世の中、訳の分からないことが多すぎる！・・・

　民主党の代表選、自民党の総裁選は乱戦模様、思惑や駆け引きがまかり通り、国民の知らぬところでリーダーが決められるという、訳の分からぬおかしな話。　　　　

　おかしいといえば、野田政権が尖閣諸島を約２０億５０００万円で購入することで地権者と合意したという話。最近まで、地権者側は「国、民主党政権は信用できない」として、石原都知事との交渉を進めていたと聞くが、突然の心変わりに誰もが唖然としている。　　　　　　　　
　ネットで色々な憶測記事が掲載されているが、もっともらしく思える記事もある。それまで、地権者は「漁民のために役に立てばいい」といい、石原知事が主張する漁船待機所（船だまり）や灯台などの設置に賛同していたが、数日前、石原知事との電話で「前の地権者から（尖閣諸島には）何もしないでくれと言われた」と言い出したという。前の地権者とは、元の所有者である福岡県八女市の古賀家のことか。だが、尖閣諸島についてのものの書には、古賀家は跡取りが途絶えるとして、現在の地権者栗原家にすべての資産を譲渡したと記されている。今になって、尖閣について異議をはさむ権利を有する古賀家の末裔がいるとは思えないのだが…。　　　　　　　　　　
　また、約２０億５０００万円という購入額はどこから出たのかというのも気になる。現在、国が支払っている年間賃料は３島で２４５０万円。単純計算で８０年超分に相当するという。国が購入すれば、日中関係はさらに悪化するという。また国は、石原知事が主張する船だまりや灯台などの設置はしないという。８０年のうちには何とか打開策も出てくるやもしれぬのに、今、何のために購入するのだろうか。
　ところで、巷間流れている金額の根拠としては、関係者や登記簿によると、ある金融機関が地権者の不動産に極度額２０億円以上の根抵当を設定しているという。その負債が売却の原因になった可能性もあるというのだが、それが事実とすれば、返済金の２０億円に、５０００万円の色をつけたということか。だが、税金を使うなら購入理由や購入金額の積算根拠を国民が知りたいと思うのは当然で、正式合意に至ったら、それについての説明はあるべきだと考える。

　約束を守らないのは政治家だけかと思っていたが、今や、口先だけの約束事は誰でも破っていいようである。「石原都知事にしか売らない」「男と男の約束だ」と語っていた地権者。義理も仁義もないこの仕打ちに、石原都知事がなぜ怒らないのか。これまでの石原都知事なら怒り心頭で激昂するはずなのに、意外とおとなしいことも不思議である。　　　
　その理由は、来る衆院選にあると…。どうしたって民主党の崩壊は避けられないだろう。一方、自民党は過半数を取れなくても第１党にはなれるだろうと、急遽、総理になりたいお歴々が我も我もと手を上げた。石原都知事の長男石原伸晃幹事長は谷垣総裁と立候補をめぐり真っ向勝負中だったが、今日、谷垣総裁は立候補を断念した。これにより、長老お気に入りの石原幹事長が総裁、次期総理となる可能性は大？　となれば、自分に叶わなかった総理の座をわが子にと願う親心は、怒りの矛を収めるに十分の理由となろう。　　　　

　話は変わるが、東京都が全国から集めた１４億６０００万円超の寄付金について、石原都知事は、当初、船だまりや漁業無線の電波中継基地などを整備する費用に充てるとして政府に譲る意向を示していたが、国がそれに応じる様子が見られないと発言を翻した。それに、寄付者から都に「都が買わないなら返してほしい」といった声が相次いだこともあるという。国が税金で購入するのに個人の寄付金を使うというのは馬鹿げた話で、返してほしいと思うのも当然である。
　地権者も地権者だ。東京都の調査船が出る前に国との売買交渉中を告げるべきだろうに、都は２５００万円の費用を無駄にした。結果的に国と都が不動産の“売買ゲーム”を展開し、地権者だけが笑ったのだという人もいるが、今回の騒動で、一番バカを見たのは善意の寄付をした人たちではないだろうか。