つれづれに 

老いてゆく日々、興味ある出来事に私見を添えた、オールドレディーの雑記帳です。

麻生さんとオバマ氏、ここが違う!・・・

2009-03-23 | どう思いますか
 追加の経済対策に生かすため、エコノミストや財界人、地方の知事らから話を聞く「経済危機克服のための有識者会合」なるものが、16日夜から5日間、首相官邸で開かれたそうだ。経済危機を克服するための方策についての意見を広く民間から聞いて政策に生かそうというものらしいが、こういう会合はもっと早い段階で開かれるべきであろう。これから意見を参考にという、今はそんな悠長な時ではないと思うのだが、麻生さんのやることはすべてが後手後手の感がしてならない。有意義だったと麻生さんはいうが、これが聞きっぱなしで終ることのないよう、また、単に選挙を意識したパフォーマンスでないことを期待したい。

 その5日目の21日、日本経団連の御手洗会長は、即効性のある需要創出策として、ハイブリッド車などの環境対応自動車の購入を促進する支援措置などを要望したという。また、岡村会頭は、幹線道路や整備新幹線の整備前倒しなどを求め、30兆円規模の大型で思い切った経済政策を求めたそうである。
 が、米国では21日、国内で生産された低燃費車への買い替えを促すため、8年以上になる古い車を低燃費車に買い替える場合、最大7500ドル(約72万円)を助成する制度を導入する法案が下院に提出されたという。やはり米国はやることが早い。
 また注目すべきは、オバマ氏が就任後の経済政策第1弾として打ち出した、雇用創出と環境・エネルギー政策を結びつけた「グリーン・ニューディール政策」である。この政策は、風力などの代替エネルギーを増加させ、政府施設の75%を対象に省エネ効率を高める投資などを実施する施策、つまりは、地球温暖化対策に基づいた景気浮揚策である。

 3月19日に放送されたNHK「環境で不況を吹き飛ばせるか『グリーン・ニューディールの挑戦』」という番組で、すでに「グリーン・ニューディール」政策が雇用を生み出し、不況を克服しつつある様子が紹介された。
 テキサス州北部では世界最大となる20万エーカーの風力発電所建設が進められており、1日1本の割で風車が立てられているそうだ。風車を造るためにはいろんな職種の労働力が必要とされるため雇用は促進され、町は活況に満ち溢れているという。地元民の1人は勢いよく回る風車を見上げながら、「風の音がお金の音に聞こえる」と冗談をいうほどである。
 また、俳優のシュワルツェネッガー氏が知事を務めるカリフォルニア州では、一般家庭に代替エネルギーとして太陽光発電装置による自家発電を進めている。その購入費用を州が一部負担する制度を設けているが、この補助金制度は、カリフォルニア州に住む人なら誰でも利用でき、使用量以上に発電したときには、余剰分を電力会社に売り、必要なときに買い戻すこともできる。太陽光発電が普及すれば、CO2排出量の削減と同時に、太陽光パネルの生産が誘発され、雇用も増えるというもので、現に、工場は太陽光パネルの生産に追われ、設置工事会社では1年先まで予定が一杯で、これからも雇用の拡大が期待できそうだという。また、一般家庭では毎月の電気料金が要らなくなるので、投資した設置費用は5年もすれば元が取れるそうである。昨年から増え続けている失業者が職を得て、感謝の言葉を述べながら笑顔で働いている姿、こういう映像が日本で見られるようになるのはいつだろうか?

 日本はといえば、「グリーン・ニューディール」構想の日本版を策定し、今後5年程度で市場規模を100兆円以上に拡大し、新たに80万人以上の雇用を創出することを目標に掲げ、3月末までに具体的な計画を策定するという段階にしか至っておらず、まったくもってスピード感に欠ける。
 日本の追加経済対策といえば、幹線道路や整備新幹線の整備などが中心で、それらが全く不要だとは言わないが、これからますます少子化が進み高齢化社会になると利用する人は限られてくる。作って終わりというわけにもいかず、整備・管理・維持に莫大な金がかかるわけで、結局、国や自治体の重荷になるのである。どんなに超近代的な国になろうとも、そこに住む人間がみんな年寄りというのは、想像するだけでこっけいである。それより社会福祉施設の整備・増設など、高齢化社会に対応した経済対策で、かつ雇用を生み出す施策を重点的に考えてもらいたい。少々不便でも古びていても、のんびりと心豊かに暮らしてこそ幸せというものであろう。
 この追加経済対策の財源として赤字国債が発行されるそうだが、ますます増える国の借金が次世代への負の遺産とならないよう願いたいものである。
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2 コメント

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Unknown (オールドレディー)
2009-03-24 09:38:44
♠nanaさま
本当に今の日本はどんな田舎に言っても道路が舗装されていますが、行き交う車がほとんどないという道路もあります。
必要な生活道路は整備しなければなりませんが、昔、道路族が幅を利かせていた頃は「おらが村の代議士に頼んだらすぐに道路ができた」ということがたくさんありました。
また、大物政治家のごり押しでできた新幹線の駅もありました。
さすがに最近は国民も賢くなったし、自治体の知事の中には骨のある人もいて、何でもかんでも国の言うことを聞くという人が少なくなりました。
政治家や経済界の人たちは自分たちを基準に物事を考えるのか、お金持ちのための構想が目に付きます。どんなに道路や新幹線がりっぱになってもお金のない弱者にはあまり有難くありません。
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Unknown (nana)
2009-03-23 23:03:59
記事の内容とは違うけども違和感を感じること、萱葺きの白川郷まで名古屋~富山間が全通しました。
確かに便は良くなりました。
実際私も北陸道経由で行ったことがあるので恩恵を受けています。
でもそもそも辺鄙な郷を売りにしているところにこんなに便利に車を通して良いものか。
実際連休などでは白川郷の駐車場が満車のため高速の本線まで詰まっているって。
ひっそりとした郷を訪れたいのに実は大渋滞と人並み、これが今の現実です。
私も車に頼っているので偉いことは言えませんが、行き過ぎた整備が多いようです。
道路族という言葉は当分無くならないかもしれません。
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