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MONAのフォト・ギャラリー

写楽・・話楽・・・な日々

サムソンの眉

2019-10-04 21:31:24 | 小さなおはなし

前にも書きましたが 自分の「くっきり眉」を気にするマメ子(孫) 

マメ母(娘)は LINEで 

「 前髪を 切った方がいいかしら? 」と  私に訊いてきます   

「 私は マメちゃんの眉が大好きよ! 前髪で隠したら がっかりだわ 」 

「 どうも 友達にからかわれたらしいのよね・・ 」 

「 そのうちに忘れてしまうわよ 」と 流していました  


私がマメ子家に泊まった朝のこと 

マメ父母は出勤し マメ子と私で朝ごはんを食べていました  

「 マメちゃん 昔々 サムソンという力持ちの男の人がいたの 」 

「 ふ~~ん」 

「 サムソンは 生まれた時に 神さまからその力を授かったの 

その力はサムソンの髪に宿っているから切ってはいけない 

そして この秘密を誰かに話してはいけないと 神さまはサムソンに言うの 

ところが サムソンの力に勝てない敵たちは デリラという女の人を使って 何とかサムソンの力の秘密を訊き出そうとしたの  

デリラは サムソンに こう言ったの 

『 私はあなたが大好きなのに あなたは秘密を打ち明けないのね  それならば 私は死にます 』 

サムソンは とうとう 自分の秘密をデリラに打ち明けてしまう 

すると デリラは眠っているサムソンの髪を切り 力が無くなったサムソンは敵の兵隊に捕まってしまうの 

牢屋に入れられ 鎖に繋がれ 働かされ続けたサムソンは 

ある日 サムソンの神さまではない 敵の神さまをまつる神殿に引き出され 

その前にひざまずくように 命じられます 

サムソンは 神さまに祈ります 

『 私は あなたとの約束を破り秘密を話してしまいました 

どうか許してください 

そして どうか私にもう一度だけ力を与えてください! 』

神さまは 願いを聞き届け サムソンに力を与えます 

サムソンは その力で 神殿の柱をへし折り 神殿も中にいた敵も滅ぼしてしまいました 

こんな お話・・・ 」 

「 柱って? 」 

「 家を支えるもの!  日本の家は木の柱だけど この神殿は石で造られた柱だから とても頑丈にできている筈よ 」 

「 そのお話の絵本をみたい! 」 

「 絵本はないけれど・・ これは『聖書(旧約)』という本に書かれている 大昔のお話なの 」 

興味津々の マメ子です 

「 サムソンの力は 神さまが下さった髪に宿っていたのよね!?  

マメちゃんの力は もしかしたら 眉に宿っているかもしれないわよ

だから 神さまが下さったものは 大事にしないとね 」 


こらぁ 壮大な話になってきたぞ・・  

 

