夕方、商店街に買い物へ出かけたら、公園にかなりの人が集まりだしていました。
毎年、8月の1日から3日まで、ふるさとまつりが行われます。
公園の中央の藤棚があり、北側には飲食のテントが並び、南側では櫓が組まれて盆踊り大会。
越してきた当初は、下駄ばきの浴衣姿で来たこともありましたが、いまは全くご無沙汰。
同じ頃、近くの小学校の校庭でも毎年盆踊りが行われますが、今年はやっていないようです。
たしか、去年もやらなかった、とカミさん。近所から苦情が来てやめたのよ、きっと。
年がら年中やっているわけでもないし、そのくらいはいいだろうに、ね。
でも、公園で遊ぶ子どもの声だってうるさいと苦情がくる時代だから、無理もないのかな。
権利意識だけ強くなるというのも、どうなんでしょう? 世の中かえって住みづらくなる気がします。
部屋の窓から、おぼろな月に江戸川の花火。
パソコンのモニター越しにちらちらと眺めながら、ちょいと調べ物をしていました。
そしたら、こんな話がありました。アラビアの寓話だそうです。
ある家にねずみが棲みついていました。
このねずみは、どんな高いところに置いた籠にも飛びつき、食べ物を食べてしまうのです。
ある日、客人が来て、その話を聞くと、何か理由があるに違いない、と考えます。
そしてねずみのねぐらを調べてみると、なんと千枚の金貨が出てきました。
「この金貨があるからですな。金というものは、力も知恵も増やしてくれます。
これがなくなればねずみも、いままでのような芸当もできなくなりますよ」
たしかに客が言うとおり、自信喪失したねずみはエサを獲れなくなってしまいました。
そしてねずみは気づくのです。
果てしない欲望こそが世の中のあらゆる不幸と疲労を招くものだということを。
もとの寓話集は、哲学者が権力者に知恵と教養を与えるために聞かせる話です。
読みながら、経済至上主義のいまの世の中にもじゅうぶん通用すると思いました。
アベノミクスは、いってみれば昔のねずみ。そろそろ貪欲さにブレーキをかけないと、ね。