ぼくのメジャースプーン 辻村深月 講談社文庫
ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしょうもなくひどかった。
ある日、学校で起きた陰惨な事件
ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。
彼女のため、犯人に対して ぼくだけにできることがある。
チャンスは本当に一度だけ
これはぼくの闘いだ。 ( 書籍・カバー裏より )
そして、さらに解説(藤田香織)より
>タイトルは「ぼくのメジャースプーン」
不思議な力を持った小学4年生の「ぼく」が女の子を救うために戦う物語ー。
カバー裏や帯に記された情報は、読み終えてみれば確かにそのとおりでは
あったけど、未読の状態ではどんな内容なのか正直ちょっと予想がつかなくて
だから、一刻もはやく知りたくなり、逸る気持ちを抑えながらページを捲くり続けた。
でも、途中で何度も手が止まった。
泣きたいほど切なくて、だけど泣いてなどいられなくて
こみ上げてくる感情を頭の中で処理しきれず、息を吐いて少しぼんやりして
また息を吸って
どうにか読み終えたときには、予想していたよりずっと長い時間が経っていた。
そして思った。この本を多くの人に読んで欲しい、と。
いいよ! ヤバイよ。なきそうになる。「泣けるとは言いたくない。
辻村深月、ホントに凄いよ!
***
まったくの同感
この本から受けた衝撃はあまりに大きかった。
この小説を読み終えたとき、いろんな考えが頭のなかを錯綜した。
「ぼく」が闘っていた7日間
「ぼく」と同じように秋山先生の授業を1日ずつ、心に刻みこんで
私も7日間も、小説のなかにひき込まれて、「力」の「言葉」を考え続けた。
ひとつの考えを 絶対化するのではなく
いろんな考え方があることを学んだ。
そして、人のために出来ることは何かも・・・。
ハッピーエンドの結末には正直、ほっとした。
街はクリスマスモード
そして 職場でも利用者さんたちがケーキ作り
なにかをつくる日はみなさん、普段よりイキイキされている。
受付嬢(笑)の私にも「ゆきだるまケーキ」の おすそ分けが届いた。