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母子草

2019-10-03 22:12:37 | 小さなおはなし

もう一つ仕事を片づけてからと思ったのが 間違いでした  

閉店間際の銀行に寄り 書類を出すだけと思ったのですが もう30分も待たされています  

一人々々に時間がかかる用件なのか 行員が少な過ぎるのか 分かりませんが   

順番は なかなか進みません  

とうとう しびれを切らし 

「 何か問題があったら電話を下さい もう一度 来ますので 」と言い 受け取ってもらいました  


そのまま電車に飛び乗り これから東京を横断しなければなりません  

今は 幼稚園が終わった後も 預かり保育という形で夕方まで子どもをみてもらえます  

これがあるから 働くお母さんたちは 何とかやっていけるのですが  

その日は マメ母(娘)が出張で 私も仕事 

朝8時にマメ子(孫)を幼稚園に預け 夕方 迎えに行かなければなりません  

スマホで乗り換えの時間を 必死に調べ   

問題は最後の部分の 駅から幼稚園までのバスの本数が少ないと気がつきました 

バス停で 予定より30分は遅れると確定し 幼稚園に電話を入れました  

保育時間の内のことではあるし これ以上焦っても仕方ありません  

それでも 幼稚園に着き 足早に保育室に向かうと 

部屋の前に 一組の親子がいました  

ぺしゃと座り込んだ小さな女の子と 静かな彫像のように 傍らに佇むお母さん 

軽く会釈をし 部屋を覗き込むと 子どもたちが 

「 マメちゃんのおばあちゃんだと 叫びます   

荷物をもって出てきたマメ子「遅くなってごめんね」と言いながら 玄関に向かいました  


部屋の前にいた親子を思い出したのは 

駐車場にとめていた車に マメ子を乗せ 走り出してからでした  

「 マメちゃん お部屋の前にいた子は どうして座り込んでいたの? 」 

「 力がなくなったんじゃない? Fちゃんは赤ちゃんだから・・ 」 

お姉さんぶったマメ子の物言いに 思わず口が綻びたけど   

記憶の糸が やっと この親子に結びつきました  

この春 入園したFちゃんは マメ子より一つ下  

偶々  靴箱で帰りが一緒になった時 

この小さな天使のようなFちゃんが お母さんの靴を揃えて 

「 お母さん お仕事お疲れさま! ハイ どうぞ! 」

と 言った時の愛らしさ・・・ 

そして その時 感動のあまり ウルウルしたお母さんの顔・・ 

確かに くっきりと記憶に残っています 

それから半年が経ち Fちゃんも 天使から人間に降下したのかしら? 

マメ子が そうだったように・・ 

でも 動かない子が 自分で立ち上がるまで 忍耐強く傍で待つお母さん 

そうであるなら すごい事です 

そして 「今は赤ちゃん」であるFちゃんが どんな風に成長するのか楽しみです 


みんな同じような過程をたどって成長していくのですね  

後ろを振り返る暇はないけれど Fちゃんが1年前のマメ子の姿と重なります 

マメ子も その時から 随分 成長したのだと 改めて思いました 


*** 画像は 以前撮った ヤマハハコ ***

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2019-09-22 21:46:35 | 小さなおはなし

数日前の朝のこと マメ子(孫)を幼稚園に送るため そろそろ家を出なければならない 

「 支度できた? 」と 私は声をかけた 

マメ子は 顔にクリームをベタベタに塗っている最中だ 

「 クリーム塗り過ぎよ 

ティッシュで クリームを拭き取ろうとすると 

「 マメ子は 眉を白くしたいの と言う 

なるほど だから 眉にクリームが厚く塗ってあるのか・・・ 

「 マメ子の眉 キライなの  他の子みたいな 普通の眉にしたいの 

あら まっ・・  

「 マメちゃんみたいな『くっきり眉』滅多にないわよ! みんな羨ましがるわよ~ 」 

「 イヤなの! イヤなの! 」マメ子は泣きべそをかく 

 ・・・・・ 

「 マメちゃん 誰もが同じ眉だったら マメちゃんだって分からなくなるじゃない 」 

「 マメちゃんは 今のままのマメちゃんでいいのよ 他人と同じでないからいいんじゃない  」 

そんなゴタゴタの最中 マメ子は クリームを拭き取ったティッシュを洗面台の排水管に流してしまったらしい 

幼稚園にマメ子を送り届け 帰って来てから 排水管の詰まりに えらく苦労した  


ああ そうなのか・・ 

前の晩 マメ母から 発表会の時の写真を見せてもらった時 

マメ子が真剣に写真を見つめていたのを 思い出した 

その時 自分と友達を比較していたのだと気づいた 


子どもと接していると 当たり前と思っていることが 土台から揺らいでくるような事が時々ある 

大変ではあるけれど その刺激は自分にとっても悪くないかも・・ 

とにかく 親でなくて 良かった!

 

 

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この一言!

2019-09-17 22:22:40 | 小さなおはなし

ガラガラに空いた電車のドアが開き ホームに並んでいた人たちと車内に乗り込んだ 

すると みな一瞬 ギョッとした 

座席に 長々とうつぶせに寝ている男の姿 高校生だろうか・・・? 

一緒に乗り込んだ 中・高校生たちは クスクス笑いながら遠巻きにしている 

どう見ても 具合が悪いとは思えない 

部活で疲れて つい 空いていた車内で 体を伸ばして寝てしまった? 

