六畳の神殿

私の神さまは様々な姿をしています。他者の善意、自分の良心、自然、文化、季節、社会・・それらへの祈りの記。

ひとつの寓話

2005年05月09日 | みちびきのことば
 本日はひとつの寓話をご紹介したいと思います。

 多分、環境問題などに関心がある方ならどこかで目にしたことのあるお話だと思います。原本・出典は、私もよく知らないのですが・・(汗)

 だいたいこんなお話です。

 『あなたは、空港に来ている。
 よそゆきの服を着て、同じようにきらびやかに着飾った人々と笑いさざめきながら、今しも飛行機に乗り込もうとしている。

 ふと見ると、あなたが乗る飛行機のそばでは、汚れた服の整備工が忙しく立ち働いている。なにげなく眺めているうちに、あなたは気がつく。彼が、機体から小さなビスを取りはずしては、せっせとポケットに入れていることに。

 何をしているのだ、とあなたは彼に尋ねる。
「これですか」整備工は悪びれる様子も無く答える。
「このビスは、ひとつ5セントで売れるんですよ。生活が苦しくてね」

 そんなことをしてよいのか聞くと、整備工はこともなげに応える。「なに、機体は数え切れないほど沢山のビスで留められているんです。このくらい無くなったって、誰も気づきやしませんよ」
 そしてあなたの不安そうな表情に気づいたのだろう、彼はとりわけ大きな声で、明るく笑ってこう言った。「だいじょうぶ、だいじょうぶ。私はこの機体については誰よりも詳しいんです。こんなビスのひとつやふたつ、無くなったって飛行には全く影響ありません。問題なし。信用してくださいよ。今までだってこの飛行機はちゃんと飛んでいるんだし、これからも何も起きやしませんよ」

 この飛行機に、あなたはどうしても乗らなければならない・・。』

 ビスは、ひとつひとつが、生物の「種(しゅ)」を指しています。私たちの知らないうちに、今日もどこかでひとつ種が絶滅し、ビスがひとつ外されていく。

 飛行機の名前は「地球」。

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