この資格は残りの人生にとって『吉』or『凶』？ ～ 55歳で取得した2つの資格 ～

　「真面目に働いてもらっているので資格を取ってきて下さい。費用は全て会社持ちです。」と会社の管理部門の社員に言われて、先日、2つの資格を取るために研修に行ってきました。

　私は心の中で、「おい、おい、まだ俺は試用期間中だぞ。そんな人間に資格を取らせるのは時期尚早だろ。55歳の俺はそんな資格に興味も必要もないし。」と思いましたが、命令に逆らえる雰囲気が全くないので研修に行ってきました。研修期間中（3日間の研修×2）は残業代がつかないのもイヤ～んでしたしね。

　それぞれ3日間の研修を受け、学科試験と実技試験に合格して取得した資格は以下の2つです。『労働衛生法に基づく技能講習修了証』と言う証明書を指定教習機関から発行してもらったと言うのが正確な言い方になります。両方とも工事現場等で役に立つ資格ですね。

　・玉掛け
　・小型移動式クレーン

　まずは『玉掛け』ですが、これはクレーンを使用して荷を吊り上げるための準備、荷をフックにかける作業、荷をフックから取り外す作業までの一連の作業のことです。使用するクレーンの荷の吊り上げ荷重または制御荷重が1トン以上の時の玉掛け作業は『玉掛け技能講習を修了した者』しか行なってはいけないと安全衛生法で定められています。今回私は技能講習を修了したので、この作業を行なうことができるようになりました。

　余談ですが、私が『玉掛け』と言う言葉を初めて聞いたのは約10年前になります。
　今はなき友人のノリは獣医の資格を持っていたので保健所で働いていたのですが、狂牛病の対応で牛をクレーンで吊るす作業を行なうかなにかで玉掛けの資格を取りに行った、と話を聞いたことがあります。その時に、「なんだ玉掛けって。意味が判らん。」と思った記憶が鮮明に残っています。

　次に『小型移動式クレーン』ですが、5トン未満の移動式クレーンの操作は『小型式移動クレーン運転技能講習を修了した者』か『移動式クレーン運転士免許取得者』しかできないと安全衛生法で定められています。今回私は技能講習を修了したので、この操作を行なうことができるようになりました。
　ちなみに、上位資格の『移動式クレーン運転士免許』を持っている人は5トン以上の大型もクレーンも操作できます。資格を取るのは難しいみたいです。

　尚、今回の3日間の研修で私はクレーンの操作を正味30分くらいしかできずにいきなり実技試験だったので、試験はうまくいきませんでした。「実技試験で落ちたと思います。」と会社にも報告していたので、『技能講習修了証』が届いた時にはびっくりしてしまいました。なぜ実技試験で合格したのか不思議です。まぁ、免許とは微妙に違うので合否判断が少し甘いのかもしれませんね。


　と言った感じで新たな資格を2つ取得したのですが、過去の資格取得時とは違ってあまり嬉しく思っていない私がいるのは事実です（合格したこと自体は嬉しいのですが）。なぜかと言うと、両方の研修で事故の話を散々聞かされたからです。この資格を取得したことで私の『仕事における危険度』の数値はまた上がってしまいました。

　コンピューター業界で働いていた約20年間は職場で危険を感じることはほとんどありませんでしたが、10年前に工事やトラックの運転を伴うガス会社に転職した時から危険を感じるようになりました。幸いなことにガス会社の約8年間で事故は2018年9月6日に記事に書いた追突事故だけでした（車が田んぼに脱輪したことは2回ありましたが）。
　そして、2年前に九州に戻ってきてからはトラックを運転する機会が増え、今は深夜にトラックを運転することが日常になって、「怖いなぁ。」と思うことに多々遭遇しています。納品先では資格もないのに玉掛け作業をやらされることもありましたしね。

　今回会社命令で2つの資格を取ったと言うことは、今まで行なっていなかった仕事も会社から命令されることになります。事故と言うのは自分が気を付けていても他人にもらうことがあるので厄介です。それを考えると気が引き締まるのと同時に少し憂鬱な気分になるのが正直なところですね。先輩社員がおこしたりもらったりした事故の話もいくつか耳にしていますからね。『労災』と言う単語が当たり前のように毎日飛び交っている現場に私はいます。


　以上、新たに取得した2つの資格の話でした。

　この2つの資格が私の残りの人生に『吉』をもたらすのか『凶』をもたらすのかは現時点ではわかりません。ポジティブに考えると『仕事の幅が広がる』ですが、ネガティブに考えると『危険に合う機会が増える』ですからね。