でも 朝7:30なんだけど・・ 

そのうち目を覚ますだろうと思いながら 彼のことは いつの間にか意識から消えてしまった 

次に 目に入った時 その姿は床に転がっていた 

うつ伏せのまま・・・ 

「 えっ! どうしたの? 」 

次の駅で私は降りる そこで駅員に知らせなければと思った 

誰もが退いてしまう その状況下で 傍に立っていた50代の男性が一言 

「 大丈夫? 」と 声をかけた 

高校1,2年生?の その男の子は やっと顔を上げ 起き上がり 座席に座った 

ちょうど駅に着いたので その後のことは分からない 

 

私が声をかけたら きっと 余計なことを言ってしまいそう・・  

「 大丈夫?」という このシンプルな一言だけを言える人って素晴らしい

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ゴン太だって 自我盛り!

2019-07-26 19:21:34 | 小さなおはなし

今 

3歳のゴン太(息子の方の孫)は マメ子と同様 

自我のてんこ盛りです 

でも もう二人目になると・・・ 

「 食べない 」 

「 そう 食べなくていいよ~ 

ばーばが食べちゃうわ 」 

「 着ない 

「 そう じゃあ 自分で着てね 」 

もう ユルユルの対応です  

 

やっと 週末にたどり着きました 

台風が近づいているそうです 

気をつけて下さいね 

私は 家で休養です

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マメ子の乱

2019-07-13 22:53:40 | 小さなおはなし


朝早く マメ母(娘)から電話がかかってきた 

「 マメ子が幼稚園に行かないというの 私が今日は在宅勤務だと知っていて ママと一緒にいるというのよね 」 

ママの邪魔はしない 一人で遊ぶと言っているそうだ 

「 じゃあ これから行って マメ子をこちらに連れて来ましょう 」と 私 

ならば マメ父が 車で横浜辺りの駅でマメ母子を落とすから 後は電車で・・ 駅にはジジが車で迎えにと テキパキ決まった 

9時過ぎには 「 おはよう! 」と マメ母子が現れた 

マメ母の仕事は すぐに始まった  

マメ子は オモチャをひっぱり出して遊び始める 

この日は 幸いにも 午後にジジの定期的な通院に付き添う以外 予定はなかったので 私ものんびりマメ子の相手ができる 

お昼近くなって マメ子は幼稚園で食べる筈だったお弁当を広げた 

お弁当は 毎日 マメ父が作っている 

「 美味しい! 」と マメ子は完食   

こんな賛辞を聞くと マメ父はメロメロ・・・ 

「 高校生になるまで 自分がお弁当をつくる  」と  宣言したとか   


午後になり ジジの病院の予約に間に合うよう 出掛けなければならない 

ところが マメ子は一緒に行かないという 

「 ジジが診てもらっている間 近くの植物園に行ってみない!? 」 

「 ヤダ!」 

「 雨が降ったら 温室に行ったらいいわ バナナが生ってるかも 」 

「 ヤダ! 」 

「 マメ子は  ママの仕事を邪魔しないと約束したんでしょう? だったら ばーばと一緒に来るしかないわね 」 

いつにない私のキッパリとした口調に押されて 車に乗ったマメ子 

しばらくすると眠ってしまった 

結局 ジジを病院に送り届け 私とマメ子はUターン 

眠っている子を抱き上げ 家に運び込む 

また 重くなっている?


