国の補助金交付が決まった企業などからの寄付を、与野党双方の議員らが受けていたと判明したことで、政府・与党に対する野党の追及は収束に向かいそうだ。政治資金規正法の曖昧さなどを指摘する声は与野党に共通しており、焦点は規制の明確化など制度改正のあり方に移った。 「もうやめましょう」 自民党の佐藤勉国会対策委員長は3日朝、民主党の国対幹部から電話で、こう呼びかけられた。民主党は、補助金を受けた団体や関連企業からの寄付金問題で西川公也・前農相を辞任に追い込んだのに続き、上川法相、望月環境相を追及してきた。だが、岡田代表にも同じような問題が浮上し、自らにも批判の矛先が向く事態を避けようとしたとみられる。党内では「泥仕合を続けるのは得策ではない」(幹部)との見方が大勢だ。
安倍晋三首相と民主党の岡田克也代表がそれぞれ代表を務める政党支部が、国からの補助金交付の決まった企業やその関連会社から献金を受け取っていたことが3日、分かった。首相は同日、秘書官を通じて菅義偉官房長官に「献金してくれた会社が国から補助金を受けていたとは知らなかった。まず事実関係を調査し、適切に対処する」と伝え、違法性は否定した。また、岡田氏が代表を務める党支部は11、12両年に、子会社への国の補助金交付が決まっていた「日清製粉グループ」から計48万円の献金を受け取っていた。岡田氏の事務所は「補助金受領は別法人の子会社で違法性はない」としている。
中国でPM2・5を巡る問題を告発しようと、国営中央テレビの元記者が100万元(約1900万円)を投じて製作した動画が、ネットで1億回を超える再生回数を稼ぎ大きな話題になっている。企業や政府の無策を厳しく批判し、成長一辺倒の国のあり方に疑問を投げかけた。動画をつくったのは、国営中央テレビの有名記者・キャスターだった柴静さん。「大空の下」と題したニュースの特集番組仕立てで、103分の力作だ。1年前に出産した長女に先天性の腫瘍(しゅよう)があり、大気汚染との関係も疑われたことから、中国を覆うPM2・5の原因と背景を探った。
東日本大震災と原発事故の影響で供用が遅れていた常磐自動車道の常磐富岡インターチェンジ(IC)―浪江IC間14.3キロが1日午後3時に開通した。これに先だち同日午前10時から現地で開通式典が開かれた。総延長300キロの常磐道の全線開通によって、福島県など地元では物流の回復など復興への加速化に期待が高まる一方、汚染土の中間貯蔵施設への搬入路としても重要性が増している。
ロシアの野党勢力指導者で元第1副首相のボリス・ネムツォフ氏(55)が2月27日深夜、モスクワ中心部で何者かに射殺された。プーチン政権批判の急先鋒(せんぽう)だったネムツォフ氏の暗殺は社会に衝撃を与えている。事件の背景は明らかになっていないが、昨年3月のウクライナ南部クリミア半島の一方的編入でロシア愛国主義とプーチン大統領の支持率が高まるなか、政治的な寛容さが失われている点を指摘する声もある。
多摩川河川敷で同区の中学1年上村遼太君(13)が遺体で見つかった事件で、殺人容疑で逮捕された少年3人(17~18歳)のうち職業不詳の17歳の少年が神奈川県警の調べに対し、「自分も現場で、18歳の少年に『殺すぞ』と脅された」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。県警は、3人の供述を突き合わせながら、当時の状況の解明を進めている。捜査関係者によると、職業不詳の17歳の少年は2月20日未明、上村君を含む4人で河川敷に行ったが、リーダー格とされる自称無職の少年(18)に「お前は向こうへ行ってろ」と言われ、その場をいったん離れ、近くのコンビニ店にいたと説明。その後、河川敷に戻ると、上村君が首から血を流して倒れていたとしている。そばに18歳の少年が刃物を持って立っていたため、「やめろ」と駆け寄ったという。しかし、18歳の少年に押し倒されて馬乗りになられ、「てめえ、殺すぞ」と刃物を突きつけられたと供述。もう1人の17歳の自称無職の少年が仲裁に入って助けてくれたと話しているという。