食農ステイション

食と農に関するお話しを徒然なるままにいたしましょう。

コウノトリとの共生

2006年09月23日 | 食と農
いま,兵庫県豊岡市に来ています。
なぜか,旅先でブログを更新する方が楽ですね。

今日は,2回目のコウノトリの放鳥に合わせたシンポジウムが午前と午後2つあり,明日は日本有機農業学会主催のフォーラムがあります。

豊岡でコウノトリが絶滅したのは1971年で,日本有機農業研究会が発足した同じ年です。その頃は,この豊岡でもコウノトリは稲を踏み荒らす害鳥として「いらない鳥」だったのです。

しかし,絶滅後,関係者のご苦労によって,コウノトリは絶滅前の最大棲息数よりも多い羽数に回復したのです。そして,昨年9月24日に5羽放鳥し,今年は今日と明日で7羽放鳥します。

今日の3羽の放鳥式には,2500人(神戸新聞)の市民が見守っていました。コウノトリは体長1.4メートル,翼を広げた長さ(翼開長)は2メートルと大きな鳥です。その鳥が大空に優雅に舞う姿は圧巻でした。

「いらない鳥」だったコウノトリは,いま豊岡に大きな恵みを与えてくれています。「コウノトリ育む農法」で栽培されたコシヒカリは,慣行栽培よりも10アール当たり8万円も高い農家手取り額があります。(加算金を含む)

市長の挨拶によれば,コウノトリ郷公園の来訪者は昨年度24万人だったのが,今年度5ヶ月間で17万人に達しており,年度末には40万人が見込まれるそうです。つまり,コウノトリ・ビジネスが隆盛しているのです。市長はこれを「環境経済」と言っていました?!

そして,豊岡の人達には経済的な豊かさだけでなく,全国各地から豊岡を訪問してくれる人が一杯いること,日常的にコウノトリが舞う姿を見られることなど,地元への誇りが広がっているようでした。

このような,自然と人との共生がうまくいっている事例はそれほど多くないのではないかとも思います。理念や運動とビジネスがうまく調和するのは難しいようです。兵庫県では「生きものと共生する農業」として,豊岡の取り組みを全県に広げようとしています。
2匹目のドジョウもいるでしょうか?

回る,回るよ,時代は回る

2006年09月18日 | 食と農
ブログを1か月以上更新せずごめんなさい。

取り急ぎ,業務報告をいたします。
アメリカから帰国してから次のような行事がありました。

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8/17-24 夏休みin福岡
8/23 全国柿研究大会で基調報告
8/26-27 生消研・夏の学校で北海道八雲町,北里大学八雲牧場を視察
8/31-9/1 大学院修士課程入試
9/5 地産地消研究会(農工大)
9/8-9 第1回三浦半島GT調査(横須賀市,三浦市など)
9/14-15 第2回三浦半島GT調査(横須賀市,三浦市,鎌倉市など)
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これ以外に,日帰りの会議や調査もたくさんありました。
という感じで,ブログの材料は一杯あるのですが,パソコンに向かう時間がありません。

ところで,私の好きな歌に,中島みゆきの「時代」があります。
歌詞は恋人達が別れと出会いを繰り返すという内容ですが,私は「だから今日はくよくよしないで 今日の風にふかれましょう」というフレーズが好きです。
大腸にポリープを作りながらも,懸命に働く自分のような感じがします!?

言い訳ついでに,今後の予定を記しておきます。
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9月
 22-24日 有機農業学会フォーラム (兵庫県豊岡市)
 28-29日 新潟大学大学院 集中講義

10月
 1-2日 地産地消推進委員会 (広島県世羅町)
 7日 共生社会システム学会 設立大会 (東京農工大学)
 13-14日 地域通貨調査 (愛知県弥富市)
 19-22日 日本農業経営学会 研究大会 (鹿児島大学)
 27-29日 日本流通学会 研究大会 (明治大学)
 30-31日 地産地消人材育成セミナー (岡山市)
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時間がある時に,また更新します。食農ステイションを見捨てないでね!

註:写真は三浦市宮川の風車とトンビ。2つ回っていました。