気だけは達者でも体は正直だ！・・・

　明日は敬老の日。報道によれば、全国の１００歳以上の高齢者は前年比４４２３人増の５万８８２０人となり、４４年連続で過去最多を更新したという。また、このうち女性は５万１２３４人と全体の約８７％、いかに女はしぶとい生き物かがよく分かる。かくいうババもしぶとい女のうちだが、３桁にならないうちにあの世へ引越したいと切に願っている。 

　ババは７３歳、気だけは達者でも体は正直だ。２週間くらい前のこと、友人とお茶しながら会話中、突然、電話回線がプツンと切れたかのように、頭の中が真っ白になって、何を話していたのか分からなくなった。友人がすぐに話題を変えてくれて、しばらく他の話をしていると、突如切断された話の続きが頭に浮かんできて、「さっきの続きだけど…」となった。それに、最近は会話の途中で、人の名前やお店の名前など、固有名詞がすぐに出てこないこともあって、いよいよ私も認知症かと、ショックで少し落ち込んでいた。
　また、１ヶ月くらい前から左手の親指と人差し指の根元周辺が痛かったのが、少しひどくなったようなので、思い切って赤穂市の総合病院へ。前日の予約時、認知症の検査は何科へ行けばいいか尋ねたら、それなら神経内科へという。

　１２日、整形外科と神経内科の“はしご”で、あっちこっち行ったり来たりの大忙し。整形外科では、レントゲンの画像から、親指は「母指ＣＭ関節症」、人差し指は「腱鞘炎」との診断だった。原因はというと、手の使い過ぎと加齢による関節軟骨の変性、すなわち「もうお年ですよ」ということだ。完治は望めないが、まだ軽症なので、痛み止めと塗り薬で痛みを和らげながら、だましだまし大事に使ってゆくしかないと医師が言う。よかった、利き手でなくて…。
　神経内科では受付後、初診の問診表で「既往症と手術の有無」欄に「骨折、虫垂炎」と書こうとしたら、骨折の“せつ”と虫垂炎の“ちゅうすい”の漢字が出てこない。あせればあせるほどダメ、とうとうかなで書いたが、「やっぱり認知症か」と大ショック。問診表を提出してしばらくすると思い出したが、すぐに出てこないのはやっぱりおかしい。
　次は看護士さんの問診で、ネットでみたことのある『長谷川式のスケールを利用した認知症簡易診断プログラム』とほぼ同じだが、もう少し詳しい質問をされた。もう平常心にもどっていたので順調に答えられたが、「１００から７を順番に引いていってください」のところで、４番目の７９を間違えた。でも、ほぼ完全な回答ができたようで、看護士さんが「これなら大丈夫、心配ないですよ」言ってくれてちょっと安心した。だが、認知症になるとこういう質問にも答えられなくなるのかと思うとゾッとする。
　神経内科だからメンタル面の問診も必要なのだろう。「今の生活は幸せですか」「新しいことに挑戦したいですか」「将来的な夢や計画を持っていますか」などなど、３０近い項目に「はい」「いいえ」で答えるのである。能天気なババだから、メンタル面は大丈夫だろうと自己診断。
　先生の診察が始まった。問診の結果を見て、「ほぼ完全ですが、もう一つ答えてください」と、箱から５つの物を取り出し並べた。「これは何ですか」と一つずつ名前を聞かれ、「それではこれを仕舞います」と箱に入れてふたをする。そして「この箱の中に何があるか、答えてください」という。４つまではすらすらと答えられたが、あと１つが出てこない。が、先生から「認知症の心配はまったくありません。ＭＲＩ検査は必要ないですよ」と言われてホッとした。だが、脳梗塞など、脳の血管が原因で起こる病気が心配なので、ぜひＭＲＩ検査をとお願いして、２週間先の２６日午前１０時の予約をした。これも異常なしだといいのだが…。 

　ネットで『認知症自己判断テスト』というのを見つけて試してみたが、これがなかなか難しい。相当頭を使うテストで、時間制限があったら９５点取れたかどうか、自信はない。