つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

ドキュメンタリー番組「虐待の傷は癒えるのか」・・・

2009-07-11 | やりきれません
 2008年12月、長男(2)をプラスチック製のゴミ箱(高さ約80センチ、容量約50リットル)に入れ、ふたをして窒息死させたとして、34歳の夫婦が監禁致死容疑で再逮捕されたというニュース。また虐待か、なぜ、許せない、そんな言葉しか出ない。
 死に至った子どもは本当に哀れでならない。だが、虐待から救われた子どもたちは果たして幸せになれるだろうか。7月4日に放送された、NHKのドキュメンタリー番組『追跡!AtoZ』の第9回「虐待の傷は癒えるのか」は、現在、大きな社会問題となっている児童虐待を取り上げている。
 長崎県大村市にある情緒障害児短期治療施設「大村椿の森学園」は、児童養護施設や里親では対応が難しいほどの深い傷を心と身体に負った子どもたちが暮らしている施設である。子どもたちは、虐待の現場から救い出されても、すぐに苦しみから解放されるわけではなく、虐待によるトラウマで苦しみ悩む子どもたちが数多くいるという。
 この番組はカメラが長期密着して子どもたちの様子を記録したもので、“凄惨な体験をした子どもたちが、柔らかな心を取り戻し、親や大人との関係を再びつくることは可能なのだろうか。そしてそれには何が必要なのだろうか”を問いかけている。
 低年齢の犯罪が多発する昨今、児童を保護する施設として「里親」・「児童養護施設」・「児童自立支援施設」などの名称は耳にしたことはある。が、この「情緒障害児短期治療施設施設(情短)」の存在はまったく知らなかった。また、虐待を受けた子どもたちが救い出された後、心身ともに健全になるにはどれほど苦しみ悩んでいるかなど、今まで知る機会はなかった。
 やり場のない苛立ちにキレる子、突然豹変して暴れ出す子、夜が怖くてウロウロする子、指導職員の体にすがって「もういやだよ」と泣き出す子どもたちを見ていて胸がつまった。
 いつものことながら、幼いわが子を虐待する親の気持ちが私にはどうしても理解できない。どんな事情があろうとも虐待は許されない。しかしながら、児童虐待の件数は年々増え続けているという。虐待に苦しんでいる子どもたちを救えるのは、やはり周囲の大人でしかないのだ。周囲を見回して…、そして、見てみぬ振りはやめようと、せめてそれくらいは心に留めておきたいと思う。

 番組はごく短い時間だったが、ある情報サイトに、この施設での日々の出来事と、子どもたち、施設の職員、親の生の声の記録が文章に再構成されているのを知った。『暴力から育児放棄まで、激増する「児童虐待」の実態。子どもたちの心の傷は本当に癒えるのか?』という主題で、子どもたちの様子が克明に記されている。引用するには長文なのでリンクさせてもらった。

 情報サイトのURLである。ぜひ読んでみてください。
 「―虐待の現場から救い出された子どもたちの“その後”に密着」
  http://diamond.jp/series/tsuiseki/10008/
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6 コメント

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虐待 (おくだっち)
2009-07-12 09:09:27
我が子を苛める親は、私にすれば精神が異常だとしか思えません。
我が子は自分の命に代えても守りたいもの、それが元々動物に備わった本能のはず。

子供たちは、幼いうちに受けた心の傷なら周りの愛情によって癒すことはできるかも知れませんが、大きくなった子が受けた傷はどうしたら癒せるのでしょう。

異性からの愛情なら癒せるのでしょうか?
でも異性への愛が子供虐待の原因になっている例も聞きます。
人の愛憎 複雑ですね。
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Unknown (オールドレディー)
2009-07-12 10:02:37
♠おくだっちさま
大人同士の殺人事件には双方何らかの言い分があるでしょうが、虐待死は問答無用です。
極端ですが、他人の子でもわが子でも幼い命を奪った者は死刑にすべきです。

幸か不幸か、救われた子は虐待のトラウマから自分が親になったとき同じことをする例があると聞きます。
この施設には18歳までしかいられません。中途半端な成長過程で社会に出されて果たして適応できるのだろうか。
また、現存している親との関係が修復できるのだろうか、傷が深ければ深いほど難しいでしょうね。
こういった子ども達のことを広く知らしめて、社会全体で考えるべきことだと思います。
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Unknown (うらら)
2009-07-12 17:59:39
見ていました~
負の連鎖反応~昔からあった事でしょうが今の苛めは悲惨さが増すようですね、
施設に預けも引き取りに行って親の心の空しい隙間を、我が子を虐める事によって埋めるという親。それでも見放されないように親にすがろうとする子。
親が迎えに来ると怯える子供のほうが保護しやすいという、どちらにしても悲しい話ですね
専門家にも答えの出ない多くの心に傷を持った子供たちの処方箋のない問題に重い気持ちになりました
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Unknown (オールドレディー)
2009-07-12 20:16:58
♠うららさま
私が通っているスイミングプールに幼児教室があり、1歳から3歳の子どもがたくさん来ています。
よその子でも可愛いのに、なぜこんな子どもをと理解に苦しみます。

この子ども達が本当に社会に適応して生きてゆけるようになるのでしょうか。
親子の間が修復できるとは思えませんし、こういった子どもが成長した後もサポートしてくれるところがなければ決して幸せにはなれないと思います。
国ももっとこうした面に力を入れて欲しいですね。
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胸締め付けられる思いで見ました。 (inuneko)
2009-08-22 00:19:57
ゲストの仰ってた「特別な日だけを集めたものではない。毎日こうだ(意)」という言葉に、こういった施設と、それですら対応しきれていない傷と状況をもった子供たちの存在すら知らなかった自分の無知と無関心が申し訳なくなりました。
自分の問題に気づいていない「親」の言動にも寒気を覚えました。
子供たちには、なんとしても乗り越えて絶対幸せになってくださいと祈るばかりです。
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Unknown (Unknown)
2009-08-22 09:04:03
♠inunekoさま
コメントありがとうございます。

私たちの知らない社会の闇がたくさんあることを知りませんでした。いえ、知ろうともしなかったのです。
子ども達のつらさ、悩み、苦しみは、記事を読むよりも、実際にはもっと胸にこたえると思います。

マスコミもくだらない芸能記事などに無駄な時間を割くより、こういう問題をもっと取り上げてほしいですね。
そして、国もこういう問題にもっと目を向けて支援に力を入れてもらいたいです。
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