食農ステイション

食と農に関するお話しを徒然なるままにいたしましょう。

夏から秋へ

2009年08月29日 | 食と農
朝晩めっきり涼しくなりました。東京は昨日から夏の天気が戻ってきましたが,関東地方に接近している台風とともに,秋空になるものと思われます。

8月もあと2日で終わりですね。大学は前期の講義が終わっても,会議や研究会,オープンキャンパス,大学院入試などがあって,ゆっくり夏を楽しむいとまもありませんでした。
9月には学会が連続して開催され,その合間に卒論や修論の現地調査を行う予定です。調査の成否を決めるのは適切な相手先とアポイントメントを取ることだと確信しております。

先日,調査先を紹介してもらうようにお願いしていた某業界の方からの電話をマンションのセールスの電話と間違えるという失態を演じました。日に2-3本のセールスの電話があるという状況なのですが,本当にTさんごめんなさい。その後,電話の相手を良く確認して応対することにしております。

秋が深まると同時に気がかりなことは,新型インフルエンザの流行です。厚生労働省の「新型インフルエンザ対策関連情報」によれば,感染者の年齢分布をみると,その中央値は12 歳~17歳であり,入院患者の中央値は15歳~42歳です。青少年が罹患しやすいようです。また,新型インフルエンザの今後の患者数の推計によれば,国民の2割が発症すると想定しており,約38万人が入院,約3万8千人が重症になり,ピーク時には1日に約76万人が発症する見込みだそうです。
そして,現在は流行が拡大し始める初期段階とのことです。この数字だけ見ると怖そうですが,すべての人が重症化するわけでもないので,冷静な対応が必要です。

小・中・高校は9月から一斉に新学期が始まります。また,大学も入学試験など重要な行事が冬にあります。新型インフルエンザの対策には,ワクチンの効果も限定的であり,決め手となるものがないようです。結局は体調管理を十分行って,予防するしかないようです。たいへんな秋になりそうです。

明日は衆議院選挙ですね。天気がくずれなければよいのですが。

オープンキャンパスと天地人

2009年08月22日 | 学科長
残暑ならぬ酷暑が続いています。どうも気象がいよいよおかしいようです。

昨日,本学科のオープンキャンパスがありました。昨年から農学部では学科別に行うようになり,我が生物生産学科は昨日の午前と午後,計2回同じプログラムで行いました。

少子化の中で各大学はオープンキャンパスを行い,大学の魅力を高校生や保護者に発信しているのです。本学もオープンキャンパスに力を入れていて,教職員一丸となって取り組んでいます。

生物生産学科のプログラムは大きく説明会と見学の2つに分かれています。
第1部は講堂で説明会を行います。農学部のビデオ映写のあと,教育委員のA先生が本学科の教育と研究について説明された後,学科長としてのまとめの挨拶をしました。
以下,パワーポイントスライドを転載します。
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1枚目:生物生産学科の天地人
・「天の時 地の利 人の和」
・孟子の教えを上杉謙信が引用

2枚目:天の時
・食料と人口
・21世紀中葉には世界の人口は90億人
・投機や新興国の食生活の変化により穀物価格の高騰
・世界や日本の農業・食料問題を総合的に学ぶには,生物生産学科は最適

3枚目:地の利
・Tokyoにある農学部→人と情報が集中
・キャンパスと隣接した広大な農場
・講義と実習を組み合わせた実践的カリキュラム

4枚目:人の和
・本学は新制大学として60周年を迎えますが,その前身の内務省勧業寮・内藤新宿出張所・農事修学場から数えると135年。
・本流である生物生産学科の卒業生は,農業・食料関連産業界において活躍
・生物生産学科は少人数教育のもと,一人ひとりの学生を大事にする面倒見の良い学科です。
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最後に,「桜の花が咲く頃,皆さんと会えるのを楽しみにしています。」と結びました。

