食農ステイション

食と農に関するお話しを徒然なるままにいたしましょう。

市民農園は楽しいよ

2005年04月28日 | 食と農
私が住む多摩地域は都市化の割には,畑がまだ結構残っています。
上京して早14年目になります。
この間,市民農園の抽選で外れた2年間を除いて,ずっと野菜を栽培しています。
娘が小さい頃から,シートと水筒を持って畑に通っています。
夫婦が畑仕事をしている間,娘は虫を探したり,チョウチョを追い回しています。
そんなこともあって,「畑に行くよ」というと,小6の娘は喜んで付き合ってくれます。

畑からの恵みはたくさんあります。
畑に手を入れれば入れるほど,畑は野菜をたくさんくれます。忙しさにかまけてしまい,手抜きした年の収穫はさっぱりです。

もちろん有機栽培ですが,となりの区画で農薬を撒いていると,ちょっとイヤな感じがします。有機農業を実践している農家の苦労がほんの少しですが分かる気がします。

いま,葉菜類が一斉に芽を出しています。間引き菜がまた美味しいんです。
先日はトマト,キュウリ,ニガウリ,シシトウ,ピーマンの苗も植えました。
わずか12平方メートルの畑ですが,畑の仕事はこれからが本番です。

(写真は2003年6月に撮影したものです。)

寒天はおいしい

2005年04月25日 | 食と農
いま我が家は寒天づくりに燃えています。
ちょっとした切っ掛けから,業務用寒天粉末を買って以来,毎日寒天を作るようになったのです。


特に評判が良いのはトコロテンです。真のトコロテンは,天草をよく洗い煮て濾過した絞り汁を冷やし固めたものですが,寒天を利用したものも結構いけるのです。ネットで「天突き」と呼ばれる押し出し機も買いました。トコロテンのたれも自家製ですが,毎日夕食前に食べています。


トコロテンの他にはジャムやココアや小豆餡を入れた寒天デザートを作っています。家族の評価は5勝5敗といったところです。週末に作った杏仁豆腐風のデザートは,評判すこぶる悪くひとりで食べました。

寒天を食べる大きな目的はダイエットです。寒天を食べる→おなか一杯になる→おやつや他の高カロリー食品を食べなくなる→摂取カロリーが少なくなる→無理なくやせられる。
このような目論見がありますが,まだ2週間も経っていないので成果は出ていません。

今後の進展状況を折に触れ報告しましょう。

4/18の質問への回答

2005年04月19日 | 農業市場学
価値法則による規制について,もっと詳しく。

商品の価値はこれを生産するのに必要な社会的な労働量(労働時間)によって決まるというのが価値法則です。
商品の生産と交換はこの法則によって規制されます。また,商品の価格はその価値を中心として
変動します。
つまり,資本主義社会では資本の移動を通じて,生産手段と労働力は価格が下がって不利な部門から有利な部門へと移動します。こうして商品生産は価格変動にともなって生じる生産手段と労働力の移動を通じて無政府的に調整が行われるのです。ちょっと難解?

生産の無政府性とは何ですか?

商品生産にもとづく社会において,生産が全体として,意識的計画的に行われるのではなく,自然成長的に行われることです。食品においてかってあったナタデココやティラミス等のブームがそれです。個々の企業内では生産が計画的であっても,社会全体では無計画的となります。その商品が社会に必要なものか否かは価値法則によって事後的に分かるわけです。つまり,売れ行き不振,価格変動などの形をとって生産の調整が行われるのです。

素畜とはなんですか?
素畜(もとちく)とは肥育用の子牛や子豚のことで,家畜市場で売買されます。

農産物直売所の数は?

2005年04月15日 | 食と農
このたび,タイトルを「食の散歩道」から「食農スティション」に変えました。
最近,食だけでなくて農業に関わることも書くようになったし,調べてみるとWebには「食の散歩道」という名前はいっぱいあるんですね。それでこういうことに。

実はこの名前,福島県会津地域の農産物直売所の研修会に呼ばれたとき,県農林事務所のOさんが会津地域の農産物直売所に付けていた愛称で,とても気に入っています。Oさんお借りしますね。


ところで,全国の農産物直売所の数はどのくらいあるのでしょう。
これが統計がないんですね。各地域の農政局が独自に調査したものはあるのですが,直売所の定義がそれぞれ違っています。運営主体が個人のものや無人直売所を除外または含んでいたり,定期市を除外または含んでいたりしているのです。つまり,直売所の定義を明確にした全国的な統計はないのです。これ,国にはしっかりやって欲しいですね。

これまでの既存の統計を勘案すれば,全国に農産物直売所は大づかみで1万数千か所から2万か所はあると推測できます。これは定期市や個人の直売所を含みます。
直売所の数が分かれば,流通量や販売価額の推測もできます。市場外流通としても結構のシェアを持っているように思うのですが。

