「とん ことり」の音がして

暮らしの中で 絵本と私

ぼくのメジャースプーン

2010-12-10 17:27:01 | 書籍・絵本

 

 ぼくのメジャースプーン  辻村深月 講談社文庫

 ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしょうもなくひどかった。
 ある日、学校で起きた陰惨な事件
 ぼくの幼なじみ、ふみちゃんはショックのあまり心を閉ざし、言葉を失った。
 彼女のため、犯人に対して ぼくだけにできることがある。
 チャンスは本当に一度だけ
 これはぼくの闘いだ。      ( 書籍・カバー裏より )

 そして、さらに解説(藤田香織)より
 >タイトルは「ぼくのメジャースプーン」
 不思議な力を持った小学4年生の「ぼく」が女の子を救うために戦う物語ー。
 カバー裏や帯に記された情報は、読み終えてみれば確かにそのとおりでは
 あったけど、未読の状態ではどんな内容なのか正直ちょっと予想がつかなくて
 だから、一刻もはやく知りたくなり、逸る気持ちを抑えながらページを捲くり続けた。
 でも、途中で何度も手が止まった。
 泣きたいほど切なくて、だけど泣いてなどいられなくて
 こみ上げてくる感情を頭の中で処理しきれず、息を吐いて少しぼんやりして
 また息を吸って
 どうにか読み終えたときには、予想していたよりずっと長い時間が経っていた。
 そして思った。この本を多くの人に読んで欲しい、と。
 いいよ! ヤバイよ。なきそうになる。「泣けるとは言いたくない。
 辻村深月、ホントに凄いよ!

 ***

 まったくの同感
 この本から受けた衝撃はあまりに大きかった。
 この小説を読み終えたとき、いろんな考えが頭のなかを錯綜した。
 「ぼく」が闘っていた7日間
 「ぼく」と同じように秋山先生の授業を1日ずつ、心に刻みこんで
 私も7日間も、小説のなかにひき込まれて、「力」の「言葉」を考え続けた。

 ひとつの考えを 絶対化するのではなく
 いろんな考え方があることを学んだ。
 そして、人のために出来ることは何かも・・・。
 ハッピーエンドの結末には正直、ほっとした。



      

  街はクリスマスモード
  そして 職場でも利用者さんたちがケーキ作り
  なにかをつくる日はみなさん、普段よりイキイキされている。
  受付嬢(笑)の私にも「ゆきだるまケーキ」の おすそ分けが届いた。