれる構造。集団的自衛権の行使は、イラクや中東の国々を破壊するということを意味する。

諜報活動とは、国民をコントロールすること、そして政府のやることをすべて肯定するためのもの。
そもそも政府は、自ずと国民を敵視するようになり、統制しなければならないと考える。権力システムとは本来そういうもの。

戦争の正義は勝者が独占し、敗者は自分たちの犯罪を償わなければならない。

などなど、、、

上古代、カタカムナの文明を持った私たちの祖先は、簡単に意識を共有化できたのだとか。
数多くの便利を手に入れた現代を謳歌する私たちは、人の深い感性をどんどん削いできたのかもしれません。
真実を洞察できる眼と、直観力を磨きたいものだと改めて感じています。


何の脈絡もない2冊の本、のようですが、、、

2020-06-26 21:31:51 | 本や図書館

とぼけた話ですが、それにも意味があったのかも。

「忘れられた日本人」
先日、手に取った本を読み始めたのですが、数ページでひとまずまあいいか。
次に2冊の本を手に取り、一冊はちょっと読んで新庄の本棚へ、もう一冊を読み始めて、これは!!

読みたかったけど、なぜか手に取ってページをめくるタイミングがなかった宮本常一の「忘れられた日本人」。
確か、縁辺の思想家・渡辺京二が宮本常一のことを話していて、この人は凄い!ぜひ読みたいと思ってすぐに買ったものの、、、
開いて読み始めるやいきなり引きずり込むんですね、民俗学者の宮本常一の視点は凄い!

宮本常一は、学者然とした民俗学ではなく、赤子を慈しむように庶民の生きざまを活写し、そのかけがえなさを伝えようとしている?その目線に深い共感を感じるのです。
この本、50年以上前に出版されたものを25年前に再版した本ですが、今こそ私たちの生き方を見直すべき時代じゃないの?そんな宮本常一メッセージが痛いほど伝わってくるのです。


街場の文体論
一昨日、そんな本を新庄に忘れてしまい、手に取ったのは内田樹の「街場の文体論」、内田樹、生き方も含めて好きなんですよね。
読み始めて、やっぱりこれも手放せそうにないわ(^^;;

この本、彼の教師生活の最後に行った“クリエイティブ・ライティング”という授業が書籍化されているのかな(十数頁読んだばかりなので)。

先生は、最初の講義に集まった教室があふれるほどの学生たちにいきなり、「私がこれまで会ったなかでいちばん粗忽な人」というテーマのレポート
1枚の提出を求め、それで受講できる学生を選ぶと言うんですね。
出題者の中にある模範解答を想定して書けばいいということが、受験勉強を通じて刷り込まれているので、書く力が深く、致命的に奪われている、模範解答意識をぶっ壊し、本当に伝えたいことをどう伝えるのか。

うまく表せてないけど、「説明する力」をどう磨くのかという授業。

「説明する力」のうまい作家として橋本治、三島由紀夫、村上春樹の三人を上げ、橋本治は物語る時の焦点距離の移動が恐ろしく速いと。
のようなことを読んで、さて、自分は?となり、レポートを書いてみたいと思案して出だしはこれだ!というところまで行っていますが、さてと。

脈絡のない2冊のようですが
何の脈絡もないような、2冊の本ですが、僕の中ではとても通じるところがあって、この2冊を手に取った必然性のようなものにとても驚いています。
通じるところ、今の社会の在り方や人の生き方をどう見直していけばいいのか?効率主義や経済性から少し距離を置いて、足元を見る視点を持つ大切さとでもいうのでしょうか。

この2冊、今後どんな示唆を与えてくれるのか、とても楽しみです。