夕方 マメ母の仕事も終わり マメ父も迎えに来て みんなで食事 

マメ子はお風呂にも入り 家に帰ったら パジャマを着て寝るだけだ 

「 さようなら~! 」 

誰もが これで一日は終わったと ホッとした  

ところが 家に帰って マメ子は またひと騒動起こしたそうだ  

マメ母は 怒鳴り 

マメ父は 手を上げそうになったとか・・ 


「 でもね 幼稚園の繭子先生から こんなお便りがあったの 」と マメ母 


にこにこ マメちゃんも  ぷんぷん マメちゃんも 大好きです 

先生は いつも一緒にいます 


「 繭子先生 素晴らしいわね   この言葉を冷蔵庫の扉に貼って   

開け閉めするたび 唱えるといいわ 」と 私  


祈ること 信じることって 大切だ 

2歳半頃から始まった マメ子のイヤイヤ期も もう2年 

ここに来て 極まれりといった感がある 

繭に籠っているマメ子が 早く 飛び立てる日が来ますように 

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わにわにのおふろ

2019-07-12 21:43:53 | 小さなおはなし

お風呂場から マメ子(孫)のキーキー声が聞こえてきます 

「 ぶつけたところが痛いの! だから洗わない! 」 

「 シャワーかけるだけでしょ! 汗かいてるんだから・・ 」 

と マメ母の声 

服を脱いだが 洗うなら風呂場に入らないというマメ子と 

寝るまでの一連の作業をサッサと終えたいと思うマメ母の攻防です  

前日は 自分の部屋で何かにぶつけて 痛いと泣くのに 

「 見せて! 」というと「 見せない! 」と頑張るマメ子に辟易したと聞いています 

「 もしひどい怪我なら お医者さんに行かないと・・ 」と言った言葉が マメ子を頑なにさせたのでしょう 

「 多分  太ももの脇をぶつけて  今は紫色のあざになっているから大丈夫なの  私にもきちんと見せないのよね 」というマメ母は ひどく疲れています 

仕事を終えて帰り 早くゆっくりしたいのに また この騒ぎです 

でも この場面に ばーばである私が分け入ることは出来ません 

説得に耳を貸さないマメ子 理屈が通らない相手にキリキリするマメ母 

これも 母子のコミュニケーションの一つなのですから 

もうちょっと 角度を変えた方がいいと思うけどね・・  


寝る支度ができて 私の布団にもぐりこんできたマメ子に 

こんな絵本を読みました 

「 わにわにの おふろ 」 

小風さち 文  山口マオ 絵  福音館書店 


わにわには お風呂が大好き! 


ずりっ ずー ずー とお風呂場に入ってきた 

わにわに 

じゃぐちをひねって お湯をため まず  することは・・ 



おもちゃを 入れることだよね~ 



それから それから 

 

 

わにわには 歌も歌うんだ! 

ばーばも 歌うけど・・ 


 

そして お湯につかって 

お風呂から出たら・・・ 


ヤクルトを飲む マメ子と同じね!

 

 

「 わにわに お行儀わるい~!

お風呂から出た後 石鹸も オモチャも 散らかりっぱなし! 」 

と マメ子 

 「 ダメわに だね~  


わにわに シュールで 教育的ではありません 

でも 

だからこそ 子どもにうけるのです 

 

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読み聞かされる

2019-05-23 22:16:13 | 小さなおはなし


寝る時間になると  マメ子(孫)は私の布団の中に潜り込んできます 

「 じゃあ 絵本を読もうか 」 

と読み始めるのですが すぐ眠くなってくる  

私が・・ なのです   

文字がぼんやりとしてきて 自分の声が遠くに聴こえてきます  

「 〇 〇 で  し  た ・ ・ ・ 」( 沈 黙 ) 

その途端 

「 寝ちゃ ダメ  」 

マメ子の 厳しい声に  眠りから引き戻される 私 

続きを読み始めますが またすぐ

「 ・・ ・ ・  ・ 」

必死に読んで やっとのことで本の最後まで行き着き  ホッ! 


「 今度はマメ子の番ね 他の本を持ってきて! 」 

マメ子が読み始めます 

私は うつらうつら・・ 遠くにマメ子の声を聴いています 

マメ子の声が途切れました 

「 続けて! 」 

それを何回か繰り返しているうち マメ子が布団から抜け出しました 

「 ママのところへ行く 」 

「 そう おやすみ・・ 」 

それから まったく記憶がありません   

ハッと気づくと 部屋の電気は煌々とついたまま 

時計を見ると あれから4時間も経っていました 

廊下に面したドアが マメ子の身体の分だけ細く開いていました 

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大きな屋根になるという生き方

2019-05-18 22:57:41 | 小さなおはなし


*** 前記事に続きます *** 

生前 樹木希林さんがTVで 「 映画は監督のもの  俳優は監督に言われた通りに演技すればいいの 」と話していたことを覚えている 

でも 彼女が黙って従っていたとは とても思えない 

正面切ってではなく 斜って ボソッと 自分の考えを言っていたに違いない 

この「万引き家族」という映画でも きっと・・  


血の繋がりのない この家族が みなで海水浴に行くシーンがある 

りんの誘拐がニュースになり 治は建設現場で怪我をし 信代はリストラされるという四面楚歌の状況 

それも どこ吹く風というように みな屈託ない笑顔で 砂浜を走り 波と戯れる 

家族を満足そうに眺めながら おばあさん役の初枝(樹木希林)がぽつりと言う 

「 ありがとうございました・・ 」 

この言葉に ちょっと違和感を感じる 

「 ありがとね さよなら・・・ 」位が ぴったりではないかな? 