4/12の質問への回答

2005年04月12日 | 農業市場学
完全競争の意味が分かりません。
これは概念です。売手が非常に多数存在していて,彼らはまったく独立で行為していて,市場で決まった価格を与えられたものとして受け取る状況を指します。農業がその典型とされますが,現実は不完全競争が大部分です。

経済学の本でお勧めは?
本屋に行って,気に入った本を選んではどうでしょうか。ちなみに僕の入門書は,有斐閣選書の『マルクス経済学を学ぶ』と『近代経済学を学ぶ』でした。

農業市場学の参考書を教えて!
『食料・農産物の流通と市場』(筑波書房,2000円)がよろしいでしょう。

講義が始まりました。

2005年04月12日 | 食と農
入学式や健康診断も終わり,2005年度の前期の講義が始まりました。
今年の農業市場学の受講者数は,例年よりも10名以上多いのです。準備したプリントが足らずに,慌てて増し刷りしました。1時限目の講義のため,まだ眠そうな学生もいますが,みな真剣に聞いてくれていました。感謝!

今年からO先生との分担を変えて,僕は11コマ担当します。4コマ増えたのですが,話したいことはいっぱいあるのです。でも,90分間ずぅーと話していると,さすがにノドが痛くなります。

食と農をめぐる社会や経済は激しく動いています。学生の皆さんには,新聞やテレビそして身の回りの出来事に関心をもってもらえればと願っています。

追伸
カテゴリーに「農業市場学」を加えました。
講義中の質問への回答やトピックスを書いていこうと思います。

桜並木と桜餅

2005年04月11日 | 食と農
福岡から上京して14年目の春を迎えます。
東京に来てとても感心したのは桜並木の立派さです。
私が住むF市にも「桜通り」があります。樹齢数十年と思われる立派な桜の並木です。
都内のあちこちに「桜通り」がありますし,桜の名所も多くあります。
福岡にも桜の名所はありましたが,これほど立派な桜並木はありませんでした。

なぜ,東京には桜が多いのか。
僕の仮説は次のとおりです。東京には台風の上陸が少なく,桜の大木も倒れることが少ないことだと思っています。さらに,東京は桜の代表的品種ソメイヨシノの育成地でもあることも関係しているかも知れません。

もう一つの謎だったのが桜餅でした。福岡で食べていた桜餅はモチ米を使った餡入りのお菓子でしたが,東京のそれは白玉粉を練って薄く焼いた皮に餡を入れて,塩漬けの桜の葉で包んだものです。モチ米を使った桜餅もありますが,それは「道明寺」と名前が付いています。
僕の好みとしては,東京の桜餅には満足できず,いつも「道明寺」を買っています。

調べますと,関西風の桜餅は蒸した道明寺粉を用いて作るとありました。道明寺粉とは「道明寺糒(ホシイ)を荒く挽いたもの」とあり,道明寺糒とは,「モチ米を蒸して乾かしたもの」とあります。そして,桜餅は江戸長明寺で売り出したのに始まると広辞苑にありました。

当然ですが,地域が異なると風景や食べ物も異なるのですね。
みなさんはどちらの桜餅が好きですか?


老舗の旅館か,設備が良いホテルか,それが問題だ。

2005年04月04日 | 食と農
先日,家族と2泊3日で南房総から銚子まで遊んで来ました。館山までJRで行って,館山から銚子まではレンタカーを利用しました。約150kmの北上の旅は,結構運転しがいがありました。

ところで,みなさんはホテル派?,旅館派? 今回の旅は,一泊目は老舗旅館(白浜)に泊まり,二泊目は私鉄系ホテル(犬吠埼)に泊まりました。 そこで,それぞれの食事と施設についてお話ししましょう。

白浜の旅館は大正時代に開業した老舗旅館です。総客数26部屋で荒磯が目の前に見える和風の宿です。この旅館を選んだポイントは,女将さんの細やかな心遣いです。なぜ初めて泊まるのに分かったかって? 事前のホームページによる学習成果です。
旅館自体は古いのですがお香の香りがあちこちから漂ってきて,料理も創作和膳と称した皿数は多くないのですが,とても美味しい料理でした。朝食もgood。ただ,子どもの味覚には合わなかったようです。

二泊目は犬吠埼の灯台が見え,眺望抜群のホテルです。総客数49部屋の大きなホテルです。このホテルの特徴は,温泉の展望露天風呂があることです。ドライブの疲れを癒してくれる気持ち良いお風呂でした。夕食は部屋食でしたが,料理はそれほど特徴のあるものではありませんでした。朝食のバイキングもイマイチ。


さて,問題です。皆さんは旅館とホテルどちらを選びますか?
たぶん,TPOに合わせて選択するでしょう。

でも,料理と設備ともに満足できる良い宿というのは,税サ込み1万2-3千円では無理なのでしょうか。
この永遠の難題に立ち向かうべく,また宿探しをするのでした。