ノリの東京の友人の生きる糧(福岡編)

日々のちょっとした楽しみや悲しみを徒然に語ります。

今週の1冊 ~ 楊家将(ようかしょう) 上・下巻 ~

2008年09月30日 | 
  今週の1冊は、北方謙三先生の『楊家将(ようかしょう)』上・下巻です(PHP文庫)。

 北方先生の『水滸伝』や『三国志』ファンの方は、皆さん読んでおられるようですので、私も読むことにしました。

 『楊家将』は、中国の宋の時代の初期(西暦970年~990年頃?)が舞台の歴史小説で、名将と言われた楊業(ようぎょう)と、その7人の息子達が主人公です。彼らは水滸伝に出てくる豪傑の『青面獣・楊志』の先祖ですね。戦うことだけに命をかけている漢(おとこ)達です。

 内容に関しては、上下2巻の比較的少ないページの中で、失われた中国の領土を奪還するための隣国の軍事大国の遼(りょう)との数々の戦いが凝縮して書かれているので、読んでいる最中は本当に気合が入りまくりです。
 歴史小説には付きものの政治や政略等の要素が極力省かれているのも、読んでいて小気味いいですね。話がテンポよく進みます。

 しかも、ガンダムで言うところのシャアのような、ライバルの遼の天才将軍の『白き狼・耶律休哥(やりつきゅうか)』が、かなりのページを割いて魅力的に書かれているので、楊家の父子達vs白き狼の度重なる戦いは、感情移入しまくりで、どっちを応援して良いのかわかりません。特に、最後の戦いのシーンは、涙なくして読めません(〇〇親子の馬鹿野郎ぉぉぉぅ)。

 と言う感じで、全身に力を入れて気合を入れて一気に読んだので、読み終えた時には、放心状態になってしまいました。こんなに寝食を忘れて一気に読んだ小説は久しぶりですね。こんな感じは、私の好きな夢枕獏先生の格闘技小説の『餓狼伝』と『獅子の門』を読むのと同じ読破ペースでした。歴史小説としては珍しい読み方をしました。

 以上が『楊家将』を読み終えた感想です。

 上下2巻の中に、北方版水滸伝と同じような戦いのエッセンスが凝縮されていますので、「北方版の水滸伝は19巻もあるから、読むかどうか悩んでしまう」と思っている人は、是非、この『楊家将』を先に読んでみて下さい。この作品を面白いと感じた人ならば、間違いなく『水滸伝』にもハマるはずです。

 「楊家将の次は、北方版の三国志(全13巻)を読むぞっ。」と思って、三国志の第1巻も買っていたのですが、『楊家将』が続編の『血涙』に続くことが判ったので、先にそっちを読むことになりそうです(久しぶりのハードカバーですね)。しばらくの間は北方先生の作品中心の読書生活になりそうです。

 学生時代に何冊か北方先生のハードボイルド小説を読んでから、全く北方作品を読まなくなった私が、40歳を過ぎてから、北方歴史小説にハマってしまうとは正直思ってもみませんでした。『史記』も出版されたので、今後10年くらいは、北方歴史小説が生きる糧になりそうです。

 三国志を読み終えたら、嫌いだった北方先生のハードボイルド小説にも再挑戦してみることにしましょう(それとこれとでは話が違うかもしれませんけどね)。
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