4.2.1:品質マネジメントは以下の文書で構成される。
品質方針と品質目標
品質マニュアル
規格の要求するプロセスの管理の手順
4.2.2:ISOで要求される品質マニュアルは以下の条件を満たすこと。
適用範囲を明確にすること。
品質マネジメントシステムについての文書化した手順を示すこと。
プロセス間の相互関連を示す記述があること。
文書化の世界
「口角泡を飛ばす」という言葉がある。
これでもかというくらいに議論する、言葉や文書にこだわる。欧米の特徴である。
むかし友人の映画監督に教えられた。シナリオを読む。日本の会話は全てを言いきらないそうだ。余韻があるというか余韻を残さないとシナリオにならない。
そこで、韓流、すべてを話してくれるから楽しい。異性からこう言われたいと思っていることを聞く心地よさがある。言い過ぎで恥ずかしい気もするが。
詩人の佐藤春夫が詩を書く心得を聞かれて「言葉は浅くこころは深く」とこたえた。
山頭火「言ひすぎは言ひ足らないよりもよくない」。
日本人は形と心を別のものとは考えない。
長年かけて心を形に変える。茶道、華道などはそれにあたる。
ISOでやたらに文書を作っても決して形はできない。心のないものには形はない。
ではどうしたらよいだろうか。
改善のプロセスを考えてみよう。現状把握して問題の原因を見つけ、それに手を打って成果を確認してから、歯止め標準化する。
当然標準化とは、良い点や問題の再発防止の標準を作ることと、その教育訓練をしてよい状態を維持することである。これが出来たら次の問題を探し改善を繰り返す。
問題を見つけ良くしたいと思うから、心がはいる。
さて、ISOを作ったEUのように外国人労働者の多い国では、作業者の訓練のための作業標準のような文書は必要である。スタッフは苦労して標準をつくり、徹底して守らせ、また守る努力をする。「始めに言葉ありき」の世界である。
最近のように、海外の労働者の多い日本で学ぶべきことも多い。
ただし、日本のよさを生かした標準化に取組むことが大切である。
日本には「守破離」という形を学ぶプロセスがある。
まず、形から学ぶ、次ぎに形を破る、そして全てから離れてみる。その後、自分なりの形を作りそのくり返しをするというプロセスである。
文書化のコツ
以下、文書化のコツをまとめる。
1、「マニュアルは標準語で、その他の文書は方言で書いても良い」
ある審査機関の代表者から聞いた。マニュアルはお客様にも見せるので、わかりやすく書くべきである。社内で見る文書は、社内に通用する表現でよいということである。
審査と言うと文書のあら探しのようになるが、理解するよう努力するのが審査員の役割である。
2.「である」調で書くと文書がぞんざいになる。「です」調で書くと親切な文書になる。
マニュアルはお客様に見せることを考えて、丁寧に書きたい。普段から文書を書きなれている人ならよいだろうが、「である」調で書くと自分が偉くなったような気がして、よい文章がかけないことがある。
3.ISO審査の対象になる文書には、すでに出来ていることしか書かない。
当然のことかもしれないが、文書を作成する段階に気付くことは多く、つい必要以上のことも書きたくなる。多くの場合、文書作成者は文書を読む人より理解している人だろうから、つい余計なことまで書きたくなる。この誘惑に勝てないと、実力以上の文書になるため、守りにくい文書になる。
こうしたいと言う文書は別に解説書のような形で書くべきである。
4.解析や再発防止のプロセスを大切にして書く。
「始めに文書ありき」はよくない。また、文書にしなくても誰でもできることは、文書にすべきでない。これを守らないとどんな問題がおきるかを中心に書くべきである。
解析や改善のプロセスにそって書くのがよい。いわゆるQCストーリーが一番わかりやすいはずである。
5.手順はフローチャートで書くとわかりやすい。
フローチャートは前後の工程が明確になるし、少し解説を加えれば帳票や記録のインプットとアウトプットの関係がつきやすい。従来から品質管理を実施している会社で使われている、品質保証体系図や品質保証活動一覧表など活用すべきである。
6.誰によんでもらうか考えて書くこと。
誰が読んでも理解できること、という考えは捨てたほうがいい。そんなに丁寧に書いたものは、実務に慣れている人が日常使うのにはふさわしくない。
誰が読んでもわかるように書くのは教育用のテキストである。
実務者に必要なのは、手軽に見られる注意書きでよい。
教育用と実務用を混同しないようにしないと、役に立つ文書にならない。
7.一番大切なことは、標準化とは標準を作って終わりではないということである。
作ったものは徹底して教育訓練すべきである。もし教育訓練の時間が取れない程度のことの標準など作るべきではない。
