【恵みの世界】
イエスは彼に言われた。「まことに、あなたに言います。あなたは今日、わたしとともにパラダイスにいます。」
ルカの福音書23章43節
信仰とは徹頭徹尾、恵みの世界です。世の中の人々の大多数は真面目で勤勉であることを美徳としていますし、それはたいへん良いことです。しかし、「義人はいない。一人もいない。」(ローマ3・10~12、詩篇14・1~3)とあるように、聖なる神さまの前で私には罪は一つもありません、と言いきれる人は誰もいないのです。自分の真面目さや努力にとらわれると、かえって主イエスの十字架の福音をゆがめて受けとめ、自分の力に頼る傾向になりがちです。私たちが無力だからこそ神は恵みによって救ってくださることを、ゴルゴダの丘で主イエスとともに十字架についた一人の強盗の救いを通して、主の恵みの世界を再認識しましょう。
救いは主の恵みによる…罪の恐ろしさは、自分で罪人の自覚が無いことです(34節)。罪を赦すことができるのは主イエスの十字架だけですが、主を罵倒して「自分を救え」(35、36、39節)とあざける人たちは、主が誰のため十字架についたか無関心でした。
罪人は償いも報いることもできない…主と共に十字架につけられた強盗の一人は「あなたが御国に入られるときには、私を思い出してください。」(42節)と主イエスが神であるとを認め、懇願ししす。もはや善行も償いもすることはできません。だからこそ、罪を認める者(41節)は、主に救いを叫ばずにはいられないのです。
恵みを知る喜び…その彼に、主は即座に救いを宣言します(43節)。救いとは主イエスを救い主と信じる者に即座に与えられる恵みです。そして、神を恐れる心を持ち、自分の罪を認め、主を信じる(39~41節)ことも聖霊の働きによる恵みです(Ⅰコリ12・3)。