食農ステイション

食と農に関するお話しを徒然なるままにいたしましょう。

鼻涙管とT字帯

2009年06月27日 | 食と農
最近,週末は晴れの日が多いですね。おかげで市民農園に毎週通えます。ピーマン,キュウリ,レタス,水菜,アスパラガスなどが収穫できます。これからはトマト,ゴーヤ,シシトウ,オクラ,ルッコラなどの収穫が楽しみです。

今週,家内は眼の手術のためにT大病院に1泊入院しました。病名は鼻涙管閉塞症です。赤ちゃんがよくなるそうですが,家内は成人になって発病しました。
症状としては。涙があふれて眼の周りがかぶれます。健常者は涙が鼻涙管を通って鼻に流れるのですが,涙が鼻涙管を通れずオーバーフローするため泣いているようになります。

本人にとっては深刻な病気で,あちこち病院を回り,涙道・涙液外来があり鼻涙管手術の権威がおられるT大病院に行き着きました。初診から早1年,やっと手術の運びになりました。そして,入院前夜。入院時に持参するものの中にT字帯という聞き慣れないものがありました。いわゆるふんどしですが,眼科の手術でT字帯が必要なのか二人で首をかしげました。

そして,入院当日。午前8時30分から9時30分までに受付を済ませるように指示されました。この時間は都心に向かう電車はすごい混雑です。毎日,通勤している人の忍耐力に敬服します。

T大病院は毎日約4000人の外来がある大きな病院です。そのため,いろんな職種の人がシステマティックに役割分担して働いています。そして,それを支えているのはITです。受付をすると,病室の名前札や腕に巻くIDなどが印刷されて出てきます。看護師さんの問診もノートパソコンに入力しながら行います。すごいです。

手術の時間は当日担当の看護師さんから告げられ,午後4時30分からでした。問題のT字帯は下腹部を手術する人以外は着ける必要はなく,最近はパンツのまま手術するそうです。

病室の準備ができていなかったため,談話室で小一時間待機。
4人部屋を希望していましたが,満室のため2人部屋に入ります。病室には前日手術された方が伏せっておられました。その方はしきりにナースコールをされていて,スタッフルームに近い別の病室に移ることになりました。おかげで一人で部屋を使うことになりました。気兼ねすることなく助かりました。

手術まで時間があるので,私は病院内を探検することにしました。入院棟は2000年10月に竣工した新しい建物です。トイレとシャワーが各病室に設置されています。コンビニのLーソンやコーヒーショップ,郵便局もあります。小さな町ですね。

午後5時から手術が始まりました。
手術はシリコンチューブ留置術というもので,特殊なシリコンチューブを涙道に留置して,涙道を拡張する手術です。

手術時間は1時間の予定でしたが,2時間かかりました。付き添い人はドラマにあるような手術室の前で待つのではなく,談話室か病室で待つように指示され,私は家内のベッドで寝ていました。でも,1時間経ったころからまだかな,まだかなと動物園の熊のようにうろうろしていました。

病室に帰った家内は顔が腫れて痛々しい感じでした。局部麻酔のため眼の周りに3カ所,両目の手術でしたから計6カ所も注射を打ったそうです。とても痛かったそうです。

夜9時過ぎに自宅に帰ると,娘が生協の商品を冷蔵庫に入れたり,布団を敷いくれていました。私も洗濯物を干したり,翌朝娘の弁当を作りました。これまで家内が家事すべてをこなしてくれていたことに改めて感謝しました。
翌朝,家内を迎えに行ったら顔の腫れは引いていて安心しました。

ところで,今日はD論の公開発表会と審査会でした。私が主指導のTくんが3年間の成果(論文)を報告しました。審査委員から厳しいコメントをもらいましたが,論文の最終提出まで約1ヶ月ありますから,完成度を高めてください。

今日はT字帯,T大病院,TくんとTつながりの話でした。

国際交流は半端じゃない

2009年06月20日 | 食と農
雨が降らない梅雨ですね。 本学構内のアメダスに依れば,6月の降雨があった日は8日で,10mm以上の日は3日しかありません。西日本では小雨傾向が続いています。

さて,今週は中国Y大学の学長一行4名が訪問され,その対応におおわらわでした。2年前に本学の学長,農学部長,W先生と一緒にY大に招待され,姉妹校提携を結んでいます。私はY大学との交流の窓口担当となっていて,今回は本学が一行を招聘しました。

滞在1週間には,学長,学部長それぞれが主催した歓迎会と関東地域の大学や研究機関の視察が組まれていました。このプログラムは国際チームのNさんが尽力されて,先方と相談しながら立てたものです。

私も,U大学とK県農業技術センターの視察のアポを取り,引率する予定でした。
しかし,来校一番,「もっと自由時間が欲しい」と要望が出され,訪問時間が短くなったり3カ所の訪問が中止となりました。ご本人たちは悪びれた様子もなく,国民性の違いを改めて知ることになりました。
視察中止となったK県農業技術センターのSさんをはじめ,ご迷惑をお掛けした皆さまには改めてお詫び申し上げます。