品質方針と品質目標
品質マニュアル
規格の要求するプロセスの管理の手順
4.2.2:ISOで要求される品質マニュアルは以下の条件を満たすこと。
適用範囲を明確にすること。
品質マネジメントシステムについての文書化した手順を示すこと。
プロセス間の相互関連を示す記述があること。
文書化の世界
「口角泡を飛ばす」という言葉がある。
これでもかというくらいに議論する、言葉や文書にこだわる。欧米の特徴である。
むかし友人の映画監督に教えられた。シナリオを読む。日本の会話は全てを言いきらないそうだ。余韻があるというか余韻を残さないとシナリオにならない。
そこで、韓流、すべてを話してくれるから楽しい。異性からこう言われたいと思っていることを聞く心地よさがある。言い過ぎで恥ずかしい気もするが。
詩人の佐藤春夫が詩を書く心得を聞かれて「言葉は浅くこころは深く」とこたえた。
山頭火「言ひすぎは言ひ足らないよりもよくない」。
日本人は形と心を別のものとは考えない。
長年かけて心を形に変える。茶道、華道などはそれにあたる。
ISOでやたらに文書を作っても決して形はできない。心のないものには形はない。
ではどうしたらよいだろうか。
改善のプロセスを考えてみよう。現状把握して問題の原因を見つけ、それに手を打って成果を確認してから、歯止め標準化する。
当然標準化とは、良い点や問題の再発防止の標準を作ることと、その教育訓練をしてよい状態を維持することである。これが出来たら次の問題を探し改善を繰り返す。
問題を見つけ良くしたいと思うから、心がはいる。
さて、ISOを作ったEUのように外国人労働者の多い国では、作業者の訓練のための作業標準のような文書は必要である。スタッフは苦労して標準をつくり、徹底して守らせ、また守る努力をする。「始めに言葉ありき」の世界である。
最近のように、海外の労働者の多い日本で学ぶべきことも多い。
ただし、日本のよさを生かした標準化に取組むことが大切である。
日本には「守破離」という形を学ぶプロセスがある。
まず、形から学ぶ、次ぎに形を破る、そして全てから離れてみる。その後、自分なりの形を作りそのくり返しをするというプロセスである。
文書化のコツ
以下、文書化のコツをまとめる。
1、「マニュアルは標準語で、その他の文書は方言で書いても良い」
ある審査機関の代表者から聞いた。マニュアルはお客様にも見せるので、わかりやすく書くべきである。社内で見る文書は、社内に通用する表現でよいということである。
審査と言うと文書のあら探しのようになるが、理解するよう努力するのが審査員の役割である。
2.「である」調で書くと文書がぞんざいになる。「です」調で書くと親切な文書になる。
マニュアルはお客様に見せることを考えて、丁寧に書きたい。普段から文書を書きなれている人ならよいだろうが、「である」調で書くと自分が偉くなったような気がして、よい文章がかけないことがある。
3.ISO審査の対象になる文書には、すでに出来ていることしか書かない。
当然のことかもしれないが、文書を作成する段階に気付くことは多く、つい必要以上のことも書きたくなる。多くの場合、文書作成者は文書を読む人より理解している人だろうから、つい余計なことまで書きたくなる。この誘惑に勝てないと、実力以上の文書になるため、守りにくい文書になる。
こうしたいと言う文書は別に解説書のような形で書くべきである。
4.解析や再発防止のプロセスを大切にして書く。
「始めに文書ありき」はよくない。また、文書にしなくても誰でもできることは、文書にすべきでない。これを守らないとどんな問題がおきるかを中心に書くべきである。
解析や改善のプロセスにそって書くのがよい。いわゆるQCストーリーが一番わかりやすいはずである。
5.手順はフローチャートで書くとわかりやすい。
フローチャートは前後の工程が明確になるし、少し解説を加えれば帳票や記録のインプットとアウトプットの関係がつきやすい。従来から品質管理を実施している会社で使われている、品質保証体系図や品質保証活動一覧表など活用すべきである。
6.誰によんでもらうか考えて書くこと。
誰が読んでも理解できること、という考えは捨てたほうがいい。そんなに丁寧に書いたものは、実務に慣れている人が日常使うのにはふさわしくない。
誰が読んでもわかるように書くのは教育用のテキストである。
実務者に必要なのは、手軽に見られる注意書きでよい。
教育用と実務用を混同しないようにしないと、役に立つ文書にならない。
7.一番大切なことは、標準化とは標準を作って終わりではないということである。
作ったものは徹底して教育訓練すべきである。もし教育訓練の時間が取れない程度のことの標準など作るべきではない。