おもしろかったクロアチア戦・・・

　「自力突破消える」、昨夜のクロアチア戦で引き分けた日本は、崖っぷちに立たされている。後はブラジルに勝つよりほかないが、これは世界最強のチームであり、このチームに勝つことは至難の技であろう。
　昨夜のクロアチア戦では、素人目に見ても初戦の時よりは攻撃的で、果敢にアタックしている様子が見えたが、やはり一番目に付いたのは選手の体格の差である。日本チームには中沢以外に目だって大きい選手はいないが、クロアチアチームには頭一つ抜き出た大きな選手が多く、それも不利であろうか。
　全くサッカーの知識はないが、素人目に見て、ゴールまでボールを運んだのに、肝心の場所に自国の選手がいなくて、うまく得点に結び付けることができない場面が目立ったように思う。また、ゴール間近で、巧妙な足技で相手にボールを奪われる場面も度々見られた。前半は、これはイケるかもと思わせるような試合であったが、後半は相手選手の機敏な動きにおされ気味で、度々のチャンスを生かすことができなかったのは残念だった。
　でも、初戦よりは面白かった。ハラハラ、ドキドキする場面もたくさんあり、十分楽しませくれたと思う。試合が２時間も３時間も続き、主役はバッター、ピッチャー、キャッチャーの３人で、ほかの選手は球が飛んでこない限りのんびり立っているように見える（ゴメン！）野球と違い、90分の短い時間内で全員が走りまわり、倒し倒され、肉と肉がぶつかる音が聞こえるような肉薄した戦いは、一瞬でも目が離せない緊迫感がある。１試合で10㎞以上も走るそうであるが、疲れも見せず、息の乱れも感じさせないような強靭な肉体は、並外れた鍛錬の積み重ねによるものであろう。
　特に、中田英寿の活躍が目立つ。ありとあらゆる事態を想定した上で、頭脳的に動く無駄のないプレー、全力で走り回り、体中でぶつかっていく彼には、常人にはない必死さを感じる。そんな彼は、今や日本代表の要とも言える存在になっている。キャプテンの宮本がイエローカード２枚で、ブラジル戦へは出場停止となったというが、その分ヒデの中心的役割は大きい。今のヒデの、チームをまとめ、盛り上げようとするひたむきな努力をする姿は、あのＷＢＣでのイチローの存在と同じようなものが感じられる。二人とも孤高の人で、人間性が常人にはなかなか受入れられない苦労を重ねてきた。その二人が変貌し、精神的にも技術的にもチームを牽引する存在になったことは、人間的にも大きく成長した証拠であり、より魅力的な男になったことは万人が認めている。
　これからも、サッカー選手や野球選手を目指す少年たちに夢を与え続けてくれるよう、一層の活躍を期待したい。