六畳の神殿

私の神さまは様々な姿をしています。他者の善意、自分の良心、自然、文化、季節、社会・・それらへの祈りの記。

ルールはルール

2005年12月21日 | 日々のこと
 フィギュアスケートのグランプリファイナルで、女子シングルの浅田真央が優勝しました。
 まぁ何と愛らしいというか溌溂としたういういしさに溢れているというか、お見事な競技っぷりで、観るたびにオバサン目を細めてしまうですよ。

 でも、彼女は年齢制限でトリノ五輪の出場資格がない。

 それについて、とある朝のニュース番組で、コメンテーターがこんな主旨の事を言った。
 「世界一になった選手が出ない五輪で金をとっても、他の選手たちは気持ち良くないでしょう。だから真央ちゃんが出られるよう、日本は国際社会の世論にはたらきかけるべきだ」

 一見、もっともらしく聞こえるが、あまりにも浅薄なコメント。

 年齢制限も含め、ルールはルール。どんな競技でも、それを前に涙をのむアスリートは数知れない。その事を、このコメンテーターは知らないんだろうか。
 また、今回真央ちゃんだけを特別扱いするとしたら、その方が今後の彼女の将来にとって厳しいことになるかもしれないとは考えないんだろうか。

 さらにこれは「真央ちゃんの笑顔をトリノで見たい」とか「日本人にメダルを」とかいうだけじゃなく、フィギュアスケートという競技全体に関わる問題だという認識も、このコメンテーターの中には無いんだろう。
 「氷上の美を競う」とは言っても、フィギュアは美しさだけじゃダメで、難易度の高いジャンプやスピンのできる選手が上位になり、「あーやっぱりこれは芸術じゃなくスポーツ競技なのね」と思わされることがある。たとえば私はカタリーナ・ビットみたいな風格のある女子選手の演技が好きで、かつてのオリンピックでも、ミシェル・クワンの方に金をあげたかったのに、タラ・リピンスキーが金になって、その後この子はあっさりプロに転向しちゃってなんだかなー・・みたいなことがあった。
 フィギュアスケートという競技が、身の軽い小さい子たちが跳んだりはねたりする軽業サーカスみたいになってしまうのは淋しい気がするし、多分、フィギュアスケート界もそれは望んでいない。だからこその年齢制限なんだと思う。

 競技そのものの目指す方向性とか根本的なありように関わる規定を、たかが1選手のために崩すわけにはいかない。日本スケート連盟のその判断は、正しいと思う。

 だいいち、当の真央ちゃん自身が「次のバンクーバーがある」って言っているのに。ぺらぺらと理屈をつけてゴリ押ししたがる大人たち、浅はかで恥ずかしいゾ!15歳の方がよっぽどオトナだゾ!

 まぁ~たしかに、挫折も怪我も知らない今の彼女を、五輪の銀盤で見たいという気持ちは私にもありますけどね~。バンクーバーまで、無事に美しく育ってと祈るしかないですね。


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2 コメント

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同意です (megumiyazaki)
2005-12-22 21:07:50
>カタリーナ・ビット

私も好きでした!!男子ではキャンディローロが好きだったなあ~^^





確かに今の可憐なまおちゃんを見たいという気持ちは理解できますけどね。私も見たいし。でも特例が認められて、どんどん選手が低年齢化しちゃうのはフィギュアファンとしてちょっと嫌だなあと。



あと、特例を!とゴリ押ししようとする風潮はどこかの国みたいで違和感を感じますね~。

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ですね~ (風野)
2005-12-25 15:58:28
ロロちゃん、私も好きでした!



ゴリ押ししようとする人って、本当にフィギュアファンなのかしらって首をかしげるです。観始めて日が浅いんじゃないかしら・・



それにしても日本のフィギュア、男女とも層が厚くなってきて、喜ばしいことですね
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