その後,12班(1班約10~15名)に分かれて学内の見学です。昨日の午前中は炎天下で,圃場やハウスで説明する先生は汗だくでした。今年は研究紹介の展示が一段と凝っていて,バイオマス資源のリーフスター,しおれない(老化が遅い)アサガオ,土壌モノリス,ブルーベリーチキン,小牛,ひよこ,蚕,食料問題の解説など高校生が興味を持ち,喜ぶ展示が多かったことはとても良かったと思います。



今年は午前,午後合わせて約500名の学生と保護者の方が来場されました。昨年よりも15%増えているそうです。最近の特徴としては,高校3年生に加えて1年生や2年生が多くなっていることです。大学も受験生から厳しい目で選択される時代になったということでしょう。

夏休みの大きなイベントが終わりホッとしています。周到な準備をしていただいたすべての先生に感謝申し上げます。

短くなった夏休み

2009年08月14日 | 食と農
いま,福岡の実家に来ています。8月もあっという間に2週間が経ちました。福岡も雨が降ったり,曇ったりはっきりしない天気が続いています。全国的にも稲作の作況が心配されます。

7月末から忙しい日が続きました。前回のブログ更新から時系列で出来事を記しましょう。

7月2x日:食料・農業・農村白書の説明会,農林水産省から担当官が2名が本学に来られて説明会を行いました。私は司会として食料自給率とは別に,食料自給力という概念を出したことを質問しましたが,はっきりしない回答でした。担当官のうち1名は本学の園芸学研究室の出身でした。頑張れよ~。

2y日:研究院計画評価委員会,本学は法人化とともに大学院基軸大学になったものの,農工融合の研究院にしたため,会議が2段階になり極めて面倒くさいものとなっています。来年から農学研究院と工学研究院に分離します。会議も減って,風通しが良くなることを期待します。

2z日:M大のHさんの集中講義と研究室の突入コンパです。Hさんには有機農業論を講義してもらいました。学生の評価は上々でした。また,コンパの前に研究室と4階のトイレの大掃除をしました。特にトイレは経費削減の影響からか,業者の掃除が簡略化され使用するものには苦痛なぐらい汚れていました。学生と一緒に床をデッキブラシでゴシゴシ掃除しました。すっきり~しました。皆さんお疲れでした。

3x日:連合大学院の教授会,半期の一度の教授会です。構成大学の教員が集合して,学位論文の審査判定や入学者の選考などを行います。当研究室のTくんも無事学位が授与されることになりました。おめでとう。彼に替わって,タイの留学生Nくんの入学も承認されました。去る人,来る人,大学教育は一瞬も止まることはありません。

8月x日:共生社会システム学会大会がI大でありました。大会シンポのテーマは「環境共生社会創造のための教育・人づくり」でした。ESDは私の専門外ですが,興味深い報告でした。この学会は出来て丸3年が経つ若い学会です。共生に興味を持つ様々な学問分野の研究者が結集する学際的な学会です。私は運営委員長を仰せつかっているので,前泊して早朝から大会会場に向かいました。理事会と総会も無事終わりホット息をつきました。シンポと個別報告も東京以外の開催にもかかわらず多くの人が参加してくれました。(写真はシンポの模様です。左側の発言者はA先生)

y日:消費者問題教員講座,2日連続で都内の小・中・高の教員と栄養士を対象にした講座で地産地消のお話しをしました。2日合計で110名の参加でした。講演後もメールで問い合わせがあるなど熱心に聞いてくれました。

z日:連大合同セミナー,今年はU大の当番で那須塩原市で1泊2日の日程で行われました。博士2年生を対象にして,D論の中間報告を行うものです。主指導教員の教員も全員参加です。夜の懇親会も賑わいました。

これ以外に農林水産省の会議やコンサル会社からのインタビューを受けたりしました。
数年前までならば7月末には大学も夏休み入っていましたが,「単位の実質化」という文部科学省の「指導」で,学生には15コマの授業を保証しなければならなくなり,休暇期間は年々短くなっています。これはこれでまっとうな言い分ですが,それを正しくやろうとするならば,1コマの講義には2時間の予習が必要であり,集中講義などは出来なくなります(M大Hさん談)。

夏休み中の学内会議も増えていて,気が休まるのはお盆期間中のみとなっています。ゆとりは確実に減っています。