数日前の新聞に、羽生棋士の談話が出ていました。
人工知能について的を得たことを言っていたので、なるほど、と感心しました。
七冠もとる名人ともなると、さすがに見るところはきちんと見ています。
棋士というのは、一手指すのに、さまざまな選択肢を考えた上で選ぶ。
素人考えで、そう思っていたのですが、どうやらそうではなさそう。
真っ先に、これは考えなくていい手だ、と瞬時に判断するのだそうです。
そして、2つか3つかの選択肢だけを残し、それを時間の許す限りじっくり考える。
つまり、考えなくてもいい、捨ててもいい手が瞬時に判断できる。
そういうところがAIと人間の違いではないだろうか、と羽生棋士は語っていました。
また、こうも言っています。
その判断が人間にできることは、たぶんAIにもわからないのではないか。
なぜなら、どうしてそういうことができるか、自分でもわからないから・・・。
自分でもわからないことをやってしまう、あるいは、出来てしまう。
仕事でも、遊びでも、人間なら、そんなことは当たり前にあることです。
ところが、わからないことはプログラミングできません。
つまり人間がプログラミングできるのは、わかっていることだけ。
だとしたら、わからないことがわかっている人間を、AIは超えることはできない。
本能とか動物的感覚とか、脳が脳を理解できる日が来るのか、来ないのか・・・。