つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

「いじめゲームをしている君へ」・・・

2012-08-31 | いい話ですね

 8月17日朝日新聞の紙面に掲載された“はるかぜちゃん”こと子役の春名風花さん(11歳)によるコラム『いじめている君へ』がネット上で大きな話題になっているという。この子役のことは全く知らなかったが、プロフィールをみればドラマに映画、CMと、なかなかの売れっ子のようである。

 ■君、想像したことある? (原文どおり)
 ぼくは小学6年生です。タレントだけど、ふつうの女の子です。
 今から書く言葉は君には届かないかもしれない。だって、いじめてる子は、自分がいじめっ子だなんて思っていないから。
 いじめがばれた時、いじめっ子が口をそろえて「じぶんはいじめてない」って言うのは、大人が言う保身(ほしん)のためだけじゃなく、その子の正直な気持ちじゃないかなと思います。
 ただ遊んでいるだけなんだよね。自分より弱いおもちゃで。相手を人間だと思ってたら、いじめなんてできないよね。感情のおもむくままに、醜悪(しゅうあく)なゲームで遊んでいるんだもんね。
 ぼくもツイッターでよく死ねとか消えろとかブスとかウザいとか言われます。顔が見えないから体は傷つかないけど、匿名(とくめい)なぶん、言葉のナイフは鋭(するど)いです。
 ぼくだけでなく、時には家族を傷つけられることもある。涙が出ないくらい苦しくて、死にたくなる日もあります。
 けれどぼくは、ぼくがいくら泣こうが、本当に自殺しようが、その人たちが何も感じないことを知っている。いじめられた子が苦しんで、泣いて、死んでも、いじめた子は変わらず明日も笑ってご飯を食べる。いじめは、いじめた人には「どうでもいいこと」なんです。
 いじめを止めるのは、残念ながらいじめられた子の死ではありません。その子が死んでも、また他の子でいじめは続く。いじめは、いじめる子に想像力(そうぞうりょく)を持ってもらうことでしか止まらない。

 いじめゲームをしている君へ。
 あのね。キモい死ねと連日ネットで言われるぼくが生まれた日、パパとママはうれしくて、命にかえても守りたいと思って、ぼくがかわいくて、すごく泣いたらしいですよ。この子に出会うために生きてきたんだって思えるくらい幸せだったんだって。それは、ぼくが生意気(なまいき)になった今でも変わらないそうですよ。
 想像してください。君があざ笑った子がはじめて立った日、はじめて歩いた日、はじめて笑った日、うれしくて泣いたり笑ったりした人たちの姿を。君がキモいウザいと思った人を、世界中の誰(だれ)よりも、じぶんの命にかえても、愛している人たちのことを。
 そして、その人たちと同じように笑ったり泣いたりして君を育ててきた、君のお父さんやお母さんが、今の君を見てどう思うのか。
 それは、君のちっぽけな優越感(ゆうえつかん)と引き換(か)えに失ってもいいものなのか。いま一度、考えてみてください。 

 これが11歳の子の文章とは…、ババは感服するしきり。同年代だからこそ、いじめる子の気持ちも、いじめられる子の気持ちも分かるということもあろうが、どんな専門家の意見よりも心に響く。いじめ問題が発覚するたびに、多くの評論家や識者はもっともらしい意見を述べるが、彼女のように、いじめる子といじめられる子の両方の気持ちを代弁し、両方の子に訴えかけている、こんな内容の文章は初めてである。
 
芸能界に染まって大人びた子役は多いが、これだけの文章が書ける子はなかなかいないだろう。するどい洞察力、すばらしい表現力、どんな教育評論家の言葉よりも心を揺さぶられる。

 余談だが、先日、医院の待合室で女性週刊誌を見ていたら、「名門私立中学最悪のいじめ事件」という記事があった。この学校とは有名な青山学院中等部、関わったのは女子4人、男子2人で、リーダー格は女生徒A子。子どもであっても女特有の陰湿さ、大人顔負けの凄惨さ、これが刑事事件にならないのが不思議である。
 
指示したリーダー格の女生徒A子とは、女優の黒木瞳の娘だとか。被害者が告訴していないのか、刑事事件にはなっていないが、こんな恐ろしい事件を穏便に済ませようという学校側の対応には、当事者でなくても納得しかねている。

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3 コメント

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オールレディーさま (suri-riba)
2012-08-31 20:50:25
ホント しっかりしてる!
小6までの「家庭での基礎教育」がいかにしっかり出来ているか・・今時のこまっしゃくれたチビタレントとは一線を画していますね。

0歳からの積み重ねですから、親の責任がいかに重大か
考えさせられます。
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Unknown ()
2012-08-31 20:56:01
新聞の読者投稿覧を見るとこれが小学生が書いたのかと思われる素晴らしい記事に時々お目にかかります。
これが大人の文章かと呆れる記事もあります。
そんなバカな大人にも選挙権が与えられます。
返信する
Unknown (オールドレディー)
2012-09-01 09:39:26
★suri-ribaさま
昨今のいじめ問題から、家庭教育がいかに大事か、親の育て方で子どもはどんな人間にもなるということが良く分かります。
「うちの子は悪くない」、それが親の愛情だと勘違いしている親が多いことに唖然とします。
「三つ子の魂百まで」、小さい時に甘やかすとろくな子になりません。してはいけないことは厳しく教えることですね。



★亀さま
いじめ問題で加害者の親の姿が見えますが、いろんな親がいますね。親が偉いと子どもまで偉いと勘違いするのでしょうか。

このブログを書いた少女の親御さんの子育ては間違っていないですね。
「親を見れば子が分かる、子を見れば親が分かる」「この親にしてこの子あり」、昔の人はいいことをいいました。


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