大河ドラマ・朝ドラ放送一時休止・・・

　NHKは15日、大河ドラマ「麒麟がくる」と連続テレビ小説「エール」の放送を６月に一時休止すると発表した。「麒麟がくる」は６月14日から、「エール」は同29日からで、再開の見通しは、今後の収録再開の状況を見ながら決めるという。
　新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、NHKも民放同様に収録をストップしていたが、いよいよ休止せざるを得なくなったようだ。両番組は４月１日から撮影を見合わせていたそうだが、今年秋から放送予定の連続テレビ小説「おちょやん」の撮影も見合わせているという。
　各民放でもコロナ禍の影響でドラマの収録が出来なくなり、４月からドラマの旧作をわざわざ特別編と銘打って放送している。が、これにも苦しい裏事情があるという。再放送を流しても制作費ゼロの再放送に高い金を払うスポンサーはいない。そこで再編集を施し、特別編という名の新たな番組に仕立ててればある程度のスポンサー料が取れるということらしい。
　では、ドラマが再放送されると俳優のギャラはどうなるのか、ネットで調べて見た。テレビ局は２～３年程度の”再放送権”付で製作プロからドラマを買い上げ、期間内に放送する場合はテレビ局が俳優に再度ギャラを支払う。
　期間外の再放送はテレビ局がそのたびに製作プロからフィルムを買う形になるため、ギャラは製作プロが支払うと言う。といっても出演者全員に対してギャラが支払われるのでなく、主演男優、女優やヒロインクラスの俳優に対して、最初の出演料の約10％が支払われるという。
　コロナ感染拡大で、３月以降の出演作がキャンセルされた俳優や声優は７割超に上るという。どこの局でも給料制の芸能人は別として、高ギャラの売れっ子に、収録できるかどうかわからない番組への出演を決めて多額のギャラを支払うような余裕はない。結果、局側は若手を多用するようになり、いわゆる大物タレントは「お呼びでない」となる。知名度の高い大物でもこうだから、ちょい役タレントには死活問題となろう。
　
　何十年も昔からずっと見ていた日曜日放送の「NHKのど自慢」は、コロナ騒動のため公開生放送や公開収録ができないため、今は「NHKのど自慢チャンピオン大会2019 熱唱名場面」が放送されている。
　また日曜日夕方放送の日テレの「笑点」も、17日には史上初の“リモート大喜利”を放送。司会の春風亭昇太だけがスタジオから出演し、メンバーは自宅からオンラインでお題に答える形式で行った。また、亡き先代円楽や歌丸が司会する過去の映像を見ながらコメントするという場面もあったが、こんな「笑点」はおもしろくない。
　「笑点」は３月末頃から少人数のスタッフのみが観覧する無観客大喜利を放送していたが、やはりお客の反応がなければやる方も張り合いがないだろう。これからも“リモート大喜利”が続くのかなあ。毎週日曜日楽しみにしていた２つの番組がこの調子ではつまらない。

　もはやコロナ禍の影響は多方面に及んでいる。５月24日から東京 両国の国技館で予定されていた夏場所は中止、プロ野球の開催日は最速６月19日(金)の開幕を目指す《当初は無観客試合で開催予定》という。そしてとうとう、国民全体が楽しみにしている夏の高校野球大会も中止が決まった。また各自治体では８月での終息はほぼ不可能と判断したようで、６～８月に予定していた夏祭りや花火大会の中止が相次いでいる。
　さらに来年夏の東京オリンピックについて、JOCのバッハ会長は20日、2021年開催が無理になった場合は中止とする見通しを示したという。もうオリンピックは中止すればいい。想定外の経済的損失が発生するだろうが、今は国や地方の財政、経済、国民生活の立て直しが先だろう。こんな状況で１年先のオリンピック開催に血道を上げている場合か、国がやるべきことはほかにもたくさんあるだろう。