六畳の神殿

私の神さまは様々な姿をしています。他者の善意、自分の良心、自然、文化、季節、社会・・それらへの祈りの記。

秋の庭 2

2005年10月15日 | 日々のこと
 朝晩の湿り気をおびた冷気に残り香をたっぷりと含ませて、金木犀が散りはじめました。
 それにしても、金木犀の花びらというのは、なぜこんなにも可愛らしく出来ているんでしょうね。独特の色あいといい、小ささといい、もちろん香りといい、毎秋いつも感心してしまいます。こんな美しいものが、この世にはあるんだなぁ・・何か《意志あるもの》の存在を思わずにはいられないのは、こんな時です。
 その小さな花を惜しげもなく地面に散らして、秋が、あるいてゆく。

 あちこちにニョキニョキ生えだしてて、夏以来「これは何か・・?」と疑問に思っていた草、咲いてみればホトトギスでした。お隣もそのまたお隣でも、ホトトギスの花盛り。今年は当たり年か何かかしら?
 
 ムラサキシキブの濃紫は、今が一番美しい。
 もうじき、冷気が増すにつれて、ピラカンサスの赤が鮮やかになってくるでしょう。
 あの赤が、何故かとても胸に痛かった時期があります。あの心の痛みはいったい何だったんだろう・・ただの《秋のメランコリー》? 今はもう、そんなことはないけれど。

 久しぶりにキジバトを見る。そういえば夏にはあまり見かけなかった気がする。この辺りではこの鳥は、季節移動とかするのかな? 
 今朝は階段のそばで《ねじ巻き鳥》が鳴いていた――村上春樹が《ねじ巻き鳥》と名付けた鳥はコレではないかと、私は勝手に考えている。だって鳴き声が、ねじを巻く音に似てない?
 私が育った地方には、この鳥はいなかった。だから中学生の時、東京(昔の田無市)に数日滞在して、暮れ始めた空を群れで飛ぶこの鳥を初めて目撃した私は、「すごい!東京には青い鳥がいる!」と思ったものだった。
 しかも、メーテルリンクの「青い鳥」に出てくる、気がつけば青くなかったり死んでたりする、沢山のニセ青い鳥みたい・・田舎の人間が憧れる《東京》とは、実際そういう場所なのかもしれないなぁ・・なんて生意気な事も考えていた子供でした。

 あの頃は、将来その東京に住むことになるなんて、思ってもいなかったなぁ。


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2 コメント

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ようこそ (風野)
2005-10-20 13:51:11
謎野さま、いらっしゃいませ。コメント&TB有難うございます。

お名前が似てますね(^^*)



私もNHKの「馬の骨」はちょっと・・で、途中から見なくなっちゃいました。「蝉しぐれ」はもうご覧になりましたか?
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TBさせていただきました (謎野)
2005-10-17 16:50:13
はじめまして。

「秋の庭2」「映画「蝉しぐれ」」を拝見して、拙い短歌にTBさせていただきました。

よろしければお立ち寄りください。

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