お金への執着はやる気がある証拠！・・・

　『最近の若者は、お金への執着が薄いといわれる。何が何でもお金を稼ぎ出してやろうという意欲がないというのだ。最低限の給料が保証されていれば十分。そういう考えの人が若者を中心に、４０代、５０代の人にも増えているという。しかし、そういう人に限って、仕事に対するやる気がなく、生命エネルギーも欠けている。
　「僕は○歳までに絶対に大金持ちになってやるんだ！」というお金への執着があったほうが、生命エネルギーも豊かである。目を輝かせ、どんな仕事も嬉々として実行する。お金を稼ぐためなら、彼は、何でもやるだろう。
　お金への執着は、大きなモチベーションになるのである。あなたが人事担当者なら、こういう人を採用したほうが、会社としてはずっといい。やる気があるかどうかは、お金への執着を見れば一目瞭然なのである。』

　これは１ヶ月くらい前に、ある経済情報サイトに掲載されていた記事の一部だが、１３日のgooニュースの“ライフ”面にも同じような記事があった。
　たしかにそうかもしれない。人はより良い生活をするために一生懸命働くのであり、1円でもたくさん給料をもらいたいと思うのは当然のことである。「私はお金にはこだわらない」という人は、無理してまで働く必要がない人だから、やる気がないのは当然だろう。
　だが往々にして、お金に執着する人は世間からは快く思われない風潮があり、公然と口にすることははばかられていた。が、「お金への執着はやる気のバロメーターである」ということになれば、堂々と口にしていいわけだ。
　一代で財をなした実業家の多くは、みんなお金への執着が強かったからがむしゃらに働いたのである。ハングリーな人ほど、お金への執着が強く、競争に打ち勝つ意志力を持っているといわれている。いつまでたってもフリーターやアルバイトでその日暮らしに甘んじている若者の数が減らないのは、結局お金に執着がない、すなわちやる気がない人が多いということだろう。

　また、上記のサイトでは、『相手のことをよく知りたいのなら、「あなたは、どれくらい報酬を望みますか？」と聞いてみよう』と書かれている。野球選手の年俸更改がいい例だろう。球団が自分をどう評価しているかは提示された年俸で分かる。だから、やる気のある選手は更改交渉に時間をかけ、何度も交渉を繰り返す。が、これは金銭への執着だけではなく、自分のモチベーションを上げ、エネルギーの糧にしようとするからであろう。

　「お金がすべてではない」というきれい事は、今や通用しなくなっているのだ。残念ながら、今はお金のあるなしで社会的評価が左右される世の中になってしまった。が、その人の本当の値打ちは、そのお金の使い方で決まると言えるのではないだろうか。お金に執着することは恥ずべきことではないが、ただの吝嗇に成り下がってはどうしようもない。