つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

年金は割のいい投資?・・・

2006-06-20 | Weblog
 一昨日の年金過払い金のことは、私が代理で社会保険事務所に説明を求める電話を掛けた。最近の社会保険事務所は、誠に低姿勢で、丁寧に対応をしてくれるのはありがたいが、上層部の不祥事が原因で、末端で働く者に非難が集中し、矢面に立たされるのは理不尽なことであろう。 
 とはいえ、納得するよう説明してもらわねばと、強気に出て色々尋ねた。しかし結局は、社保事務所への給料・賞与などの明細書の届出がスムーズに行われていなかったため、大まかに計算・裁定されたために過払いが生じたとのことだった。これには多少、雇用主の責任もあるようだし、納得のいく説明が得られたので一件落着とした。だが、知らずに過払いされたものを2回で返還せよとは、「お役所は何の説明もなく、長期的に返還できるような配慮もなく、強制的に差し引くとは少し強引ですね。社保庁は無駄に使うたくさんのお金があるのでしょうに」と言ってやったら、担当者は「本当にそうですね。すみません」と謝るので苦笑するしかなく、手間を掛けた礼を述べて電話を切った。

 社保庁の在り方や運営方法などはともかくとして、年金制度そのものは必要であり、現在の低金利時代の中では割りのいい投資であると思う。私も35年くらい前に現市に転入したが、住民票の転入手続きとともに国民年金加入の手続きを求められた。その頃の私はまだ若く、遠い将来のことなど考える余裕もなく、「何十年先に生きているか、もらえるかどうかも分らぬ年金などに加入するつもりはない」と生意気にも大言を吐いた。しかし「これは強制加入で国民の義務である」と言われ、その頃は月額4000円超だったか、仕方なく納付し続けた。そして、先日65歳になり年金受給資格を得たときに、初めて掛けていてよかったと切実に思った。若いときは将来のことなど考えないが、加齢と共に老後の生活不安は加速し、格別の財産を保有している人は歯牙にも掛けないだろうが、低所得層にいる私などは僅かでも死ぬまでもらえる年金の有難さを痛切に感じた。そして、生意気な大言を吐いたあの時の自分を思い起すと、冷や汗の出る思いである。
 私の経験から言わせてもらえば、年金未加入や未納の人たちも、いつか自分も老いるのであり、いくら福祉が充実してもお金がなくては十分な恩恵は受けられないこと、「後悔先に立たず」で、将来設計は自己責任であることを考えるべきである。
 
 社保庁騒動の発端は、2003年のコマーシャルに起用したタレントの保険料未納が発覚したことで、その後、国会議員の未納・未加入が次々に発覚し、マスコミが騒ぎ出した。現在では「社保庁」の名前がタイトルにあるだけで関心が集まり、また報道にも拍車が掛かるという留まる所を知らない大騒動になり、それが一層国民の不信感をあおっていることも確かである。サービスは改善されても、長年染みついた社保庁の体質が変わるわけはない。上層部の懲りない面々の責任の所在を追及して厳重に処罰しなければ、そのまま居座り、新機構に横滑りして同じことを繰り返すだけではないか。今の社保庁は信頼を回復するために、根本から体制改革する責務がある。
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