ISO成功法

ISOと継続的改善を両立させよう。ISOは継続的改善のための、基盤整備に役立つ。基盤整備と継続的改善のコツを整理したい。

「人の振り見てわが振り直せ」

2009-01-31 | ISO外論
改善すべき課題を設定する、目標を決める、など前向きに進みたい時、実施することは、現状把握である。
「いま自分はなにをしたいのか」を確認する。
そのうえで、強い点はなにか、強くしたい点はなにか、あるいは問題点は何か、目標達成の障害となっていることはなにかなど、「いま自分はどこにいるのか」を考えることが、現状把握である。

現状把握のコツは、意味ある比較をすることである。
従来と比較して、いまはどうか。
同種、同業と比較してどうか。
目標や理想と比較してどうか。
高い目標があり、自分の現状(実力)を自覚するためには、異種、異業と比較してもよいだろう。昔の剣豪のやった道場破りである。
このように、どのような意味ある比較ができるかは、現状の実力にかかっている。

「人の振り見て、わが振り直せ」という言葉がある。
人の批判なら誰でもできる。
いまの自分と比較してどうか。
自分の目標と比較してどうか。
前向きに考える人は、前向きに人からも学ぶことができる。
いまの自分を評価して欲しいと考えるなら、相手を選ぶべきである。
決して自分より実力の低い人を選ばないこと。能力の高い人はよりよい点を見抜いてくれるだろう。
「人の振り見て、わが振り直せ」は能力であり、技術である。これができれば、一人前である。


人間は「ホモ・サピエンス」という定義があるが、単に生きるために考えるということなら、程度の差はあるものの、人間以外にもそのような生き物がいることは今の科学でわかっている。「ホモ・ネガンス」という人間の定義について考えたい。社会心理学者のE.フロムによれば、多くの場合人間の行動は「イエスマン」であるが、生存や利益を度外視して、真実や誠実、愛のため「ノー」と主張することで、人間は他の動物とは区別される存在である、という。
合理性を超えた不良や問題点低減の取り組み、「飽くなき品質の追求」は、「ホモ・ネガンス」の特性があるからできる。これは、日本の製品が安かろう悪かろうといわれ海外の輸出先から返品の山ができた当時の危機感を背景に、先輩たちが作り上げた品質文化でもある。

最近、ポジティブに明るく考えることが良いとされるが、表面的な明るさのみでは、問題の原因を深く考える改善には役に立たない。目標や希望を持つことが大切である。自分の人生にビジョンを持ち前向きに生きる特性を、ホモ・エスペランス(希望する人)という。
まず、正しい現状把握をおこない、組織の強い点を引き出す。つぎに、ホモ・ネガンスの洞察力を使って、改善したい問題点の中から、近い将来強くしたい問題を選び出すことから始めよう。
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