オートロックの暗証番号・・・

　１０日近く、毎日のように町内を走り回っていた消防署の広報車。「最近、放火と思われる火災が発生しています。住宅の周囲や、マンション・アパートの階段付近に燃えやすい物を置かないように。倉庫には鍵を掛けてください」と、１日に２回は巡回していた。その後、犯人が逮捕されたという話も聞かないが、雨が上がった４日以降は回って来なくなった。広報車といっても赤十字マークのついた白い軽四車と消防自動車の２台で、赤いランプを点滅させた消防自動車が走り回るのはあまり気持ちのいいものではない。
　うちのマンションは鉄筋コンクリート造りなので放火の心配はないが、玄関のオートロックを解除すれば誰でも中に入れるので、物騒なことに変わりはない。マンション購入時に受け取ったキーはオートロック解除キーと部屋キーが兼用で、コピーできる安物のキーだったので、入居と同時に部屋の錠前をコピーできない特殊なキーに変えた。
　全体のセキュリティはレスリングの吉田選手のＣＭでおなじみのアルソック（ALSOK）に委託しているらしいが、不審者が入ってきても分かるわけはないし、どういう犯罪対策がなされているのかはまったく分からない。
　オートロック解除にキーを使うのは面倒なので、全戸共通の４ケタの暗証番号を入力して開けているが、本来ならセキュリティ上、暗証番号は誰にでも教えるものではない。だが、私に教えてくれた住人がいるように、自分の親しい人に教えている住人はたくさんいるだろう。それに、電気・ガス・水道の検針員、管理組合からの依頼でくる業者や清掃業者など、知っている人はたくさんいる。高級マンションならともかく、管理人が常駐していないマンションではオートロックのセキュリティレベルは低いと考えたほうがいい。
　先日、スイミングから帰ったとき、玄関のスロープの端に若者が腰を下ろしていた。住人かと思って「こんにちは」とあいさつしながら前を通ったが無言である。暗証番号を入力してドアが開くと、その若者は私の後ろについて入ってきた。知り合いがいるのならこんな真似はしないだろうに、誰かマンションに入るのを待っていたのかと思うと気味が悪かった。幸い同じエレベーターに乗ってこなかったのでホッとしたが、都会ではこうした手口でエレベーター内の犯罪が起こると聞いている。 

　写真は動画サイトにあったもので、長いこと暗証番号を変更せずに、何年も使い込んできたらこのようになるという見本である。
　　
　ご多分に漏れず、わがマンションのテンキーも暗証番号の４ケタの数字部分だけが剥げている。パソコンでもよく使うキーは文字が薄れてくるのと同じで、１３年間も同じ番号を押していれば剥げてくるのも当たり前だろう。
　４ケタの暗証番号式の施錠では組み合わせが1万通り以上もあるので、そう簡単に割り出されにくいといわれているようだが、その筋のプロなら１万通りから２４通りくらいには絞ることができるという。それに、最初に暗証番号を決めるとき、何かに関連付けて番号を決めたり、語呂合わせがいいからとか、覚えやすいようになどと、意外といい加減な決め方をしているようで、よそのマンションの暗証番号と同じということもあるという。オートロックでもセキュリティが万全とは限らないというなら、何のためにあるのだろうね。