こんにちは!
りす組(0・1歳児)担任の新井裕紀子です。
こんにちは!
りす組(0・1歳児)担任の新井裕紀子です。
今回の子育てインフォメーションは、「乳児期のことばと子どもとの関わり方」について、お話しさせていただきます。
りす組の子どもたちも、4月当初に比べて、おはなしが上手になり、保育士や友達とのやりとりを楽しむ姿が見られます。また、0~2歳の月齢の差が見られるりす組では、言葉の発達も月齢や子どもによって様々です。ことばは生まれた赤ちゃんからどのように育ち、周りの大人はどのように関わっていけばよいのでしょうか?
~泣き声は赤ちゃんのことば~
生まれたばかりの赤ちゃんは、泣き声によって、「おなかがすいた」「おむつをかえてほしい」などの感情を表します。それを受けて赤ちゃんの欲求を察してかなえてあげるのが周りにいる大人です。それが繰り返し行われることによって赤ちゃんは「泣いて訴えれば不快を快にしてくれる」とだんだんわかるようになってきます。この時期に大切なことは、すぐに欲求をかなえてあげることです。
~喃語でおはなし~
2、3か月ごろになると、機嫌の良い時に「アーアー」というように音声の反復を楽しむ、いわゆる喃語が出始めます。この時期には、なるべく赤ちゃんを抱きあげて、目と目を見つめ合い、うれしい表情で言葉かけをしてあげましょう。喃語と対話することにより、喃語の数も増え、表情も豊かになっていきます。抱きしめ、ほおずりし、言葉かけをして、応答的な環境を与えてあげることが大切です。
6、7か月ごろになると、人見知りが出てきます。「いないいないばあ」の遊びを楽しみ、目と目の接触、消えては現れる人の顔の刺激、リズミカルな声の刺激に声をたてて喜びます。8、9か月ごろになると、人見知りが始まり、保育者の姿が見えなくなると後追いをして泣き出します。しかし、これらが出現したということは、子どもと保護者との間にアタッチメント(愛着関係)の成立が認められたということです。そして愛着関係が成立ていくことで、情緒も安定し、保護者を安全基地として外界を積極的に探索し、保護者がそばにいることによって安心して自分で遊びを見つけられる子どもになります。
~身振り言語を教える~
ハイハイやつかまり立ちを始める時期には、「バイバイ」や「チョウダイ」など身振り言語を教えると、模倣してくれるようになります。この時期に「マンマンマ」らしき喃語を言ったときに、「マンマよ」といっておやつをだすと、それが繰り返されることによって、「マンマ」という喃語が意味づけされて、マンマ=食べるものという概念が生まれてくるようになります。
~ことばの発達~
1歳前後になると、たとえば犬を指さして「ワンワン」と、物の名前を言うようになります。言葉は保護者と子どもの相互交渉の中で、どんどん豊かになっていきます。「ワンワン、キタ」、次に「ワンワン、キタ、オーキイ」など、やりとりによって文章になっていきます。2歳ごろになると物に名前があることを知り、「これなあに」と尋ねるようになります。これは物の名前を知りたいだけでなく、物の名前を聞くことによって保護者との会話を楽しんでいるのです。
言葉の学習の基本は、乳児期における人間関係の中で形成されるといわれています。なかでも、母親のあやし声による子どもとの関わりは、コミュニケーションの原点でもあります。育児中の言葉掛けや泣き声や喃語に対する応答など、乳児期の大人との関わり方はとても大切です。こうした人との関わりを通じて、コミュニケーションの基盤を培っていきます。
私たち保育士は、子どもたちの発達に関わる仕事です。日々、子どもたちに寄り添いながら、保護者の皆様と一緒に子どもたちの成長を見守り、援助していくことが出来ればと思っています。子どもたちは、成長するにつれ、たくさんの言葉をプレゼントしてくれます。是非、ゆっくりとご家庭で保育園での出来事を会話する時間を持っていただき、お子様とコミュニケーションを楽しんでくださいね。
参考文献:「すてきなお母さんになるためのパスポート」
中川登美子 幼年教育出版 1986