訪問先のU大学にはバスを借り上げ,高速道路をひた走りました。
Y大学一行は一人の女性を除きすべてヘビースモーカーです。乗車と同時に「タバコ吸って良いですか?」と運転士に聞きました。
運転士は「ほかのお客さんが良ければO.Kです。」 やれやれ。

一般化できない部分もあるのでしょうが,中国の人は概して自由で,自己主張が強い感じがします。日本人もそうあっても良いかもしれませんが,組織の中で長年飼いならされていると,自己を抑える癖がついているようです。難しいですよね。

Y大学一行は明日離日の予定です。中国で受けたような心を尽くしたおもてなしができませんでしたが,今後も交流は続けていきたいと思っています。
よろしくお願いします。

大学の直売所

2009年06月13日 | 食と農
関東地域も梅雨入りしたようですが,雨はあまり降りません。
天気予報によれば,今晩からくずれるそうです。うっとうしい季節になりますね。

最近,大学が開発した加工食品が話題を呼んでいますが,本学も芋,米,麦を原料とした三種類の焼酎を製造し,販売しています。原料はすべて農場で生産されたものを使用し,大分県の醸造所に委託製造しています。720ml1本2,000円(アルコール分 25度)と価格は高めですが,結構おいしいです。調査先へのおみやげに持って行くと喜ばれます。私は,サツマイモの品種「パープルスイートロード」を原料とした芋焼酎が好きです。

そして,焼酎を含めて農場で生産された農畜産物や農産加工品を販売している直売所が学内にあります。名前を「夢市場」と言います。営業開始が2006年1月12日ですから,もう丸3年が経過しています。

当時のプレスリリース(2006.1.10)から設置の目的を引用しましょう。
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「夢市場」は,食農教育の一貫としての情報発信や収集の基地として,将来は広く大学で生産される商品を販売する方向に発展させていく予定です。農林産物の生産から収穫まで,収穫から販売まで行える,実践教育の場としても活用していくことになります。
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私が担当する大学院の講義科目「食農マーケティング論」のマーケティング・リサーチの演習としても「夢市場」を利用しています。でも毎年,調査するのもお客さんに申し訳ないので,生協食堂と隔年で調査を行っています。

学生達は前半の教科書の輪読でマーケティング論の基礎的なことを学びます。後半は2-3人の班に分けて,それぞれの班でテーマを設定して,質問項目を考えます。そして,各班の質問を吟味した後,合わせたアンケート質問票を作成し,50-60人のお客さんを調査するのです。

演習の最初には農場の教職員へのヒアリングを行い,集計・分析した後は「結果報告会」も組み込んでいます。私も座学だけでないので,楽しみながらやっています。

今週は,事前調査を行いました。毎週木曜日の12時から午後1時だけの営業なので,はじめて見る学生も結構います。お店が狭いため,人数制限をしながら買い物をしてもらっていますが,毎回多くの人が並んでいます。

今年の調査テーマは何になるのでしょうか。調査は7月9日(木)です。

ワーク・ライフ・バランス

2009年06月06日 | 食と農
しとしと降っていた雨があがったようです。

東京の天気予報は明日晴れるようです。畑仕事ができればいいなと思っています。

さて,今週もハードな会議の連続でした。運営委員会,学科会議,これ以外にも2つ以上ありました。学長による学内の会議時間を短縮化するようにという指令が出てからは,会議の時間はかなり短縮化したのですが,内容が圧縮されたり省略されたりしています。これでいいのかなと,ふと疑問がよぎります。でも,長い会議はみな嫌なので,このやり方は続くことでしょう。

会議時間の短縮化と午後5時以降の会議開催の自粛は,ワーク・ライフ・バランスの実現の一つでもあります。

このワーク・ライフ・バランスは,2007年12月18日,総理大臣官邸において開かれた「官民トップ会議」において,「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」及び「仕事と生活の調和推進のための行動指針」が,政府,労働組合代表,使用者代表により調印され決定されました。以来,ワーク・ライフ・バランスの内容と重要性が徐々に国内で認識されつつあります。

内閣府「仕事と生活の調和推進室」のホームページにあるデータによれば,労働時間が週35時間未満の雇用者が増える一方で,週50時間以上の長時間雇用者の比率は28.1%と他の先進諸国,アメリカ20.0%,イギリス15.5%,フランス5.7%よりも高くなっています【2000年】。労働時間の二極化が進展しているのです。

そんな中,昨日K産省の会議が午後5時から6時30分の予定で霞ヶ関でありました。お腹が空いているはずですが,議論が白熱して終了予定時間を過ぎても終わらず,7時を過ぎた頃に会場の電話が鳴りました。電話を受けた担当官がすまなそうに「午後7時から別の会議がありますので,これで閉会にしたいと思います。」ひぇー,すごスギ―!
私が「いつもこんなに遅くから会議するの?」と聞いたところ,「いまからですよ!」だそうです。

若い官僚が決して高くない給料で毎日長時間がんばるのは,国を回しているという気概があるからでしょう。最近,公務員は叩かれていますが,私が付き合う役人はみな真面目な人ばかりです。

空き腹を抱えてK産省のビルをあとにすると,周りの建物は「花金」(言葉が古ーい)にもかかわらず,どの省庁も明かりが煌々とついていました。若い職員はデートもできないだろうなと,余計な心配するオヤジでした。