街角を歩いていて、香りに呼び止められることがある。
たとえば梅雨時の夕暮れに、高い灰色のブロック塀のそばで。
その花の姿は塀の向こうに隠れ、他家のお庭だから覗くこともできない。でも知っている、これはくちなしの香。白くて大輪の花の姿を脳裡に思い浮かべて、水の匂いと季節を呼吸して満足する。
たとえば仕事帰りの暗い道。自転車置き場の仄暗い電灯の光の輪が消えかかるところに、佇むように待っている香り。金木犀が、冷えたゼリーのような濃密な空気を醸しだす。
そんなふうに数日前、生垣のそばで呼び止められた。
この街に住んでこの道を歩いて、もう5年以上たつのに、はじめてだ、ここで呼び止められるのは。
しかも知らない香り。アナタは誰?
はじめまして。
よい香りをありがとう。
(後日の追記 葉の形状や花のかたちからして、これは柊ではなく銀木犀と思われますが・・どうかしら?)
たとえば梅雨時の夕暮れに、高い灰色のブロック塀のそばで。
その花の姿は塀の向こうに隠れ、他家のお庭だから覗くこともできない。でも知っている、これはくちなしの香。白くて大輪の花の姿を脳裡に思い浮かべて、水の匂いと季節を呼吸して満足する。
たとえば仕事帰りの暗い道。自転車置き場の仄暗い電灯の光の輪が消えかかるところに、佇むように待っている香り。金木犀が、冷えたゼリーのような濃密な空気を醸しだす。
そんなふうに数日前、生垣のそばで呼び止められた。
この街に住んでこの道を歩いて、もう5年以上たつのに、はじめてだ、ここで呼び止められるのは。
しかも知らない香り。アナタは誰?
はじめまして。
よい香りをありがとう。
(後日の追記 葉の形状や花のかたちからして、これは柊ではなく銀木犀と思われますが・・どうかしら?)
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