食農ステイション

食と農に関するお話しを徒然なるままにいたしましょう。

韓国のひとはやさしい

2011年03月11日 | 食と農

いまソウルにいます。

外は冷え込みは厳しいですが,屋内は暖房が良く効いていて快適です。

昨日は済州道庁の菜種のBDF事業を管轄している親環境農業政策課に聞き取りに行きました。最初は私たちの調査目的に対してやや警戒されたようで,録音できませんでした。

2007年から09年のBDFモデル事業は終了したが,期待したほどの成果があがらなかったため,品種の変更や農業機械の改良などに取り組んでいるそうです。また,道庁としては菜種生産のインセンティブは考えていないが,農家が損失しないように直接所得補償としてkg当たり1500ウオンの支援をしているそうです。面積の増加はあまり望めそうにありませんが,菜の花を観光資源としても重視しているそうです。

今回,菜の花畑を見る余裕がありませんでしたが,次回はチェジュ島を一周したいと思います。

ヒアリングの最後の頃は道庁のひととも打ち解けて,アメリカやEUとのFTAは畜産への影響が大きいと思われること。また,中国とのFTAの影響を心配していることを話してくれました。中国は巨大で強力なので,日本と韓国は一緒になって対抗しましょうと誘われました。チェジュ島の地域性かもしれません。

午後1時15分のソウル行きの航空機に乗りました。ソウル行きの便は10~15分おきに出ていて,機内はがらがらでした。天気が良くて最初は写真を撮っていましたが,その後,爆睡。

金浦空港からリムジンバスで中心部に移動し,そこから韓国農村経済研究院までタクシーで移動しました。これもハングルが得意なY先生が同行してくれるから可能な技です。

農村経済研究院ではY先生と大学が同窓のP先生の計らいで,研究会を準備してくれていました。私は「地産地消と6次産業化」を,Y先生は「日本における口蹄疫の顛末」について報告し,討論しました。私の報告に関しては,農産物直売所の開設主体,価格決定,設置場所,学校給食との関係,大規模化のデメリットなど当を得た質問が続出しました。

また,韓国とアメリカやEUとのFTAについても意見交換をしました。日本のマスコミで流布されている,韓国-チリのFTAが農業への影響があまりなかったことと自動車の輸出が増えているという「学習効果」のことを紹介しました。すると,それは違う。チリは南半球で果樹産業への影響が少なく,チリ産の品質が低いことなどが影響していることを話されました。納得。

研究会の後,近くの中華料理店で懇親会を行いました。お酒の助けを借りて,意見交換はますます熱を帯びました。

チェジュ島でお世話になったひとも,韓国農村経済研究院のひとも,皆やさしいひとばかりでした。ありがとうございました。

本日,午前は有機農業協会のヒアリングを終えて,夕方帰国します。駆け足の旅でした。