長崎 対馬「核のごみ」の処分地選定 文献調査の請願が採択
(2023年8月16日)
原子力発電で出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の処分地選定をめぐって議論が続く長崎県対馬市で16日、
市議会の特別委員会が開かれ、第1段階にあたる「文献調査」の受け入れを促進するよう求める請願が賛成多数で採択されました。
いわゆる「核のごみ」は地下300メートルより深くに最終処分場を設けて埋めることに法律で決まっていて、
処分地の選定に向けては3段階で調査を行うことになっています。
このうち、第1段階にあたる「文献調査」の受け入れをめぐって対馬市議会には
賛成派と反対派からそれぞれの主張に沿った対応を求める複数の請願が提出されていて、
特別委員会を設置して双方の代表者などから意見を聞いてきました。
そして、16日開かれた委員会で採決が行われ、このうち賛成派の団体から出されていた「文献調査」の受け入れ促進を求める請願が、
賛成9人、反対7人の賛成多数で採択されました。
一方、反対派から出されていた請願は不採択となりました。
今回、採択された請願は来月予定されている定例会の本会議で正式に採択される見通しです。
文献調査に応募するかどうかは最終的に市長が決めることなっていて
対馬市の比田勝尚喜市長は「特別委員会での議論・採決を踏まえて更に、熟慮いたします」とコメントしています。
「核のゴミ」最終処分場、長崎県対馬市議会が文献調査採択 市長、今議会中に最終判断
原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)の最終処分場を巡り、
長崎県対馬市議会(定数19)は9月12日開会した定例会本会議で、
選定の第1段階となる「文献調査」の受け入れを求める請願を賛成10、反対8で採択した。
結果を受け、比田勝尚喜市長は今議会中(最終日は27日)に最終判断する方針を示した。
採択されたのは、市内の建設関係の4団体が連名で調査受け入れを求めた請願。
急速に進む人口減少や経済の疲弊を背景に、地域活性化につなげようと提出された。
市議会は8月16日、議長を除く全員で構成した特別委員会を開き、
この請願を賛成9、反対7、欠席1で採択していた。
定例会では、質疑、討論を経て採決。
調査受け入れに反対する請願は不採択とした。
比田勝市長は本会議終了後、報道陣の取材に対し、
「重い議決だと受け止めている。文献調査を受け入れるというような発表をした際には、
最終的には処分場の誘致までになるものというふうに思っている」と述べた。
文献調査は、3段階ある選定調査の第1段階。
最終処分場事業を担う原子力発電環境整備機構(NUMO)が、2年程度かけて地質図など過去の文献を調べ、
適地かどうかを評価する。
政府から最大20億円の交付金が支給される。
受け入れれば、北海道の 寿都(すっつ )町、 神恵内(かもえない) 村に続き、全国3自治体目となる。