梅雨入りがえらい早いなと思っていたら,台風2号が日本列島に急接近。週末は雨風が強く,終日映画三昧でした。
今日は久しぶりの晴天です。そして,創立記念日のため大学は休業です。法人化になって数少ない恩典です。
福島第1原子力発電所の事故がなかなか収束せず,まだ放射能物質は大気と海に垂れ流しされているようです。農畜産物や水産物への放射能汚染は一見低下傾向にありますが,まだまだ安心出来ない状況です。
我が家が加入している生協はいち早く農畜産物への残留放射能の自主検査を行いました。それによれば,4月以降,野菜類の残留放射能検出数と数値は低下傾向にあります。しかし,放射性セシウムは暫定基準値以下ですが,多くの野菜には確実に検出されています。我が家が飲み続けている有機栽培のお茶からも放射性セシウムが1kgあたり73 ベクレル検出されたそうです。
原発事故以前ならば,生協は出荷停止とするはずですが,政府の「暫定基準値」以下という「錦の御旗」を掲げて,生協や小売業者は商品を流通させています。そして,我が家も以前どおりにお茶や野菜を注文して毎日有り難くいただいています。
一方,都庁も農林水産物の放射性物質の検査結果をホームページで公開しています。それによれば,3月22日の農総研(江戸川分場)のコマツナが890ベクレル/kgと高い値を示した以外は「暫定基準値」以下です。基準値以下といっても放射性物質は野菜や鮎などの水産物に検出されているのです。
つまり,現実問題として,多少の放射能リスクを我慢しながら生きていくしかない社会に変わったと言えるでしょう。
私のように生物的に役目を終えている人は多少死期が早まろうと問題ありませんが,妊婦や子どもたちの健康が心配です。
リスク評価は国の食品安全委員会の仕事で,私たち一般の研究者や国民はそれを信用するしかないという人は多くいます。でも,私は「過大に信用」するよりも,「風評」と批判されようと用心深い食品選択を目指すべきではないかと思います。
これまで食品のリスクコミュニケーションを研究してきた研究者は社会的な発言をしていないようです。いまこそ彼らが社会的貢献をするときではないかと思います。
写真説明:きょうの本学農場。遠くにはイタリアンライグラス,近くにはトマトやキュウリが定植されています。
最近,写真と記事がミスマッチやなぁー。