令和5年10月28日
国交省 高速道路、平日の料金割引拡充へ
休日の「観光公害」抑制で
国土交通省は、平日の高速道路料金の割引を拡充する方針を固めた。
現在は観光需要の多い休日料金が平日の3割引きとなっているが、
周遊パスの割引率引き上げなどを通じて平日が休日よりも安くなる料金設定を目指す。
観光需要を平日に誘導し、オーバーツーリズム(観光公害)を抑制する狙い。
政府が来月2日に決定する方針の経済対策に盛り込む方向だ。
首都圏と京阪神を除く地方では、普通車と軽自動車の自動料金収受システム(ETC)搭載車を対象に、
高速道路の土日・祝日の料金を平日の3割引きとしている。
地方の観光需要を喚起し、経済活性化を図る目的で2014年に導入されたが、
休日に渋滞を招く要因の一つとなっている。
このため同省は、特定エリアの高速道路が定額で乗り放題になる「周遊パス」について、平日の割引率を引き上げる方針。
周遊パスは宿泊施設や観光施設の利用券とセットになっているものもあり、こうした施設との連携拡大も目指す。
また、平日の割引拡充に合わせ、休日3割引きの対象も見直す意向だ。
既に交通量の多いゴールデンウイークやお盆、年末年始といった繁忙期や、
混雑が激しい首都圏や京阪神の区間には適用されていないことを踏まえ、
同様に適用外とする期間や区間があるか今後検討する。
観光施設や宿泊施設、公共交通機関では、休日や繁忙期は通常よりも割高の料金を設定している。
同省は、道路分野でも需要に応じた料金設定に足並みをそろえることで、
観光需要の分散・平準化を進めたい考えだ。