「とん ことり」の音がして

暮らしの中で 絵本と私

酔いがさめたら、うちに帰ろう

2010-12-13 22:03:52 | 映画
 

  映画 「酔いがさめたら、うちに帰ろう」

 原作は、2007年にがんでなくなった鴨志田譲による同名自伝小説
 戦場カメラマンでありフリージャーナリスト
 漫画家の西原理恵子の夫だった人
 その彼が、アルコール依存症で入院生活を経て克服した経験がもとに
 なっている映画

  

 どうしょうもないなあ~ カモちゃん
 そのどうしょうもない人間がなにを見て、なにを感じたか
 わかんないよ・・・

 断酒の治療を受けるため入院を決めた
 カモちゃん(安行)が家族と公園で会って、別れる時
 家族の後ろ姿を眺めながら

 >淋しい。淋しいを母音だけで言うと、”あ・い・い・い”。
    悲しい。だと、”あ・あ・い・い・・・。( ああ、良い)
 
 と口にするシーン。
 遅いんだよ。
 帰る場所に気付くのが・・・
 アルコール依存症
 わかっちゃいるけど、やめられない。
 なんと情けなく、いとおしく、リアルなこと
 病院食のカレーライスのシーンが面白い。
 まわりの人間の悲喜こもごも
 ・・・
 かなしくもあたたかい映画でした。

 主題歌は忌野清志朗の「誇り高く生きよう」

 わけもなく 涙ぐむのは
 君のこと 想っているから
 悲しい涙じゃない あったかい気持ち
 ・・・

 雨降りの寒い1日
 新宿の街、映画館を探しながら歩く
 一人であることをおもう。
 さっきまで読んでいた鷲田清一の文章があたまに浮かぶ
 >携帯電話にしろ、mixiにしろ
  常に誰かとつながっていることでバランスを保っている。
  それを「近代的な寂しさ」と呼ぶ。

  うん、うまいこと思うな!
  同じ場所にいるからといって
  人は同じものをみているわけではない。
  家族だからといって
  同じ風景を眺めているわけでもない。
  ・・・
  じっとものを思いながら
 一人で立っていることのできること
  別に強いとか、そういう意味ではなく
  一人で立っていることの楽しさもある。
  それでも、尚 人は
  誰かを想い うちに帰る。