翌朝  初枝は布団の中で冷たくなっていた 

初枝は 年老いてはいるが みなの世話になっているわけではない 

むしろ この疑似家族(が適当な言葉か分からないが・・)の大きな屋根といった存在なのだ 

屋根が 雨風からみんなを守るという役目を果たすには それを支える柱が必要だ 

その柱は 初枝の年金  そして  治と信代の稼ぎ  信代の妹役「亜紀」の風俗のアルバイト料 等々 

その上 初枝はちゃかりと 家出している亜紀の両親から 預かり料まで貰っている 

自分も活き みなも活かすという 現実的な大らかさだ 

きっと この家は 初枝という大きな屋根があるだけで 壁はないに違いない 

風が吹き通っていて 出入り自由! 

初枝自身も ずっと家にいるわけではない 

主に パチンコ店? 隣の人の玉をネコババしたりしている 

そうであっても この初枝という重しがあるからこそ 家族という形に成り得たのだと思う 

血の繋がりはなくても  互いを思いやり 身を寄せ合って暮らしていた家族は 社会の法規によって裁かれ バラバラに引き裂かれてしまった 


亜紀は もう誰もいない家を訪れる 

何もないガランとした家の中・・ でも  そこにあった温もりは嘘ではない 

治と信代は それぞれ「 祥太の父 りんの母にはなれなかった 」と失意の底に沈む 

でも その愛は灯となり  祥太とりんが これから生きていく道の導となるだろう 


*** 自転車に乗ろうとしたら キリギリス科(ヤブキリ? ウマオイ?)の幼虫がいました  ***

 

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灯をかかげて

2019-05-16 23:36:39 | 小さなおはなし


生きることは  哀しみ  苦しみ 

忘れてしまいたい過去を もう一度たどり 修正したくなる 

先日おはなしした 映画「万引き家族」の父親役「治」の本名は「しょうた」

パチンコ店の駐車場で 車上荒らしをした時 車の中に置き去りにされ死にかけていた男の子を連れ帰り「祥太」と名づけます  

祥太に「父ちゃん」と言われたい 

切ない治のその気持ちは 自分が父親と親子の絆を築けなかった過去を 修復したいからなのです 

祥太を過去の自分に重ねているのですね 

一方 母親役の「信代」は 治が見かねて連れ帰った 親に放置されていた女の子に「りん」と名づけます 

りんの身体に残る傷をさする信代 

同じ傷が未だに残る信代には それが何であるのか分かるのです 

空腹のりんに おばあさん役の初枝が 熱々のお麩をふーふーして食べさせるシーンは まさに樹木希林の独壇場の場面! 

信代もりんに愛情を注ぎます 

やっと りんが居ないことに気づいた親が届け出て誘拐事件に発展しても 信代はりんを手放そうとはしません 


そして 祥太 

りんは祥太の後をくっついてまわります 

「お前は りんの兄ちゃんだよな!?」

「違う!」と言っていた祥太ですが 次第に兄としての自覚が芽生え始めます 

りんが祥太の指示なく 自ら万引きをしようとした時 それをさせまいとして怪我をしてしまいます 

病院に駆けつけた治と信代 警察の事情聴取に逃げ出しますが すでに遅く・・・ 


すべての罪を一人で被った信代 

「私は母親にはなれなかった」

静かに涙を流します 

怪我が治り 児相から学校に通うようになった祥太と会った治 

「おれはお前を残して逃げてしまった 父親失格だ」

二度と会うまいと心を決めるのですが 

祥太の乗ったバスが走り出すと 追いかける治 

バスの中から振り向く祥太

「とうちゃん・・・」小さく呟きます


さて りんは・・・ 

DVの親許に帰り 治に拾われたのと同じシーンで終わります 

でも 手には信代にもらったものを握り そして 手すりに掴まり何かを見た? 

その先には きっと りんを気にかけている誰かがいるのでしょう 

そう思いたいです 


家族とは何だろう? 

この問いかけに 誰もが心を動かされます  

 

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